くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「本格ミステリフラッシュバック」千街晶之ほか

2009-04-10 05:34:32 | 書評・ブックガイド
千街晶之・市川尚吾・大川正人・戸田和光・葉山響・真中耕平・横井司「本格ミステリ・フラッシュバック」(東京創元社)……ふぅっ、長い!
厚さも充分です。上下二段組339ページ+索引。作家の略歴と代表作が紹介されます。最も多く採られているのは十作で、例えば泡坂妻夫「11枚のとらんぷ」「乱れからくり」「亜愛一郎の狼狽」「湖底のまつり」「喜劇悲奇劇」「天井のとらんぷ」「妖女のねむり」「死者の演舞」「煙の殺意」「しあわせの書」。鮎川哲也や都筑道夫、佐野洋、連城三紀彦も十作品ですね。(ほかにもたくさんいますよー)
紹介作品は、索引だけで5ページもあります。
だから、全部を丹念に読んだわけではありません。今まで読んだところや、気になる題名といったところです。
ガイドブック、好きなんです。「J’s ミステリーズ キング&クイーン」(相川司+青山栄・荒地出版社)は、マーカーで線を引きながら読みました。これは、決して手放さないと分かっているからできることです(笑)。読んだ本、読みたい本、リストを作って持ち歩きたい気持ちになってきます。
「ミステリフラッシュバック」には、その本で目にして読んだ作品が、かなり紹介されていました。わずか数行のコメントが、書影入りで一段分(31字×18行)もに膨らんでいるのも、興味を喚起させます。
あー、「炎に、絵を」(陳瞬臣)読んだなー、と。折原一と北村薫があれだけプッシュしてれば、読みますよー。図書館探しまわって発見しました。
松本清張も二十代のころに大分読みました。で、「砂の器」の解説がおもしろかったですね。ちゃんと真相をぼかして書いているんです。読みながら、現在だったらこの理由では発表できないだろうと思い、同時にこの当時の社会が抱えていた差別の大きさを感じました。あ、千街さんのラストのコメントは笑いましたよ。「映画化の際には何故か大抵省略されるけれども、海野十三ばりの奇抜な機械的トリックにも驚かされる。」それは、あれのことですね。驚かされました、わたしも。
わたしがもう一度読んでみたいのは、仁木悦子「猫は知っていた」(講談社文庫)かな。中学時代に読んだのだと思います。幼なじみが猫好きで、このシリーズを持っていました。「赤い猫」も仁木さんでしたっけ? 火事に関わる隠語だと聞いたインパクトが大きかったことを覚えています。
それから、おもしろそうなので読みたいと思ったものも書いておきますね。まず、戸板康二「浪子のハンカチ」(河出文庫)。文学に関するミステリだそうです。あとは、娘さんがお父さんの書いた作品をリライトしたという藤雪夫・藤桂子「獅子座」も。
青柳友子、<ミスティ・ガール紅子シリーズ>も気になるところ。
なにしろ「フラッシュバック」なものですから、今痛烈に読みたいと思っても、手に入らない作品も多く、そこはちょっと残念です。図書館や古本屋を丹念に探すしかないでしょう。

でも、ですね。なんと小泉喜美子の「弁護側の証人」が文庫復活なんですって! えらいぞ集英社!
自分で持っているはずの山崎洋子「横浜秘色歌留多」(講談社文庫)も読み返したくなりました。


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1 コメント

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Unknown (ミリオン)
2024-07-31 21:42:17
こんばんは。
素敵な作品ですね。見るのが大好きです。頑張って下さい。今度の土曜日は、1週間分の「虎に翼」を見ます。
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