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衆議選全国世論調査の疑義

(みのり橋より、夕焼けに燃える大井川対岸の山々)

今朝、新聞のトップに、衆議選の全国世論調査の結果が出ていた。「自民単独過半数の勢い」「民主激減70前後か」という見出しが躍っていた。選挙が始まったばかりで、ズバリと数字まで出してしまう。こんな報道が近年行われていて、その予測通りの選挙結果になってしまう。

全国12万3700人への電話世論調査によるというが、いったい誰に電話調査をしているのだろう。いまだかつて世論調査を受けたことがない。自分の知らないところで実施された世論調査で、自民単独過半数などと決め付けられれば、自分の一票など大勢には関係ないと言われているようで、気分がよろしくない。自分の選挙権を否定されたようで、投票行動に影響が出るのではなかろうか。結果が判っているスポーツ中継を見るほどつまらないことはない。

今日昼間、その世論調査の電話が掛かってきた。いきなり女性の録音された声で、アンケートの依頼を話し始めたので、うろたえて切ってしまった。後で最後まで聞いてみればよかったと思ったが、日頃、留守番電話に切り替わったら切ってしまう自分に、録音された調査に対して上手に答えられるはずがない。しかしながら、実際に電話世論調査が行われていることは判った。

色んなメディアから毎日のように世論調査の結果が発表される。それがほとんど似たような結果になる。調査方法が一緒なら、結果が同じようになるのは当然である。我が家に掛かってきた電話は、たまたま自分が取ったけれども、本人確認はなかったから、誰でもよかったのだろう。ということは、現業についていて、電話に出られない人たちの意見は一切反映されないことになる。自分も仕事に付いている時代には、一切調査の対象にはならなかった。

つまり、現在の調査方法では、自宅に居てテレビや新聞などをよく見ている人たち、つまりはマスメディアの誘導に乗りやすい人々が調査対象になっているのではなかろうか。

それでも、結果が予測にほぼ近いのだから、調査は正しいと言うかもしれない。しかし「自民単独過半数の勢い」とでかでかと書かれてしまえば、投票行動がその報道の影響を受け、結果として、「自民単独過半数」を実現してしまうことになっているのかもしれない。勝ち馬に乗るのが世も趨勢である。

マスメディアによる選挙誘導と、誘導を受けやすい人たちにしぼられた世論調査で一気に大勢を決めてしまう。そんなマスメディアの選挙支配が行われていたとすれば、忌々しき事態である。

小選挙区制になって、どちらか一方の圧勝が続いている。小選挙区制の特徴だといわれれば、その通りなのだが、国会がいつも初心者で溢れる状況を見ていると、組し易しと喜ぶのは官僚ばかりで、国としては大変に危ういと感じている。
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