ロスアンゼルス郊外の山火事がずいぶんひどいことになっていますね。セレブの住む素晴らしい家々の消失の様子がニュースで流されるたびに心が痛みます。
私は義理の叔母がアメリカ人と結婚してロスの郊外に住んでいたため、現在火災が起こっているあたりを何度も訪れていました。二人の家はロスの中心街より30分ほど西のベンチュラ・ハイウェイ沿いのウッドランドヒルズにありました。ベンチュラ・ハイウェイは海岸沿いのパシフィック・コースト・ハイウェイと並行して山側を走っています。家はハイウェイを降りて10分ほど住宅街を走った所にあったのですが、火災はすでに家のあった地域に迫っています。二人はすでに亡くなっているのですが、家はそのまま残されているため、火災を免れてほしいと祈っています。
ロスアンゼルスからサンフランシスコまで太平洋岸を走っているパシフィック・コースト・ハイウェイは二つの大都市を結ぶ幹線道路です。今回の火災はロス郊外にあるハリウッドの近郊から、内陸部や海岸のハイウェイ沿いにあるパシフィック・パリセーズ、マリブなどの街が脅威にさらされています。
そのあたりには伊藤若冲のコレクションで知られる故ジョー・プライスさんご夫妻の家や、アメリカの大富豪で膨大な美術コレクションを残しているポール・ゲッティ美術館などもあるため、被害が及ばないことを祈っています。
私は、パシフィック・コースト・ハイウェイはアメリカで最も美しい道の一つだと思っています。何度がこの道沿いを走ってはいるのですが、北から走ると右側はずっと太平洋が臨め、左側は山並みが続きます。サンフランシスコの南のサノゼ、シリコンバレーを越えてしばらく行き、ハイウエイを逸れて海岸沿いにペブルビーチがあります。そこは、まさに「夢のゴルフコース」でありリゾートです。そのあたりの海岸線の道は特に「セブンティーンズ・マイル・ドライブ」と呼ばれる夢のような道だと思います。ゴルフ場だけでなく、海の臨める大きな別荘がゴルフ場沿いに立ち並んでいて、それを見物するだけでも価値のあるドライブウェイです。
ペブルビーチの南隣の街は「カーメル・バイ・ザ・シー」と呼ばれる街で、かつてクリント・イーストウッドが市長を務めたことがあり、高級な住宅が立ち並んでいます。かつてこのブログのアート・エッセイで取り上げました。それらの街は現在の山火事現場とは幸い離れていますが、気象条件は同様な地域です。
多くの美しい景観や街並みがある道沿いが、山火事で荒れてしまうのは本当に残念です。早く鎮火して欲しいのですが、依然として下火にむかっている様子はなく、逆に風力が増すという見込みですので、ただただ祈るのみです。
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