ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

富田メモ~まだまだ未解決9

2006-09-24 11:14:25 | 靖国問題
●奥野発言に関する発見?

 冨田メモの4枚目の上半分に、次の文言がある。最重要の元「A級戦犯」に関する文言のすぐ上にある。

「前にあったね どうしたのだろう
中曽根の靖国参拝もあったか
藤尾(文相)の発言
=奥野は藤尾と違うと思うが
バランス感覚のことと思う
単純な復古ではないとも」

 ここに出てくる奥野誠亮元国土庁長官のことについて、新たな事実が発見されたという情報が流れている。

 まず、引用した文言について言うと、昭和天皇のご発言とする説、徳川元侍従長の発言とする説、「=」の部分は富田の意見・感想とする説がある。
 私は、現在のところ、昭和63年4月28日に行なわれたらしい徳川の記者会見または富田の取材対応において、徳川が発言したことを富田が書きとめ、「=」の部分に自分の意見を書いたという可能性が最も高い、と考えている。

 この「=」の部分には、「奥野は藤尾と違うと思うが バランス感覚のことと思う 単純な復古ではないとも」とあるが、それが具体的に奥野のどういう発言に対して言うものかの確認が必要である。
 今回の発見なるものは、その奥野発言内容に関するものである。私は私のBlogへの書き込みによって知った。発見者はどなたかわからない。ネット上にコピペがされている。発見とされるのは、次の新聞記事である。

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・昭和63年2月16日の日本経済新聞夕刊 

神話教育復活を、郵政相ら強調――公式発言、野党の追及必至
 「十六日の閣議後、建国記念の日の式典に関連し奥野国土庁長官、中山郵政相らが神話教育の復活や「君が代」「日の丸」の定着の必要性を強調した。形式上は閣議終了後にせよ公式の場でのものであり、今後の国会審議などで野党側が「問題発言」として追及しそうだ。
 これらの発言は小渕官房長官が閣議終了を告げたあと、さる十一日の「建国記念の日を祝う国民式典」への各閣僚の出席にお礼を述べたのに関連して飛び出した。奥野長官は「建国記念の日の式典が様々な形に割れているのは、どこの国でもやっている神話や伝承について教科書で取り上げていないからではないか」と指摘。「戦後、占領軍が神話教育を否定したのはやむを得ないとして、独立後復活させるべきだった。復活しなかったのが問題だ」と強調した。
 中島文相は「地理や歴史の中で教えているが、検討させてもらいたい」と答えた。また、郵政相は「国旗や国歌を否定したのが問題だ。もっと定着させるべきだ」と主張すると同時に、「今後はできるだけ閣僚全員が出席した方がいい」と式典への全閣僚の出席を求めた。
 これに対し式典に欠席した石原運輸相ら四閣僚が「所用があり出席できなかった」などと説明した。ただ、この一連の発言についてはかん口令が敷かれたようで、「官房長官が記者会見でまとめて話す」と申し合わせたものの、小渕長官は会見で内容を明らかにしなかった。
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 記事によると、奥野長官は「建国記念の日の式典が様々な形に割れているのは、どこの国でもやっている神話や伝承について教科書で取り上げていないからではないか」と指摘し、「戦後、占領軍が神話教育を否定したのはやむを得ないとして、独立後復活させるべきだった。復活しなかったのが問題だ」と強調したという。
 冨田メモには、「バランス感覚のことと思う 単純な復古ではないとも」とある。この文言は、記事が伝える奥野の発言、つまり神話や伝承について教科書で取り上げることに対する言葉であったとしたら「ぴったり合う!」と発見者は書いている。そして、次のように続けて言う。
 「1988年4月22日の奥野国土庁長官の発言をどう読んでみても、靖国神社参拝の批判に対する批判、中国への批判であり、「バランス感覚のことと思う 単純な復古ではないとも」という言葉は合わない。しかし、1988年2月16日の奥野国土庁長官の発言ならぴったり合う!」

 このような情報がネット上に流れている。この件に関して、情報を提供していただいた方があり、私も調べてみた。その結果を次回書く。

追記
・H18/9/25
新たな情報を得たので、それを元に書き直した。