くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

好きな短歌五首

2009-04-25 05:46:26 | 詩歌
短歌、わりと好きです。そらんじている歌が、何かの場面でふと思い浮かぶとうれしいですね。四年前に、短歌の本をざっと読み、以来興味があって手に取るようになりました。
「ドラえもん短歌」「かんたん短歌のつくりかた」枡野浩一(日本で二番めに売れてる歌人のキャッチフレーズ、爆笑です)、「念力家族」の笹公人も、最近は国語のワークに取り上げられているんですよー。「誰だってほしいよだけど本当はないものなんだどこでもドアは」が、めちゃくちゃ気に入った男子もいたものです。
好みの短歌を五首選ぶとすると、どんな歌が浮かぶでしょうか。
わたしの選んだ五首は、これ。

観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日(ひとひ)我には一生(ひとよ)   栗木京子
恋する女の子の心情がものすごくよく出ている一首。観覧車のあの独特の速度で次第に高められていく心も、相手には自分ほどの思いはなさそうなところも、読みとれてしまう手腕はさすがです。華やかでどこか淋しい絵が浮かび上がってくるようです。

かがやける少年目よ 自転車を買ひ与へんと言ひしばかりに      宮 柊二
うちの息子も自転車大好きです。まだ幼さが残る少年が、父親から自転車を買ってやろうと言われて目を輝かす、そんな表情が見えてくるように思いました。

書くことは消すことなれば体力のありさうな大きな消しゴム選ぶ     河野裕子書くことは消すこと……ほんとうにそうですね。推敲の大切さと、よりよいものにするためには些細なこだわりを抜きにして大局を意識するべきだと思いました。体力も気力も、必要だねー。

「ドラえもんがどこかにいる!」と子供らのざわめく車内に大山のぶ代     笹 公人
笹さんの視点は独特で、すごくおもしろい。ある意味メジャーすぎる作品ではありますが、中学生に短歌の可能性を知ってもらうにはいいんじゃないかと思うのです。

むくろじの森の冷たさすきとおり魚ともならんひとりを待ちて    馬場あき子
「むくろじ」、うちの庭にあります。この木が茂る森なら、やわらかくてきれいでしょうね。その中で恋しい人が現れるのを待っている。でも、その人は多分来ないのです。待っている間の森閑とした淋しさが、胸にしみとおる。魚になってしまうほどの歳月でも、恋を捨て切れない乙女心を感じます。

以上。


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1 コメント

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Unknown (ミリオン)
2024-08-16 21:20:02
こんばんは。
国語の勉強頑張っていますね。応援します。頑張って下さい。明日の朝は、1週間分の「虎に翼」を見ます。
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