くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「ナガサレール イエタテール」ニコ ニコルソン

2013-04-28 05:18:39 | コミック
 地元ものは大好きなんですが、読み切れるのかちょっと不安でした。表紙を見た感じでは絵に特徴があって、どうも苦手のような。
 ニコさんの出身は県南の山元町。東日本大震災で家が被災し、お母さんとおばあさんに連絡がつかなくなります。津波にさらわれそうになりながら、タンスに捕まって踏みとどまり、二階で震えながら一夜を過ごしたとのこと。避難所におじさんが迎えにいき、川崎の家で過ごすようになりますが、おばあさんはどうしても家に帰りたいといって聞きません。
 家を立て直したいと考えますが、実はリフォームしかできないことも判明。ほりごたつをつけたいとか居間を残したいとか話しているうちに、お母さんの癌が発見されます。
 波乱万丈ですね。突然お母さんが、別れた夫(ニコさんの父)は外国人と再婚したのでハーフの弟がいると言い出したのにもびっくりしました。
 このお母さん、娘に名前で呼ばせていたそうです。うーん、結構呼び方って大きいと思うんですよ。思春期だと普段「ママ」なんて呼んでいても隠そうとする場合が多い。最近はそうでもなくなってきているかもしれませんが。(このごろ中学生男子でも自分のことを名前で呼ぶ子が増えています……)
 震災後まもなく、情報収集するニコさんが見つけたのは、中学生のツイッターでした。テレビ番組は録画できているのかとか、明日は部活ないらしいとか意外とのんきなことが書いてあったそうです。うーん、なんかわかります。なかなか切羽詰まらないというか(笑)。
 周囲は大変なんですけど、彼らはどうしてもしてもらう立場のことが多い。家を建てる当事者になったニコさんの実感と似ているかもしれないと思いました。


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