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家山梅園から野守の池の散策

(家山梅園で憩う老夫婦)

思い立って、どこへ行くあても無く、女房と出かけた。法多山に詣でて団子でも買ってこようか、くらいの心積りしかなかった。女房が受講する講座の会場の鍵を返すため、金谷会館に寄る。ついでに、観光案内のパンフレットを幾つか貰ってきた。その中に家山梅園のチラシがあった。これが良いと即決し、方向を北へ変えた。梅もそろそろ咲いているだろう。何といっても無料なのがよい。

薄雲のような、黄砂が来ているような、すっきりしない天気である。何といっても、真っ赤なスギが山々を彩っているのが気に入らない。この空気の濁りがスギ花粉ということはあるまい。ベニフウキを飲んでいるので、今のところ症状は出ない。

家山の街を通り過ぎた先に、山の斜面を利用して、家山梅園はある。今年で3度目くらい来ている。地域のお年寄りが少しづつ整備して、一気に良くはならないが、年々梅の木も大きくなっているのがうかがえる。花は五分くらいであろうか。白と紅色と薄赤い色の3色が咲いている。早咲き、遅咲きが入り混じって、まだ花をつけていない梅もある。

段々状になった斜面を登って行くと、一番上に小屋掛けした地元農家産品の直売所があった。自分は甘酒をいただき、女房は細々と買っていた。地元のおじさんに聞いたところでは、元はヒノキやスギの山だったが、戦争中、食料の増産で斜面を開墾して色々な作物を作った。戦後はそこへお茶を植えたが、皆んな年を取ったのでこんな斜面でのお茶作りをやめた。代りに梅の木を植えて、皆んなに楽しんでもらおうと、少しづつ整備しているという。

家山の町が一望に出来て、見晴らしが大変良い。写真を撮ったりしていると、野守の池の方から花火が上がって轟いた。今日はどこかのお祭かと聞けば、野守の池の山の神さんのお祭だという。そこへ寄ってみようと駐車場に戻って車を走らせた。




(野守の池の太公望とミノムシ)

野守の池の端、山の斜面に小さな祠があり、幟や紅白の幕で飾られ、人寄りがしていた。地元の人だけのお祭で、よそ者は加わるわけにはいかないようだ。車を停めて、池の周囲を散策した。何が釣れるのか、太公望が列を成していたが、釣れた現場は最後まで見なかった。

八木洋行氏が話していたことを思い出した。野守の池に草が生えて、処理に困った地元の人たちが、草を食べてくれるという草魚を入れた。草はなくなったが、池の水が濁るようになってしまった。草が水の浄化をしていたと、後で気付いたという。草魚は今も住み着いているのだろう。ブラックバスやブルーギルは放流を禁ずる立て札が立っていた。繁殖力が旺盛なので、日本固有の魚たちを駆逐してしまうという。

30分ほどで一回りして帰路に着いた。こんな散策であったら、ムサシも連れて来れた。もっとも、そんな風に思うのはいつも帰路である。
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