あっ、誕生日だ、63歳だ!
今回から、金利と為替の具体的レベル感の話に入ります。
話の内容はちょっと難しくなるかもしれませんが、「極力易しく」を心がけます。難しいと思ったら、どんどん質問してください。まずは金利からです。
米国債金利のレベル感
私は常に長い推移を見ながらレベル感を持つようにしています。長いと言っても約30年間くらいの推移です。
米国債の長期債は30年債までありますので、30年を目安にするクセがついているのだと思います。世代も30年が一区切りですし、経済の推移もそのくらいのレンジを見るのが適当と思われます。では米国債30年物金利を80年代からサクッと見てみます。
米国債の長期金利は1980年代の初めをピークに、30年以上の長期に渡り低下傾向にあります。チャートでそれを見るには、英語で恐縮ですが、Yahoo Financeを見てみます。
・googleで「historical treasury yield」とインプット
・Treasury Yield 30 Years Index Chart-Yahoo Financeと出たらそれをクリック
・そのチャートは1Y(1年)となっていてハイライトされていますので、Max(最長期間)をクリック
すると77年から現在までのチャートを見ることができます。この歴史的推移のチャートは、是非みなさんも念頭にいれておいてください。ご自分の金利感を持つのに、役に立つと思います。Yahoo Financeのサイトは、金融関係のデータを見るにはとても役に立ちます。
チャートを簡単に言葉で表します。78年くらいまで7%台で落ち着いていた30年物金利は、そこから81年まで一気に上昇し15%に跳ね上がりました。しかしその後反転し、2000年台初頭くらいまで約20年間にわたり徐々に低下していき、02年頃に5%前後になりました。
2000年代は10年近くだいたい5%前後で落ち着いていました。しかし11年の夏、欧州問題と例の米国債デフォルト騒ぎからは一気に低下。2010年代はそのまま3%前後のレベルで推移しています。昨日のレートは2.96%です。これがおよその推移です。
ちなみに77年から現在までの35年余りの平均値は7%半ば、2000年以降00年代を見ると平均値は5%前後です。
これほど金利が長期にわたり低下してきた理由は
・80年代初頭第2次オイルショックで、インフレ率が高謄。しかしオイルショックが収まった以降、米国のインフレは落ち着いたままであること
・米国経済が着実な歩みをつづけていること。つまり80年代後半にやっと米国経済がそれまでの低迷から再生し、90年代には世界をリードする産業を生み出し、00年代にはサブプライムでつまずいたがすぐ復活したこと
・製造業や資源産業まで米国内に戻りつつあること
・株式にも債券にも世界から「投資マネーと逃避マネー」が安全なアメリカに集まっていること
こうしたことが、長期で金利レベルを低下させてきた原因です。
では、今後はどうみるか?
私は今後数年の単位で30年物国債の金利レベルは、景気循環的な変動は2%台から4%台と見ています。
米国景気の回復があっても、欧州、そして数年のうちには中国や日本を巡り世界的な資金逃避が繰り返される恐れがあることから、30年物金利が00年台の平均値5%前後を大きく上回り上昇する可能性は少ないと見ています。
ということは、逆に超長期で見た低下傾向には歯止めがかかるということか?
はい、そう見ています。理由は、米国経済には日本経済とは違い、底力があるからです。
10年物の金利で言いますと、30年物マイナス1%くらい。現状は1.7%くらいですが、循環的には1%台から3%台。2%台が居心地よいと思われますが、世界のどこかで危機的な状況が来るたびに1%台に戻される。
こんなところが私の米国金利の数年レンジのレベル感です。
つづく
今回から、金利と為替の具体的レベル感の話に入ります。
話の内容はちょっと難しくなるかもしれませんが、「極力易しく」を心がけます。難しいと思ったら、どんどん質問してください。まずは金利からです。
米国債金利のレベル感
私は常に長い推移を見ながらレベル感を持つようにしています。長いと言っても約30年間くらいの推移です。
米国債の長期債は30年債までありますので、30年を目安にするクセがついているのだと思います。世代も30年が一区切りですし、経済の推移もそのくらいのレンジを見るのが適当と思われます。では米国債30年物金利を80年代からサクッと見てみます。
米国債の長期金利は1980年代の初めをピークに、30年以上の長期に渡り低下傾向にあります。チャートでそれを見るには、英語で恐縮ですが、Yahoo Financeを見てみます。
・googleで「historical treasury yield」とインプット
・Treasury Yield 30 Years Index Chart-Yahoo Financeと出たらそれをクリック
・そのチャートは1Y(1年)となっていてハイライトされていますので、Max(最長期間)をクリック
すると77年から現在までのチャートを見ることができます。この歴史的推移のチャートは、是非みなさんも念頭にいれておいてください。ご自分の金利感を持つのに、役に立つと思います。Yahoo Financeのサイトは、金融関係のデータを見るにはとても役に立ちます。
チャートを簡単に言葉で表します。78年くらいまで7%台で落ち着いていた30年物金利は、そこから81年まで一気に上昇し15%に跳ね上がりました。しかしその後反転し、2000年台初頭くらいまで約20年間にわたり徐々に低下していき、02年頃に5%前後になりました。
2000年代は10年近くだいたい5%前後で落ち着いていました。しかし11年の夏、欧州問題と例の米国債デフォルト騒ぎからは一気に低下。2010年代はそのまま3%前後のレベルで推移しています。昨日のレートは2.96%です。これがおよその推移です。
ちなみに77年から現在までの35年余りの平均値は7%半ば、2000年以降00年代を見ると平均値は5%前後です。
これほど金利が長期にわたり低下してきた理由は
・80年代初頭第2次オイルショックで、インフレ率が高謄。しかしオイルショックが収まった以降、米国のインフレは落ち着いたままであること
・米国経済が着実な歩みをつづけていること。つまり80年代後半にやっと米国経済がそれまでの低迷から再生し、90年代には世界をリードする産業を生み出し、00年代にはサブプライムでつまずいたがすぐ復活したこと
・製造業や資源産業まで米国内に戻りつつあること
・株式にも債券にも世界から「投資マネーと逃避マネー」が安全なアメリカに集まっていること
こうしたことが、長期で金利レベルを低下させてきた原因です。
では、今後はどうみるか?
私は今後数年の単位で30年物国債の金利レベルは、景気循環的な変動は2%台から4%台と見ています。
米国景気の回復があっても、欧州、そして数年のうちには中国や日本を巡り世界的な資金逃避が繰り返される恐れがあることから、30年物金利が00年台の平均値5%前後を大きく上回り上昇する可能性は少ないと見ています。
ということは、逆に超長期で見た低下傾向には歯止めがかかるということか?
はい、そう見ています。理由は、米国経済には日本経済とは違い、底力があるからです。
10年物の金利で言いますと、30年物マイナス1%くらい。現状は1.7%くらいですが、循環的には1%台から3%台。2%台が居心地よいと思われますが、世界のどこかで危機的な状況が来るたびに1%台に戻される。
こんなところが私の米国金利の数年レンジのレベル感です。
つづく
財政の崖、自分でブログに投稿したと思っていたのですが、どうもしていないようですね。
実は私はもう一つ、サイバーサロンというところに投稿しています。知り合いの方が主催されているクローズドなサイトです。そこへの投稿が積もり積もって私の初の著書につながりました。
アメリカの大統領選挙が終わった直後に、財政の崖について私の見解をそちらに投稿していました。そのままコピペします。
「財政の崖をどう見るか」 12年11月8日 林敬一
大丈夫、たいしたことにはなりませんから。
私がこうした問題に対して過剰とも思える自信を持って一笑にふすような回答をするのに気付かれた方も多いと思います。これまで例えば
・11年8月の米国債デフォルト騒ぎ・・・デフォルトなどしないし、したってスリップダウンだ
・12年6月のギリシャの国民投票・・・ユーロ離脱などあり得ない
結論はまだですが (その後、無事乗り切りました)
・日本の特例国債発行枠・・・法案に邪魔立てなどできない
こうした問題にマスコミやエコノミスト先生はいちいち大騒ぎをしますが、私は騒ぐ必要なし、と思っています。
何故か?
答えは簡単で、「誰も望んでないし、避けようと思えば避けられる」からです。
米国債のデフォルトやユーロからの離脱など国民も政治家も望んでいない。
日本の特例国債であれば、政争の道具に使われていても、与野党ともにそして国民も地方財政の破綻や国のデフォルトなんて望んでいないのです。アメリカの財政の崖しかり。誰も大不況など望んでいない、だから何とかするに決まっている。
予想というほどのこともなく、考えれば当たり前のことです。
以上が、11月8日時点の私の見解です。
おおむねそのとおりになっていると思います。
回答になりましたでしょうか。
>、一時的にでも金利の上昇はあり得るのでしょうか
とありました。サロンへの回答にはそれへの回答はありませんでした。すみません。
すでに崖問題が騒がれて1か月以上経過していますが、私の見方を書きますと
米国債金利やCDSスプレッドは、崖の問題自体ではあまり影響をうけていません。株の専門家・トレーダーやエコノミストは材料だと騒ぎますが、債券の専門家やトレーダーは冷静に分析します。金利が動いたとしても、それ以外の原因によるものだと思います。
やはり影響なしということですね。2011年夏に問題化した際もマスコミは大騒ぎでしたが、結局そのあとも金利の低下に歯止めはかかりませんでしたね。この1年、米国債の購入待ちの状態なのですが、先生の今後の見通しと併せて考えると、10年物はあまり待ってもしようがなさそうですし、少し上がったタイミングで買おうかと思います。30年物はもう少し長い目で見て納得できる金利で買いたいと思います(3%でも高いとは思っていますがついつい欲が出ます)。
今後とも客観的で冷静なご意見宜しくお願い致します。
「63歳お誕生日おめでとうございます^^」
左のお写真、もっとお若く見えますね
今日は2012年12月19日午前7時40分、安倍さんの金融緩和発言と言い、又円安。
林様のまだ「円安スイッチではない、いま米ドル買うのはカモ・・」のご説明に、ななしは、「米国債買うための取りあえずの米ドルでMMF」買うのをグッと我慢してます。勿論自己責任です。
さあ~ななしはこの近頃の円安状況にどこまで堪えれるのでしょうか(^_^;)
「頑張れななし」
全く話変わるのですが、ななしの勘違いかもですが、林様は将来の日本国債(5年後以降)には希望的観測はお持ちでない様にお見受け…ハッキリ言って持ってあと5年で・・みたいな所感をお持ちですよね。
今、何故か日本にある海外の銀行が撤退し始めてますよね。HSBCとか・残ってるのはCITIかな?本当の理由はド素人ななしには判りませんが、お金持ちの皆さんは日本ではなく海外に口座開設をしてますね。
(その為のエージェントは商売繁盛してるみたいですのでそんなファンド出来たらいいのに・・)
そして海外送金が厳しくなっているし(数百万でも銀行窓口でいろいろ尋ねられるらしい)、海外口座開設も厳しくなっている・・日本は国債の担保である日本人の虎の子が海外に流れていくのを阻止しているように思える。
でも、もう日本国債も長期的に見て楽観できないなら
、可能な人は今のうちに海外ビザでも取って住んで口座も一緒に日本からお引越ししたほうが早くないですか?為替リスクがあるとしても、日本の法律がひっくり返らない内に・・
ここの林様ブログでは日本の課税制度がどうなるかとかのかかわりは一切考慮しないでの中で、またこの様な「ななし」のトンチンカンな発言するのもどうかとは思いますが・・
ハッキリ言って「ななし」は非国民ですね。ストレスフリーの資産運用ですが、あらゆるリスクを想定してのストレスフリーの資産運用の方に「ド素人ななし」は気持ちがなびきます。
燃料棒がどうなるか・・数年後に発症するかもしれない体の異状(チェルノブイリ然り・・)の保障問題
インターネットによる情報化時代になっちまったので「ド素人ななし」にでさえ日本のリスクが目に見えてしまい、そっちが怖いのです。ただ日本人は我慢するとこまで我慢して集団自決できる国民性なのかな~なんて思ったりすると、「抜け駆けは許さんぞ・・」みたいな村意識が金持ちからお金取っちゃえ・・みたいにこれからの時代なりそうで恐い・・
今回また関係ない事をだらだら書きましたが、ここに訪問される皆様方はぶっちゃけあらゆるリスク想定してからの防衛での資産運用はどうなさってますか。
「あらゆるリスクを想定してのストレスフリーの資産運用」
が、ななしにとって永遠のテーマです。
かなり生意気な今回の投稿、どうぞお許しくださいませ。かなり「ななし」は焦ってます。
10年物を含めて、米国債の金利は若干上昇気味ですね。
30年が3%に乗せ、10年も1.8%を上回ってきました。
大和証券のサイトで10年物に近い債券を探すと、23年2月15日償還で1.747%の利回り。為替のブレーク・イーブンは70円程度です。
円のリスク回避を目的の一つに、このレベルでひろさんが納得されるのであれば、悪くないレベルと思います。
私はこうした短期間での金利の上下動を的確に言いあてることはとてもできませんので、ご自分の判断でお願いしたいと思います。
ななしさん、ありがとうございます。
写真はブログを始める1年くらい前に、小樽の運河で撮ったもので、すこしサバよんでいます(笑)。
外銀の撤退は続いていますね。為替手数料なしを売り物にしていたスタンダード・チャータード・バンクも撤退です。
アベチャンが突っ走る中、ななしさんのあせりも理解できるのですが、外銀の撤退と日本のリスクは関係ありません。外銀はひたすら「日本人は商売にならん」と考えて撤退しているだけです。
その原因の一つは、もちろん円高に嵌まり込んだ日本人が外貨投資をしないことです。しかしここにきて円安が進み始めると逆に「しまった」と思っているかも。
ななしさんの日本人観には賛成するところ大です。集団自決とはいいませんが、みんなでひたすら同じ方向を向いている。耐えるところまで耐えて、でも次は全員で一斉に反対方向を向く。
村八分にされようが、ななしさんは独立独歩、ご自分の道を進むべきでしょう。その時によく見ると、私はななしさんより先にいますのでご安心を!
ご自分のターゲットで投資することができて、よかったですね。
円レートが、10年で70円そこそこ、30年で30円そこそこのB/Eを下回るようなことは非常に考えにくいと思います。
これでまさに「ストレスフリー」とのコメントをいただき、ありがとうございます。
それこそシロウトの方にとっては、実は一番大切だと私は思っています。
投資ウツになることなく、平穏な日々を送ることができるのが、なによりです。