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遅きに失したWHO

2020年07月12日 | コロナショック

  WHOがこれまでの見解を大きく変えました。「空気感染の可能性あり」との見解を示しました。7月10日の時事通信を引用します。

 

引用

世界保健機関(WHO)は9日、新型コロナウイルスの感染経路についての報告書を発表した。それによると、空気中の微粒子を介して感染者からある程度離れていても発生する「空気感染」について、屋内の混雑したレストランなどで起きる可能性は「排除できない」との見解を明らかにした。

WHOはこれまで、気管切開など特定の医療行為中に医療従事者が空気感染する可能性を指摘していたが、それ以外の状況については明言していなかった。
WHOによると、これまでに医療機関以外での空気感染が疑われるケースとして、コーラス練習やレストラン、フィットネス教室での感染例があった。特に混雑し、換気が十分でない屋内で長時間感染者と一緒にいれば、空気感染が発生する可能性は排除できないという。

引用終わり

 

  私は4月1日に「宇宙船地球号をコロナから救え」という記事を書いています。記事ではしろうとの私が状況証拠から見て空気感染の可能性を指摘し、用心するようにと警鐘を鳴らしていました。その記事をそのまま再度引用します。繰り返し部分は削っています。

引用

  どうやらコロナウイルス感染に関しては、日本でも世界でも全く新しいステージ入ったと見るほうがよさそうですね。その第1は感染力と感染方法です。そして第2は今後の対処についてですが、政府の非常事態宣言など待たず、国民が一致団結して感染を防ぐ国家総動員体制のステージに移行する必要があるとみるべきです。

 

  当初中国で流行が始まった時さんざん言われたのは、

・感染力は弱い

・空気感染はしない

・致死率は低い

これら3点でした。そして各国に感染が拡がった段階でも、日本を含め同じようなことが広く言われていました。

しかしこれまでの実態からみれば、

  • 感染力は強烈
  • 空気感染する
  • 致死率も高い

と見るべきでしょう。

    私のスキー&ゴルフ仲間の一人は、ご夫婦でダイヤモンド・プリンセスに10回くらい乗船しているヘビーユーザーなのですが、彼が船内感染の状況を見ながら2月初から何度も言っていたのは、

「あれほどの感染拡大は、空気感染しなければありえない。換気口を通じた感染や食事中の会話での空気感染以外考えられない」でした。

「客室はかなり厳重な仕切りとドアがあるし、食事も2人だけのテーブルで、お互いに距離を保てるゆったりとした配置なので、客同士の接触はほとんどないし、知らない日本人客同士がハグしたりしない。ましてや外人とは。空気中のウイルスで感染する以外ありえない。特に感染者が認められた後も続々と新たな感染者が増加したのは、空気感染したからだ。」というのが彼の結論でした。納得できる説です。

  大阪のライブハウスの大クラスター感染もしかり。みんなが手をつないだわけでもなし、ハグしたりはしていないのに大人数が一度に感染しています。クシャミの飛沫が部屋全体に拡がるなんて、考えられません。屋形船もしかり、葬儀でのクラスターもしかり。

  我々の「つもり」としては、『コロナは空気感染しまっせ』、と思っていないといけないでしょう。それらが厳密には空気でなく飛沫感染だと定義されても、飛沫は限りなく空気に近いと考えるべきなのです。

  NHKのクシャミの実験映像でも飛沫には100分の1ミリ程度のマイクロ飛沫がある。それらは空気中からなかなか落ちず、20分程度は漂っているとのこと。普通の飛沫がクシャミ後すぐに落下するのとは大違いだと警鐘を鳴らしていました。イタリアの病院での医療従事者の感染のひどさも、空気感染なければとても起こりえないことだと思います。

ということで、私の勝手なコロナ大災害の解釈は

  • 感染力は強烈
  • 空気感染する
  • 致死率も高い

と考えて、この新しいステージでは「可能な限り他人との接触を避けるべき」です。

 それが間違っていようがいまいが、そんなことは知ったことじゃない。今は自分の身を徹底的に守ることが他人を守ることにつながると信じます。

そして国家間も同様に、自国を徹底的に守ることが、他国を守ることにつながる。アホな独裁者たちが勝手な動きをしてもそんなことには目もくれず、世界の人々はコロナウイルス撲滅に向けて一致団結することで、宇宙船地球号に住む人類を守りましょう。

 引用終わり

 

  ここへきてのWHOの見解発表、遅きに失しています。そして東京都の感染者数拡大は4月当初の感染爆発の時とほぼ同じ急上昇のカーブを描いているにもかかわらず、積極的抑制策を採用していません。私に何度も「小池都知事はいったいなにをちゅうちょしているのか」などと言わせないようにして欲しい。

  もしこのままこの状態を強い規制をかけずに放置すれば、再度「緊急事態宣言」を発せざるを得ません。その場合、経済損失は前回を大きく上回ることが見込まれます。その理由は、今度こそ根治するまで戦うことにならさざるを得ないからです。今はそうならないための措置をとる瀬戸際であることを、東京都も政府も認識すべきです。

 そして私たちは自分にできる最大限の防衛策を取るようにしましょう。

  我々人類はかげがいのない宇宙船地球号の乗組員です。「世界は一つ、人類はみな兄弟」ではありませんが、東京都でも日本一国の問題でもありません。海外で感染が拡がっていく限り、JALやANAだけでなく、世界の観光業界が未曽有の落ち込みから脱出できることはありえません。それは世界経済全体でも同じです。

コメント (2)
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