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95長谷寺、94蓮光寺 - 駿河百地蔵巡り 14回目

(長谷寺本堂)

沼津に入って、千本浜に出る手前に第九十五番長谷寺がある。長谷寺は案内板を見る限り、御本尊は十一面観音で、観音信仰のお寺で地蔵尊の記述は全く無い。境内を見渡しても、地蔵尊のお堂や石地蔵なども見当たらなかった。かつて地蔵堂があり、石造りの日限地蔵が祀られていたけれども、戦災で地蔵堂共に失われたという。


(若山牧水の墓)

長谷寺からUターンして沼津の町に向かう途中に、乗蓮寺という立派なお寺がある。このお寺は若山牧水の墓があることで有名である。墓は門を入って正面に近い所にあり、墓の門柱のように、牧水の歌を刻んだ石柱が立っている。変体仮名もあって、以前に立寄ったときは、写真を撮って帰って、片方が何とか読めただけであった。古文書を勉強してきた結果、今回はその場でさらりと読めた。

左側の歌碑は、牧水の歌で、右側の歌碑は、牧水夫人の喜志子の歌である。

  聞きいつゝたのしくもあるか松風の 今は夢ともうつつともきこゆ 牧水

  古里の赤石山のましろ雪 わがいる春のうみべより見ゆ 喜志子



(平作地蔵尊)

狩野川の右岸に沿った旧東海道を遡る。もっとも、現在は河岸の防潮堤嵩上げ工事が進められていて、堤防には近寄れない。吉原から原へかけて、いくつか津浪避難タワーが出来ていた。黒瀬橋も架け替えられて、高架になっていた。いずれも震災後の津浪対策なのだろう。黒瀬川の直下に「平作地蔵尊」の祠がある。旧東海道筋にあって街道歩きの時も立寄った。

「平作地蔵尊」の案内板によると、「日本三大仇討」の一つとされる、浄瑠璃「伊賀越道中双六」に出てくる沼津の平作にゆかりの地蔵尊といわれている。平作が命を懸けて聞き出した、仇河合又五郎の居場所で、平作の娘婿、渡辺数馬は、義兄荒木又右衛門の助太刀により仇を討つ。この地蔵尊のある場所は、昔、平作の茶店があったとされる場所である。この地蔵尊は延命子育地蔵で、「もろこし地蔵」と呼ばれ、地元の人々の信仰を集めている。


(蓮光寺地蔵堂)

平作地蔵から沼津駅に向かう途中、少し高台に第九十四番蓮光寺がある。境内右手に立派な地蔵堂がある。お地蔵さんは救世厄除地蔵尊という。蓮光寺本堂前には枯木を銀色に彩色したオブジェがあって目を引かれた。随分思い切ったことを考えるお寺である。


(蓮光寺本堂前オブジェ)

今日はここまでとし、沼津駅から電車で帰る。富士と靜岡で乗換になるが、今日はめちゃくちゃに眠くて、それぞれの乗換駅に到着するまで寝込んでいた。本日の歩数35,161歩、歩行距離17キロであった。  
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