財務省・厚労省・自衛隊をはじめ、日本政府内部の情報改ざん・隠蔽工作は目を覆いたくなるほどですね。と書いていたら、ニュースで自民党の竹下亘総務会長までが、「改ざん隠蔽には目を覆いたくなる」と言っていたので、思わず笑ってしまいました。昨年選挙民はウソの情報をもとに自民党安倍政権を選択したのかもしれません。それを思うと、冗談では済まされません。しかもそうした事案の調査をするのがいつも第3者を入れずにまず「内部で調査する」と言うのですから、日本の行政府にはあきれてものが言えません。政府そのものがまさに文字通りガバナンスに欠けるガバメントとはお粗末極まりない。「内部調査」とはまさしくブラックジョークです。
一昨日、スピルバーグ監督による映画、「ペンタゴン・ペーパーズ」を見てきました。ワシントンポストの記者たちが政府の情報隠蔽を暴く話です。ワシントンポストの社主はかつてのグラハム一族から現在はアマゾンのジェフ・ベゾスに移っていますが、映画はそれよりはるか昔の60年代、ベトナム戦争時代の政府による情報隠蔽工作を新聞が暴く話です。ストーリーの一部を簡単に紹介しますと、
社主は夫をなくしたメリル・ストリープ、編集長はトム・ハンクスという豪華メンバーで、ベトナム戦争が泥沼化していてアメリカ国内で反戦運動が盛んになっている頃、ペンタゴンが負け戦の報告(ペンタゴン・ペーパーズ)をひた隠し、それを新聞社がとり潰しのリスクを負っても暴くというストーリーで、ニクソン大統領と新聞の争う様子は現在の大統領対メディアの状況と同じ構図です。ウォーターゲート事件はこの後の話で、やはりニクソン大統領をワシントンポストの二人の記者が追い詰めました。
横に逸れますが、実はその後70年代から長きにわたりワシントンポスト社主のグラハム夫人を支援したのが4分の1のシェアーを持っていた株主でかつ取締役でもあったウォーレン・バフェットでした。現在彼は退任し、株式も売却しています。
さすがスピルバーグ監督、この映画は実に絶好のタイミングで上映されています。メディアをフェイクニュースだと決めつけ攻撃を続けるトランプ対メディアの構図がかつてのニクソンと新聞の対立を彷彿とさせるからです。今回の映画はワシントンポストの二人の記者がニクソンの陰謀を暴いた例のウォーターゲート事件の寸前のところで終わっていて、事件そのものを対象にはしていませんが、スピルバーグは最後にそれとなく暗示し、トランプを陰で攻撃しています。
ところで現在トランプがアマゾンを毎日ツイッターで攻撃しているのをみなさんはご存知ですか。ワシントンポストの現在のオーナーはアマゾンのオーナーであるジェフ・ベゾスで、トランプはワシントンポストを不倶戴天の敵とみなし、当たり散らしています。トランプの現在の攻撃対象はワシントンポストがフェイクニュースだといういつものメディア攻撃ではなく、「USPS(米郵政公社)の赤字は通販のアマゾンが作り出している」という彼らしい独特の切り口でツイッター上で攻撃しています。それをブルームバーグの記事の引用で説明します。
4月3日のブルームバーグの記事を引用します。
『トランプ大統領は2日、ツイッターで「損失を出し続けている郵政公社(USPS)がアマゾンで利益を得ていると言うのは愚か者か、それ以下の人間だけだ。USPSは(アマゾンにより)ばく大な損失を被っている。だがこの状況は変わる。また税金を満額納めている小売業者の閉店が全国で相次いでいる。公平な競争の場ではない」と述べた。トランプ大統領はここ数日、アマゾンに対し容赦ない批判を続けている。3月31日にはアマゾンは「実質コスト(と税金)を今支払わなければならない!」と投稿した。さらに大統領は具体名は出さず報道を引用し、『USPSはアマゾンの配達1つごとに平均1.50ドルの損失となるとした上で、「郵便制度を欺くのはやめなければならない」と訴えた。』
不倶戴天の敵であるワシントンポストのオーナーがジェフ・ベゾスだし、実はUSPSの最大顧客であるアマゾンも攻撃対象とあって、トランプの格好の攻撃対象となってしまっていて、トランプの攻撃の度にアマゾンの株価と株式相場全体が乱高下しています。アマゾンも昨年税金を4億3千7百万ドルも払ったと反論していますが、トランプは聞く耳持たず。
ついでにアメリカで言われているのは、ジェフ・ベゾスが最近アマゾン株の上昇により世界一の金持ちになったというニュースが流れ、『負けず嫌いのトランプが妬んで株価を下げるような発言をしている』というものです。まさに逆恨みそのものです。
ワシントンポストにアマゾンという絶好の攻撃対象を得たトランプ、ツイッターのネタにフル活用し、ロシア疑惑などから目を逸らさせようと必死にもがいていますが、その一方で高校生が銃規制=反トランプを掲げ、全米で立ち上がっていて、現在非常に大きなうねりになっています。
これはフロリダの高校で3月に起こった銃乱射事件を機に全米の高校生が銃規制に立ち上がり、トランプの「先生が銃を持てば防げた」というおバカな発言に対してワシントンでデモ仕掛けたのです。くしくも4月4日のキング牧師暗殺の記念日にキング師の孫がデモ隊に向けて演説をしました。その内容は「私には夢がある」と演説したキング師の言葉を引用し、「私には夢がある。銃のない世界だ」という的を射るスピーチでした。学校で銃撃戦をしようというおバカな大統領に向け、めずらしく全米の高校生が立ち上がったのです。しかも彼らは中間選挙に向け、「選挙人登録をして、銃規制派に投票しよう」という具体策も提案していますし、NRA(全米ライフル協会)から支持を受けている議員とタウンミーティングを行い、つるし上げをするという行動も行っています。彼らの親たちを含めると、決して小さな動きではないと評されています。