「ムショ医」佐藤智美

アタリでしたー。
佐藤智美「ムショ医」（芳文社）です。本屋の平積みを見て買いました。刑務所にも医師は必要なのです。そういえば、その通りですね。
帯裏にはこうあります。「ここは刑務所です……。『一般の病院』や『学校の保健室』のように考えてもらっては困ります」
この台詞は刑務官の早乙女が、主人公・粂川晶に言った言葉です。
晶は非常勤の医師として、故郷の町に近い北浦刑務所に通うことになります。初日から看病婦たちの喧嘩があり、そこで知り合った上野という受刑者が気にかかるようになります。彼女は元看護師。付き合っていた男がシャブ中になり、借金返済のために水商売の道へ。
上野は出所したら彼と暮らすことを心の支えにしているのですが、彼女を絶望させる出来事があり……
背中に彫り物をしている患者がいたり、妊婦の自覚がない受刑者に激怒したり、晶は次第に刑務所の医師という仕事に慣れてきているようです。
それにしても、刑務官たちになぜ刑務所の医師になったのか聞かれて、「だったら皆さんこそ……どーして刑務所に？」なんて返すのは、どうかと。彼女たちに反感買ったようですが、これに関してのエピソードはいつか出てくるんでしょうか。
ショックだったのは、後半部に紙の破れがあったこと。交換に行こうかとも思ったけど、買ってから読むまで時間がたち、結局このままになりそうな気がします。
でも、読みごたえのあるまんがです。晶のめげないところがいいと思うので、ぜひ「ほんとの空」を見つけてほしいな。