いよいよ今日から観光親交関係団体への訪問が始まります。
上海市徐汇区(じょあい・く)の郭(かく)副区長さんを訪問。いわゆる東京都の特別区のようなもので、人口1800万人の上海市には19の区と一つの県があるのだそう。
そんな数ある区の中でも徐汇区は、古くからの建築物や中国で最も古いお寺などがあり、またレベルの高い学校も多く、富裕層の率も高いのだとか。先方なりに「投資に最適です」というあたり、区同士の競争もかなり激しそうです。
副区長からは修学旅行などによる相互交流が安定的にあれば、飛行機路線の維持に繋がるのではないか、という提案がありました。なるほど。
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続いては飛行機会社として最近急成長をしている中国東方航空を訪問。こちらでは営業部次長の黄(ホァン)さんとお話ができて、「飛行機を飛ばすためには、旅行会社が良質な商品企画を造成する」という点で意見が一致。
ただ今回は、民間によるビジネス活動だけではなく、東北海道の釧路周辺自治体が一体となって協力し合いながら観光振興のための行動を起こすことになったことが画期的なのだ(白糠棚野町長)ということで、ここでもやはり修学旅行や子供達同士の相互交流というアイディアが魅力的だということになりました。
地域として真面目に考えてみたい課題です。
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さて、午後からは上海有数のメディア企業であるSMG(Shanghai Media Group)を訪ねて、めでぃあ・広報宣伝の立場からの東北海道について意見交換をすることにしていました。
ところがこの間に事務局では重大なピンチを迎えていました。なんと、明日の午後の物産展で無料配布する予定のグッズやパンフレットを詰めて送った箱が、上海の郵便局通関担当を通らずに入手出来ないという事態になっていたのです。
実は既に日本にいる時から、通関手続きが滞っているという情報が入っていたのですが、担当者が現地には行って説明をすれば何とか理解してもらえるのではないか、と楽観的に考えていました。
中国国内では外国から送られた荷物の対応は個人用とビジネス用で異なり、ビジネス用ではインボイスという商品の内訳や単価を記載した商用書類を事前に送らなくてはなりません。
しかし担当者のA君は、送った品々は無料配布であってビジネスではないことから、当然インボイスをつけないままに送りました。
ところが通関当局の言い分は、
①日本の担当者から送られた荷物は個人が送ったことになっているが、量があまりに多いのでこれは個人用と言うよりはビジネス用と判断される。しかしインボイスがないため書類が不備である。
②荷物の宛先が上海で宿泊するホテル(花園飯店)になっているが、商業荷物を受け取るにはそれなりのライセンスが必要だが花園飯店はその資格を持っていない。
③しかもホテルが受取人になっているのに、個人のAが取りにきたのは何故か。
④いずれにしても書類が不備なのでこの荷物を通すわけにはいかない、というものでとりつく島がありません。
配布グッズがないのでは販促イベントの効果が大幅に下がることは必定です。現場からは随時情報を入れてもらっていたのですが、話を聞いた使節団としては現地での交渉の余地が少ないと判断し、仕方なく日本へ事情を話し外務省筋からのチャンネルを使えないかを緊急に打診しました。
中国での業務終了は16時30分なので、解決までもう時間がありません。
連絡の結果、本国における連絡網が機能して15時過ぎには現地の領事館から通関の担当部局に電話をしてもらえるところまでこぎ着けました。良かった!
これで外務省から一言を添えてもらうことで一気に解決に向かう…と思いきや、なんと先方は一気に態度を硬化させ、規則は規則であって曲げられないと、交渉が物別れに終わってしまいました。天国から地獄~大ピンチ!
結末はどうなる? 以下次号へ続く