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アルペン競技、日本人がダメな理由を健策に聞いてみた

2022年02月17日 | 冬のオリンピック2022

  アメリカの長期金利が2%を上回っていますね。私の予想は外れでした。もっと先になれば2%もあり得るという程度に考えていました。この水準で投資するか否か、悩まれるところですね。2%を目標に置いている方であれば、投資もありだとは思いますが、その場合でも今後さらに金利が上昇する可能性も頭に入れて、めいっぱいではなく時期の分散を考えて、ある程度の投資に抑えることをお勧めします。

 

  ではスキーの話に戻ります。北日本は大雪警報が出っぱなしですね。その中で今季5回目のスキーも良い天気に恵まれ、昨日野沢温泉スキー場から戻りました。今年もスキーツアーの晴天率およそ3分の2で、往復のドライブも含め豪雪には遭遇せずに楽しんでいます。

 

  さて、私からの問いかけ「日本人は何故アルペンはダメなのか」に対して救われた投資家さんから回答をいただきました。救われた投資家さんは、次のように解説されています。

 

施設不足のようです

アルペン競技者の不在は施設不足と聞いたことがあります。
まず、日本ではコースの斜度不足、反証可能と思われるオリンピックコースも札幌はオリンピック限定の造成コース、長野は八方尾根を上から下まで全部使って滑降コースにしたとのこと、富良野のワールドカップも限定の一部造成コースで、造成コースは何も現在使えないとのこと。
そして、一流選手が育つようなコースは名寄ピアシリ、八方尾根、雫石位で強化選手なら貸し切りで練習出来ますが、一般では無理です。
皆川さんも良い環境を求めて北海道の高校に転校しているとのこと。確か苗場あたりの出身ですが、上を目指すには不足だったのだと思われます。

 

これに対して私のコメントは、

>救われた投資家さんのご指摘、長いコースを滑る滑降だけでしたらそのとおりですね。しかし日本は短い距離の回転も大回転も全然ダメです。

 

というものでした。

ちなみに長野オリンピックで使用した大回転と回転コースは、

・男子大回転⇒17.3度、30.9度(志賀高原東館山)

・男子回転⇒21.3度、30.1度(志賀高原焼額山)

 いずれも現在そのまま使用可能ですし、私は今年もこのコースをゆっくりと滑っています(笑)。ですので競技施設の不足は一面の真実ですが、すべてではないようです。

 ではいったいダメな最大の理由は何か。前回の投稿の最後で私はこう書いていました。

『明日から私は野沢温泉スキー場に行き、宿泊はハウス・サンアントンという小さなホテルですが、そこの若き2代目のオーナーシェフ、片桐建策に聞いてみる手がありました。彼の父親幹夫さんは全日本アルペン滑降競技で4連覇していて、野沢温泉スキー場の現社長、健策自身も大回転で全日本2連覇を達成しているアルペンスキーヤーです。』

  昨日その野沢温泉スキー場から戻りました。素晴らしい天気に恵まれ、スキーと美味しい料理を堪能できました。そして肝心な質問への回答も、食事の後片桐建策君にしっかりと聞いてきました。彼の回答は、我々の知らない世界のことでした。ダメな理由は、

 

「日本スキー界の閉鎖性と、指導者不足だ」とのこと。

バッサリ切り捨てた彼の解説を引用しながら説明します。

  そもそも日本のスキー界はアルペン競技より、技術競技に偏っていて、技術選手権が盛んなのです。多くの方は、「技術選手権って何?」だと思います。スキー競技の中でタイムを競わず、滑走スタイルの素晴らしさだけを競う競技で、日本スキー連盟(SAJ)はそれに重点投資し、アルペンは二の次なのです。技術競技はそのまま各地で行われているSAJによるスキー技術の「級」の認定試験に通じています。

  ジャンプで言えば飛距離はそっちのけで、飛形と着地姿勢だけを審査するようないびつな競技です。それがいびつであることを認識できない日本スキー界のドンたちが支配しているのが日本のスキー界なのだそうです。しかもそれに改革を挑む若手の有力スキーヤーなどを排除してしまったとのこと。 

  前回名前を出した猪谷千春以降唯一の男子オリンピックアルペン入賞者であり上村愛子の旦那である皆川賢太郎理事と北野理事長を20年12月に解任しました。北野氏はスキー界の最有力スポンサーである北野建設社長です。

  解任のきっかけは、彼ら二人が旧態依然としたスキー連盟の改革に挑んだからです。スキー界と連盟を衰退させないための新たなプロモーション努力、デジタル化、連盟人事の多様化を目指しガバナンス改革に挑んだことを古参理事たちが拒否し、20年12月に二人を突然解任してしまいました。

  こうしたドンの存在は日本全体がダメな理由の大きな割合を占めていますが、それがスキー界にもあるのだそうです。

  もう一つの指導者不足について彼が指摘したのは、自身のオーストリアでのスキー留学の経験からです。オーストリアではスキーの指導者はすべて国家資格を有していて尊敬される存在だそうです。資格大好きな日本なのに、スキー界は国の支援を全く得られていないのが実情だとのこと。

  こうしたこと、我々はつゆ知らずの真相ですね。とても勉強になりました。

以上、「健策に聞いてみた」でした。

 

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