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オンラインコンサートについて

2020年06月08日 | アートエッセイ

  私のようなクラッシックファンにとって、コロナ感染の影響でコンサートが制限されてしまうのはとても残念です。ライブハウスと違い、観客が立ち上がってみんなで一緒に歌ったり叫び声を上げることはないのですが、それでも隣や前後の方との距離はかなり接近していますので、制限を受けていました。そのかわり芸大の澤和樹学長などをはじめ、日本や世界の多くの演奏家たちがオンラインでコンサートを行い配信されています。私も澤学長のコンサートをはじめ、機会あるごとに視聴しています。

 

  私と家内が行く予定にしていた4月2日のピアニスト反田恭平のコンサートは8月に延期されることが3月は中に発表されました。すると彼はすかさず4月1日にサックス奏者の上野耕平など総勢8人でオンライン有料コンサートを企画。我々もモノは試しと視聴してみました。視聴料は千円、クレジットカードで前払いでした。

 

  当日の配信画面にはカウンターがあって、視聴者数が出るようになっていました。反田恭平のコンサートは今日本で一番入手困難なコンサートと言われていて、いったい何人くらいが視聴するのか、興味を持って見ていたのですが、一番多かった時間でも2千人弱程度で、金額的には2百万円という結果でした。サントリーの大ホールは2千人のホールですから人数的にはまあまあだったのですが、主催者である反田恭平氏としてはちょっと期待外れだったかもしれません。

 

  では実際にPC画面での実況はどうだったか。予想通りではありますが、正直申し上げて期待外れでした。問題はもちろん音質と画質。それとオンラインのライブ実況にありがちな動画の一時停止です。停止問題の在りかが発信側にあるのか、受信側にあるのかはわかりませんが、画像の中断は視聴者には残念でした。

  クラシックのファンは音には非常に敏感です。どんなにいいステレオ装置よりも、やはりホールでの生演奏だし、PCでの視聴より大型テレビです。PC画面をテレビにつないで見ることはできるのですが、中断は阻止できません。

  だからといって今後も私たちファンは彼をはじめ演奏家への支援を続けたいと思っていますので、またオンラインのライブ演奏があれば、視聴するつもりです。

 

  そのリベンジではありませんが、5月18日のNHKBSプレミアムで「反田恭平オールショパン」という番組を見ることができました。彼のソロコンサートですが、どうもスタジオ録画ではなさそうな場所での画像が配信されたのです。ピアノの置いてある舞台の奥がガラス張りで、小ぶりの石庭があるのです。興味津々で調べてみると、そのホールは立川市にある「CHABOHIBA」、チャボヒバという不思議な名前のホールでした。HPから説明を引用します。

 

   「CHABOHIBA HALLは優れた音響効果を持つ約100席の小さなホールです。」

ここにはかつて広い庭があり、蚕の住む大きな家屋がありました。 ホールの名の由来となった樹齢130年を越えるチャボヒバの木は 今も中庭に聳え立ち、歴史を見守っています。

そしてホール内にはベーゼンドルファーのグランドピアノが静かに佇み、 皆さまをお迎えします。身近で文化・芸術を楽しめる場として、 多くのみなさまに愛されるホールを目指しております。

 

以下のHPでチャボヒバという不思議な形の木をはじめ、多くの写真を見ることができます。

http://chabohiba.jp/

 

  反田恭平については以前も何度か投稿しています。朝日ホールで3晩連続コンサートをこなし、その時の使用ピアノはなんと巨匠ホロヴィッツが愛していた古いスタインウェイ、CD75 だったとか、子供のころの先生はテレビアニメ「ピアノの森」だったとか、父親はいまだに「ピアニストなんか」と彼をバカにしているというようなことを書きました。彼は今ベースをワルシャワ音楽院に置き、ショパンコンクールを目指していますが、今年予定されていた5年に一度のショパンコンクールは残念ながら延期されてしまいました。

  

  NHKBSプレミアムの話に戻ります。チャボヒバホールのHPにはコンサート用にベーゼンドルファーのピアノが用意されていますと書いてあります。ベーゼンドルファーもプロがコンサートで使用する世界的メーカーのピアノです。ところが番組で彼が使用したのはみなさんがあまりご存じないイタリアのFAZIOLIというピアノでした。

  世界のホールで使用されているコンサートグランドのほとんどはスタインウェイなのですが、最近はヤマハもけっこう頑張ってはいます。それでもスタインウェイの牙城は崩せません。ところがFAZIOLIというメーカーは、その牙城を崩そうとしている新興メーカーで、私も注目しています。

 

  脱線が長くなりそうなので、今回はここまでにします。

 

コメント (1)
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