昭和47年、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキーとモスクワ放送交響楽団は、西側初演となるショスタコーヴィッチ作曲作交響曲第15番をひっさげて来日した。
記憶では、テレビ放送があった。
NHKかNHK教育か覚えていない。
解説は、二人いたような記憶がある。
聞き手と評論家だったかもしれない。
.
とにかく、この問題作の茶化した部分にだけ焦点をあてたような解説だった。
ロッシーニのウイリアム・テルがでてくるよ、ワーグナーのモチーフがでてくるよ、といった感じ。
終わってからも同じような感想だった。
.
それはそれとして、非常に興味深い発想の曲だ。
磨かれたサウンドに惹きつけられるものがあり、弦、パーカッション、など鮮やかな演奏となっていた。
ロジェストヴェンスキーは長い指揮棒をクルクル回す。回してるだけ、のように見える。
.
曲、指揮者、ともに唖然とするものであった。
その後、両者ともにもちこたえている。
曲の方は、フル・オーケストラ版から室内楽版、ピアノ版、までいろいろと出るようになった。
ロジェストヴェンスキーは読売日本交響楽団での活躍。
.
第15番は是非ともスコア、それもフルスコアを見ながら聴いてほしい。たまにマーラーなみに縦の線だらけになったりする個所もある。スコアがあるとさらにわかりやすい音楽となる。
ザンデルリンクが言ったかどうか知らないが、この15番はショスタコーヴィッチの交響曲の中で最高傑作ではないだろうか。といつも思う。
.