くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「彩雲国物語 黄昏」雪野紗衣

2010-02-28 06:18:22 | ファンタジー
確かに、ストーリーが動いているのですね。なんというか、前作は「えぇーっ、そうなの?」という感が強かったのですが、今回「暗き黄昏の宮」を読んで、伏線として納得できる部分があった。
「彩雲国物語」は、恋愛コメディの側面を、現実でさらった話なのですね。
後継者争いの果てに、公子たちは自滅してしまい、王になりたくなかった劉輝だけが残ります。でも、それでも拗ねたまま自暴の生活を送る彼を立て直したのが秀麗なのです。ですから、王にとってはかけがえのない存在になった訳です。でも、その背後には、何年後かにおこるであろう飛蝗の害を未然に防ぐ努力をしていた官吏たちがいた。
しかし、一見立ち直ったかのような王ですが、実のところ側近を固めて寵愛するばかりで大局を見る能力に欠ける。女も官吏の試験を受けてもいいだろうといいだす。それは、単に自分の愛した娘を王宮に入れたいから。
こういう側面が浮かび上がるのですね。「正当」だと思っていたことが、実は愚かな選択だったことが、ベールをはぐようにあらわになるのです。
政とは、何年も先の脅威に備えて布石を打つこと。安穏と側近たちのいうことばかり聞いていたり、あからさまな恋の狩人だったりしてはいけなかったのです。
しかし、登場人物が多過ぎて、誰がどう絡んでくるのか、ちょっとごちゃごちゃしてはいます。うー、伏線も忘れている。多分、次の巻までに、この話の細部も忘れてしまいそうな予感が……。
ところでリオウのお母さん、飛燕姫って出てきたんだっけ?
駄目ですね……。やっぱり、続けて読むべき話だと思うのです。
今回は久しぶりにタンタンや龍蓮や英姫が出てきてちょっとおもしろかったのですが、次回はさらに人物が増えるのではないでしょうか。
どうも悠瞬のことが気になってならないのですが(「裏切る」っていってるよ!)、そこに燕青は絡んでくるのでしょうか。気になります。
十三姫、好きだなあ。

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