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恐るべし、インターネットの力

(庭のヒヤシンスが芽を出す)

チュニジアで起きた長期独裁政権の崩壊が、エジプトに飛び火し、ムバラク政権もあっけなく倒れ、現在、チュニジアとエジプトの間にある、リビアのカダフィー政権が倒れようとしている。国民に向けて銃を発砲する強硬措置に出ているカダフィー政権であるが、内部からも離反者が出て、いまや風前の灯火である。この火の手はどこまで広がるのであろうか。

思い出すのはベルリンの壁が崩れて、東欧の独裁政権が将棋倒しのように倒れて行ったときのことである。あの当時、テレビ電波は国境を越えて、政府の報道統制にも関わらず、西側の繁栄や他の東欧諸国の状勢などが、国民には筒抜けで、独裁政権打倒の流れが、東欧諸国に一気に広まったといわれた。

今回の中東諸国に起っていることをみると、時代はさらに進んで、これらの諸国の独裁政権の打倒を「インターネット革命」と呼んでいるマスメディアもある。草の根の運動が、ツイッターやソーシャルネットワークサイトなどによって、大きな力になって政権を倒すまでになる。

チュニジア、エジプト、リビアと続いて、バーレーン、ヨルダンなど、燎原の火のごとくに燃え広がっていく。今、自国に飛び火しないかと、その様子を戦々恐々として見守っているのが東南アジアの国々であろう。特に中国は天安門事件の二の舞いになることを恐れて、インターネットへの介入をさらに強めている。

世界的な小麦の不作によって、穀物価格が高騰し、食文化を小麦に頼る国々の国民の不満が、沸点に達しているといわれる。今回の「インターネット革命」にはそういう背景がある。だから今年は世界の動きに目が離せない年になったと思う。

今日、ニュージーランド南部のクライストチャーチで大地震があった。日本人観光客が多く訪れる町だというが、語学学校「キングス・エデュケーション」のビルが崩壊し、語学留学している日本人学生が巻き込まれたという。混乱する現地の状況の中で、ほとんど唯一に近い報道の元は、被災者が日本の学校や家族に送ったメールであった。マスメディアはそれを追っかけているだけで、こういう災害に対してマスメディアが全く無力であることを露呈した。

今や世界でインターネットの力は強大になってきたと思う。尖閣ビデオの漏洩やウィキリークスの活動は、国家秘密という範疇を無意味にしてしまった。さらには、ネットを制限する国にはサイバー攻撃を加えるという世界的なグループもあったり、年頭から、インターネットの力をまざまざと見せつけられている。
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