くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「猫と狸と恋する歌舞伎町」額賀澪

2018-12-18 05:48:41 | YA・児童書
 ぬ、額賀さん……。
 なんかものすごい展開に目眩を感じたのは、わたしだけなんでしょうか。
 売れる本を目指してあれこれ研究された結果が、これ? 
 主人公「俺」こと谷中千歳は化け猫。しかも雄の三毛猫という変わり種。高い変身能力で、現在は大学生として過ごしています。ただし、金色の猫目だけは変えることができません。
 彼が付き合いはじめたのは、愛宕椿というドーナツ屋のアルバイト。けれど、正体を明かすわけにはいかず、悩んでいます。
 ある日、椿のアパートに近づく不審な黒スーツの男が。それを探ろうとして、まんまと捕まってしまいます。
 連れていかれたのは愛宕組という歌舞伎町の任侠団体。なんと椿はそこの組長の娘だったのです。

 というところで、話は終わりません。
 椿と別れることにした千歳でしたが、組長から仕事を依頼されます。組の比護下にあるはずの親子と同居して、その動向を探ってほしい。
 彼らは、自分たちの正体が狸であることを明かします。多摩の山奥からやってきて、人間社会に同化していますが、変身能力は千歳には及びません。寝ている間は狸に戻ってしまう。
 そして、もちろん、椿も狸の娘なのです。
 タイトル「猫と狸と恋する歌舞伎町」(新潮社NEX)。全くその通りの題ではあるのですが。

 とにかく、額賀さんは楽しんで描いたのだろうと思いました。今まで読んできたような、ひりひりする孤独とかそういう感じとは全く違います。
 椿がアルバイトしているドーナツ屋の「トラ」(ココア生地が練り込まれているしっぽ型)と、近くのカフェのルシアン(コーヒーとココア半々)を味わいたいですね。

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