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夜になって雨となった

(富士市街から富士山 -12月13日)

当地は今日午前中は晴れていたが、午後は曇って小雨も降り、夜には雨が音を立てて降ってきた。明日の朝には天気が回復して風が強まるという。日曜日にもう一度天気が崩れ、月曜日から年末年始は冬型の晴れの日が多いという予報である。ただ、我が家には明日、西から孫台風が襲来して、年末年始の間、停滞するようだ。

冬の靜岡の天気は周期的に動くから素人でも予報はしやすい。今夜のように低気圧が日本列島を通過して雨が降った後、低気圧は三陸沖に抜け、北海道の東沖の海上で発達すると、西高東低の気圧配置となって季節風がぐんと強まる。日本海側では雪となり、太平洋側では晴れて空っ風が吹く。大陸の高気圧が強いときは、高気圧がなかなか移動して来ず、西高東低の気圧配置が続き、日本海側は大雪となり、靜岡ではからっ風の晴天が続くことになる。冬山でベテランでも遭難騒ぎが起きるのはこんな時である。やがて、高気圧が移動して日本の上にやって来ると、風が止んで日本全国一時優しい晴天となる。これは長続きすることは少なく、やがて次の低気圧が来て、雲が広がって雨となる。そんなくり返しが冬の靜岡の天候である。

冬型の気圧配置となったとき、関ヶ原の狭間を抜けた雪雲は、岐阜から名古屋に雪を降らせるけれども、雪雲が東海道に沿って靜岡まで流れてくることはめったにない。靜岡は北アルプス、中央アルプス、南アルプスと重なる山脈にガードされて、雪雲の侵入はほぼ100%防御されている。

天候が崩れる前の晴天無風の冬の日に、近くの薮山を、落ち葉を蹴散らしながら歩くと最高に気分が良い。林の中にいても落葉樹であれば、樹下まで陽が差し込んで暖かい。山歩きに熱った身体には冷たい空気が心地よく感じる。尾根近くの林の中で立ち止まり、倒木に腰掛けて目を瞑ると、林が立てる音の向うに、遠い地上の喧騒がかすかに聞こえる。選挙カーが立てる音も別世界のことに思えてくる。薮山によっては、木間越しに雪を頂いた富士山がみえる。富士山を見えただけで、その日の山行に満足感が広がるから不思議である。

ところで、富士山にはいつ雪が降るのか。富士山も実は山脈の内側にあって、西高東低の天気では気温は下がるが、雪が積もることは少ない。富士山が真っ白になるのは、今夜のように天候が崩れて、靜岡に雨が降るような日である。平地は5℃でも3000メートルを越す富士山では氷点下13℃で、雨はすべて雪になる。だから、明日の朝は富士山は3合目あたりまで真っ白になっていると想像している。
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