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 大谷君、君はなんていい子なんだろう!

2023年12月13日 | ニュース・コメント

 ドジャースに決まって本当によかったね、おめでとう。大谷選手は日本人の誇りだし、世界のベースボールファンの誇りでもある素晴らしい選手です。彼の心の奥底にある本心はドジャースに決まった時の言葉、「僕の選手生活が終わる日まで、ドジャースだけではなく、野球界のためにまい進したい」にちがいない。いったいそんな素晴らしい言葉は彼のどこから出てくる言葉なのか、ちょっと探ってみることにしましょう。

 これからも大谷の成功により、二刀流を目指す選手は出てくるのではないでしょうか。プロゴルフで一世を風靡した尾崎将司は甲子園野球の優勝投手ですが、彼はまさに二刀流、ピッチャーで4番バッターでした。数十年前の甲子園野球ではピッチャーでクリーンアップを打つ選手は3-4割いたという記録があります。しかし打撃はマシンを使っていくらでも練習可能ですが、ピッチングは肩を消耗するため、無限に練習することはできません。また昨今はピッチャーとして多くの球種を投げる必要から、高校野球でも打者を兼ねる二刀流はほぼなくなっているようです。

 さて大谷のドジャース入団ですが、そもそも彼は6年前エンジェルスに決まる時、もしドジャースの属するナショナル・リーグにもDH制が導入されていれば、間違いなくドジャースに入団していたと言われています。高校生から二刀流で活躍し、日本ハムでも二刀流で日本一に貢献。その実力はMLBで2度目となるMVP受賞で証明されました。

 彼はただの一流選手ではないと思います。彼ほど誰にでも好かれ愛されるスポーツ選手はいないのではないでしょうか。いつも笑顔だし、ファンだけではなくチームメンバーから好かれ、球場でゴミ拾いをしてニュースになり、マナーも全選手の手本と言ってよい存在です。なので私は「君はなんていい子なんだろう」と思っています。

 

 彼がどうしてそんな素晴らしい性格の選手に育ったのか調べてみました。するとプレジデントという雑誌のオンライン版に両親から聞いた子供時代のことが記されていました。

 彼の母親の言っていたポイントは、彼には「大人っぽいところと子供っぽいところがある。何事もあまり気にしない性格だった。プロになってからも服装やヘアスタイルにも無頓着だった」。「自分が『これだ』と思うことに対しては一心不乱に集中する。スイッチのオンとオフをうまく使い分けていた」とのこと。

 そしてオカネにはこだわらず、修学旅行でもらっていったこずかいが余ったら、それを親に返したり、お年玉も使う予定がなければ親にあずかってもらっていたとのこと。きっと今回のトレード交渉では、成功報酬を出来高でもらう彼のエージェントは金額にこだわったとしても、彼はまったくこだわらなかったに違いない。そのため使い切れっこない莫大な報酬は延べ払いにしたのでしょう。何と97%を10年経過後にもらい、しかもそれまでの利子はいらないという破格の契約内容だとのこと。現役で受け取る年俸はわずか3億円。もちろん彼には広告塔の価値として毎年数十億円の収入があるので、3億円も使い切れないことでしょう。

 報道で言っている「球団にオカネを残して有力選手を多く獲得するリザーブにし、かつ課徴金を払わなくて済む」という理由もあるのでしょうが、私の見るところは、使い切れないこずかいを親に返す子供の時の性格が発露されたに違いないと思いました。

 

 ところで大谷が高校1年生で作成した「目標シート」、あるいは「マンダラ」と呼ばれるシートをご存知でしょうか。大きなマス目のシートで最終目標を中心に据え、そこに向けて精神面、肉体面、はては「運」までを書き込み達成を期すというものです。マス目は縦横9マス、合計81マスあって、ド真ん中のマスに書いてあったのは「ドラ1、8チーム」。つまりプロ野球8球団からドラフト1位を獲得するという目標でした。そしてそこに向けて80項目の実行すべき事柄が書いてありました。

 周囲のマスには例えば「ゴミ拾い」「人間性」「思いやり」「感謝」といった精神面とも言えるカテゴリー群や、「スピード160㎞」「体幹強化」「スライダーの切れ」などの体力・技術面の目標も具体的記されていました。その一つ一つを着実に達成し、今日のスーパーマン大谷が誕生したのでしょう。

 

 ここからは私の勝手な夢想ですが、打撃のよいドジャースに入団すれば、投手大谷の勝ち星はきっと増えるでしょう。そして今季も打者として大事な場面で申告敬遠ばかりで打つことができなかったのですが、同レベルの強打者が前後に次々と控えているドジャースなら、相手は大谷を敬遠できない可能性が高くなります。その結果、投手の最高栄誉であるサイ・ヤング賞と打撃込みでのMVPの同時受賞すら実現するかもしれません。決してありえないことではないのが大谷です。

 彼のことですから、高校時代同様、日本のプロ野球用、そしてメジャーリーグ用のシートも作っていたかもしれません。もちろんその最終目標はワールドシリーズ制覇でしょう。

 日本では将棋の藤井君が8冠となり、将棋を知らない我々もみんなが彼と一緒に見ていた夢を叶えてくれました。我々日本人は今なんという幸運に恵まれているのでしょう。毎日暗い戦争や岸田内閣のスキャンダルの話ばかりの中ではありますが、大きな光明を見出すことができています。

 正月には早いですが、初夢は大谷のワールドシリーズ優勝に決めました(笑)

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2 コメント

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Unknown (まーくん)
2023-12-14 05:46:07
総額7億ドルの現在価値は4.6億ドルで、割引率は4.43%と報道されていますが、後払いされる6.8億ドルを10年で割り戻した4.4億ドル+当初10年間の0.2億ドル=4.6億ドルと随分端折った計算してますよね。実際は今後20年間キャッシュフローが生み出されるわけで。更にドジャーズの信用力が米国債と同等とは思えないし。実際の現在価値は4.6億ドルよりも低いのではないでしょうか?
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まーくんへ (林 敬一)
2023-12-15 09:56:54
まーくんはずいぶん厳密な計算をされていますね。

現在価値という言葉の意味をご存じない方のために、それを米国債で説明します。

ゼロクーポン債は将来100になる債券を、利回りという割引率で年数分割り引き、現在の価格を率で計算したもので、それが現在価値です。

わたしはまーくんご指摘のニュースはみかけたことがありません。

私の感想は、あのような莫大な契約金の現在価値を計算することなんて意味があるのでしょうか。
かなり疑問だし、意味のないことだというのが感想です。

まあリスクマネージメントの観点からは、ドジャースが倒産するとそれ以降彼の債権(債券ではありません)の返済率は大きく減少する可能性が大であることだけは頭にいれておくべきでしょう。

しかしそれとて3億円X年数と毎年の広告塔収入があれば、どうってことないでしょう。
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