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安倍新政権への期待

(牛尾山から大井川上流の眺望)

衆議院議員選挙の結果は、有権者自身にも、大きな驚きであったようだ。しかし、このような結果は十分に予測されたことであった。また発足する安倍政権への期待感は、選挙後の方が日を追って高まっているように見える。

民主党は野田総理の解散判断が間違いであったという、怨み節が全党を覆って、再起の兆しが見えないまま、今もって呆然自失の態に見える。弁護するわけではないが、あの時点での解散は、野田総理の最大の功績であったと、後の世の歴史家は記すかもしれない。

内閣支持率が20%台に低迷し、不支持率が50%を超える内閣は、すでに死に体であった。国民に見放された内閣が、世界の国々から信頼されるはずがない。野田政権は勝負あった対局で投げ場を求めている棋士に似ていた。勝負がついているのに、最後まで投げないのは、有権者に対して大変失礼な話で、そこには党利党略以外の何ものもない。国民のため、国家のためを考えるならば、一日も早く解散して、国民の審判を仰ぐのが、正しい政治家の姿であった。

民主党の敗北原因は、政権を担う政党として未成熟であったという、一言で表現できる。もう一度、一から出直して、ぜひ二大政党の一角を担える力を付けていただきたいと思う。

解散があってから、市場は円安、株高に一方的に動き、株価は大きなハードルに見えた一万円を軽く越してしまった。新政権がまだ発足していないのに、日本の経済の足かせだった、円高株安が解消に向いているように見える。安倍新政権が目指す、デフレ脱却のためにインフレ率を2%に設定する経済対策を、マスコミはアベノミクスと呼んでいる。今日、日銀の金融政策決定会合の結果、10兆円の追加金融緩和策を発表した。さらに、日銀総裁は、安倍新政権のインフレ目標2%に、前向きの姿勢を示した。

新政権発足を待たずに、停滞していた様々なことが、支えが取れたように一斉に流れ出した。有権者には何が起きているのか、あれよあれよと思うばかりである。民主党政権の最大の失敗は、日本の官僚を敵に回してしまったことであろう。官僚には功罪があるけれども、戦後の日本を発展させてきたのは、政治家ではなくて官僚組織であった。政治家は官僚組織をうまく使って、自分たちの政治理念を実現するのが役割である。敵に回して、サボタージュをされたのでは日本は動いていかない。新政権発足を前に、官僚たちのサボタージュが一斉に解かれたのではないかと想像している。

東日本大震災の復興予算が実行されないで、残ってしまうことが問題になっている。各所で人手がないから実施できないと声が上るが、一方で災害復旧が送れて苦しんでいる人たちがいるわけで、そんな問題はやる気になれば解決できない問題ではない。民主党政権には官僚たちのやる気を削ぐものが多くあったのであろう。
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