岩手の頑固親父

恵まれた自然、環境に暮す 老農のつぶやき、ぼやき

寒締ホーレンソー

2006-01-14 19:10:27 | 日記・エッセイ・コラム

Cimg0723 ※写真 かんじめホーレンソーと読む

 最近になってこの名前も定着したようである。寒い地方ならではの特産。10月始め頃に種を蒔いて秋の穏やかな天気で成長を促す。

 次第に寒さに向かう頃なので虫も病気も殆ど着かないから農薬は最小限で充分 大分伸びた頃にビニールハウスを開放して厳しい寒さに当てる。ホーレンソーは凍るまいと体内に糖分を蓄え葉が縮む。

 糖分を蓄えた頃に収穫する。甘くて美味しいのは当然。

 会社を退職後稲作専業農家になったが寒い冬の間、暇を持て余す。

 そこで考えたのは寒締ホーレンソー、ビニールハウスは稲作と兼用できる。

 必ず利益が出る??・・・

 経費、労力は一切計算していないから売った分だけ儲かったような気がする。しっかり計算すると力が抜ける事を防ぐための防衛手段である。

 この冬、寒さと雪で野菜が高い。ホーレンソーも槍玉に挙げられるが生産者としてはそれほど高く売っている実感が無い。

 いつもの年よりはいくらかは高い 生産者の手を離れて消費者の手に届くまでに色々の人の手を渡っていくんだろう。

 食卓に上る頃には 雪、寒さの影響が・・・・・と言う事になるんだろうなぁ・・・

 ・・・・・今夜もどこかの食卓で喜んで貰っている・・・・・

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天気予報

2006-01-13 15:34:46 | 日記・エッセイ・コラム

Mvc005f 写真 正月用に草月流とかの娘が生けた。

  春待つ心を表してる??・・・・

 農家だからあまり当てにならぬまでも天気予報は良く見る。NHKのお天気お姉さんの笑顔に予報は外れても許してしまう。

 天気予報の楽しみはもう一つある。

 家族が全国に分布しているのである。北は旭川に長男一家が、私は岩手に、親とも慕う恩人が静岡の朝霧高原、次女の夫は京都の人、その次女は九州に住んでいる。おまけに甥っ子がニューヨークに行ったり来たり。全国の天気が気になるゆえんである。

 九州、30℃以上の真夏日が100日も続くこともあれば旭川ではマイナス20℃も珍しくない。その温度差50度。

 面白いことに気がついた。真冬の寒さの厳しさが一番堪えているのは九州勢。そして真夏の暑さに閉口しているのは旭川勢、普通はその逆に考えるのが当たり前だが・・・・

 そうすると中間に位置する岩手の頑固親父は一番すごしやすいか? 春から秋までは良いが築100有余年の我が家の寒さは厳しい。

     ・・・・・春を待って熊と共に岩手で冬眠中・・・・・

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『もったいない』

2006-01-12 14:18:59 | 日記・エッセイ・コラム

Cimg0377 写真 棚田の畦草を燃やす

 孫は遠くの都会に住んでいる。3才と5才の男の子で年に1~2回は泊まりに来て2週間ほど滞在する。この時こそ頑固爺の出番と近くの里山に連れ出したり、畑や田んぼ、トラクターやコンバインにも乗せる。 ザリガニ取りには熱中する。子供は泥んこや野良の仕事が大好きだ。

 危険は承知で畦草焼きに連れ出しトーチランプで火をつけて回る。焚き火さえ経験の無い孫たちは大喜び 危険の中で安全の確保を学び取って欲しいと思う。2人の孫は真剣そのもので汗を流しながら手伝ってくれる。

 一通りの作業を終えて小屋で休憩をする。おやつは持たずにおにぎりと冷たい水だけ 動き回った後はお腹が空いている。「おにぎり、美味しいね」うれしい一言

 何気なくくずかごをかき回した孫が「じいちゃん もったいないよ」

 うかつにも古くなった灰皿を捨てようとくずかごに入れておいたのを発見された。「まだ使えるよ」追い討ちをかけられた。「ごめん、ごめん間違って入ったんだね」言い訳しきり。

 この気持ち忘れないで持ち続けて欲しい。おさない孫に学んだ一日でした。

           ・・・・・孫に学ぶ・・・・・

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ごきぶり

2006-01-10 10:58:24 | 日記・エッセイ・コラム

Cimg0721 ※写真 大きな柱、梁、、歴史の重み。

     柱の目盛は孫の成長記録

我が家にごきぶりは居ない。何年か前に見かけて我が家も文化生活・・・?と思った事があった。ごきぶりが居ないのではなく住めないのである。

 明治年間に本家の新築に併せて建てられたらしく凡そ100年以上も前の建物である。今で言う築100年と言ったところか 業者に見て貰ったら基礎は完全、大木と縄で支えられた骨組みはこの先もまだまだ使えると太鼓判を貰った。

 100年以上も使ってまだ持つと言うことは風通しが良いということでもある。夏は涼しいが冬は寒いと言うことでもある。後継者一家は既に暖冷房の入った離れに越した。

私と妻、年老いた母は母屋住まい。寒くとも愛着が強い。ここを出たくは無いと思っている寒い冬さえ越せば快適この上ない住まいとなる。

 暑い夏、裏の土蔵の白壁の反射で家の中は隅々まで明るくなり風も無いのに気温が上がれば上がるほど涼しい風が通り抜ける。昼寝は掛け布が無いと寒く感じるほど。

 とは言え今冬の寒さは身にこたえる。あと少しの辛抱、春をひたすら待ちわびる昨今ではある。・・・・・築100年・・・・・

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凍み大根

2006-01-09 11:13:09 | 日記・エッセイ・コラム

Cimg0719 寒干し大根を「凍み大根」と呼んでいる

雪の中から掘り起こした大根や人参を大きく切って煮る。裏の小川の流水にさらして特有の臭みをとって積もった新雪をつけて数日厳しい寒さにあてると色鮮やかな「凍み大根」の出来上がりである。

 田んぼの用水に活躍した堤を秋には手入れのために干し上げる。うなぎ、鯉、 ふな、えびが沢山取れる。ふなを焼いて串に刺し”べんけい”と呼ばれるわらを束ねて作ったものに何本もの串を刺し囲炉裏にさげて燻す。寒い夜、”べんけい”から抜き取ったふなとたっぷりの酒かすを溶いた味噌汁に水で戻した「凍み大根」を入れてフーフー言いながら食べながら年寄りの話を聞く。

どこでもあった風景は今は無い。

 沢山の魚が取れた堤には外来魚。囲炉裏も見かけなくなった。

「凍み大根」だけは今も作っている。どんな料理にも合ってたっぷりの繊維、健康食品、保存も効く。今年の異常な寒さ、大雪は「凍み大根」つくりには最適である。

             ・・・・・先人の知恵に感謝・・・・・

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