くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「イノセント・ゲリラの祝祭」海堂尊

2009-04-12 05:45:11 | ミステリ・サスペンス・ホラー
むー、海堂尊「イノセント・ゲリラの祝祭」(宝島社)、わたしにはちょっと読みにくいかも……。
おもしろいんですよ。田口先生は相変わらずいろんなことに巻き込まれて、今度はなんだか長ったらしい名前の委員会のメンバーにされちゃいます。(医療事故調査委員会創設検討会、です)
そこは白鳥の同期で上官でもある八神が仕切っている会議で、エーアイを検死に使うのかどうか、使うならどんな対象にするのかなんてことが話し合われていて、しかも一定の結論にたどりつこうとしているわけでもない。(白鳥が言うには、後で厚生労働省の職員が適当な結論をつけて発表するんだそうです)
大学時代の後輩彦根からエーアイ使用の口火を切るように依頼された田口先生。それまで険悪な表情を浮かべていた被害者の会代表・小倉さん(バチスタ手術のときの被害者の息子さん)からもエーアイの後押しを受けます。
最終的に登場した彦根の強弁により、エーアイの使用は確定の方向へ。しかし、医師ひとりひとりを「イノセント・ゲリラ」と称する彦根の狙いは、厚生労働省をぶっつぶし、「医療と司法の完全分離」をすることで……。
こうやってあらすじを書いてみると、中心はわりと単純です。でも、白鳥をはじめとする登場人物の掛け合いやエピソードがやたら難しい。海堂さんはきっと、最上級にわかりやすい表現を使ってくれていると思うんだけど、素人のわたしには半分も理解できていないような気がします。
もしかして、さっきのあらすじも間違っているかもしれません……。
ただ、海堂さんは医療というものに対して理想に近い形を常にイメージしていて、それが作品に反映されているのだな、と感じました。これは「ジーン・ワルツ」のときも感じたことですが。(三枝先生の医療ミスに関する事件で、本作とつながっていましたね)
わたしは法医学というと、どうしても上野正彦さんを思い浮かべてしまうのですが、彼の著作も医学解剖の必要性を説いたものが多かったように思います。
あとは、うーん、斑鳩さんのミッションがよくわからないので、話の最中に思わせぶりに差し挟まれると流し読みしてしまいます。多分、海堂さんはこの続編も加えてかなり大がかりなしかけでシリーズを構成しているのではないかと思いました。
「イノセント・ゲリラ」の筆頭は、海堂さんなのかもしれません。
ロジカル・モンスター白鳥が、前の作品で少しおとなしくなっているように思ったのですが、今回は結構活躍しているように感じました。(単にわたしが白鳥というキャラクターに慣れただけ?)
わたしは個人的には速水先生と島津先生のファンです。しかし、主要人物多すぎないですか? うーん、次回までに忘れてしまう人がいることに500点(笑)。
桧山シオンの秘密、そのときは説き明かされるのでしょうか。


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1 コメント

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Unknown (ミリオン)
2024-08-03 14:24:30
こんにちは。
嬉しいです。頑張って下さい。今日の朝は、「虎に翼」の第18週を見ました。
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