くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「みんなの寺 絵日記」天野和公

2009-03-16 05:46:41 | 哲学・人生相談
わたしの育ったところは、お寺が一つしかない町でした。だから、町民みんな曹洞宗。独占禁止法には抵触しないのでしょうか。住職は中学時代の先輩です。当然中学校も一つしかありません。家の裏山を抜けると、お寺まで徒歩五分。お墓参りにいくと、親は親類のところにもまわるので、よく歩いて帰りました。
また、大学時代の友人Mちゃんは、北海道の寺に嫁いでいます。
そんなわけで何となく、お寺に親近感があるわたし。この「みんなの寺 絵日記 『夫婦でお寺をはじめたよ』の巻」(サンガ)を手に取ったのもそのせいです。著者は天野和公さん。
でもそのときは、まだ読んでいない同種の本が家にあるためやめておきました。
で、数日後。新聞に紹介されているのを見て、猛烈に読みたくなったのですね。しばらくして近所の本屋にも入荷されていたので買いました。
やっぱり、仙台が舞台というのが大きいと思います。地元ものが大好きなので。
読んでいると続々見知った地名が現れるのですね。「北中山」「貝が森」「道の駅やまなみ」……古川でぶどうが売っているって、どこで?
さらに、わたしは仙台に住んでいるとき熱烈な三浦哲郎ファンだったため、雅亮さんがアルビノであるというのにショックを受けました。
あ、悪い意味じゃないですよ。
三浦文学の根底を流れるのが、この「白の恐怖」なのです。「白夜を旅する人々」(新潮文庫)とか「拳銃と十五の短篇」(講談社学芸文庫)とかに顕著なのですが、六人兄弟の姉二人がアルビノです。上の四人が自殺や失踪で次々欠けていくことがそれと無縁だとは彼には思えません。自分の娘たちもいつか同じように白い子を産むのではないか、という思いが捨て切れないのですね。
しかし! 雅亮さんも和公さんもそんなことまるっきり気にかけていないではないですか。その明るさが何だか新鮮だったのでした。時代が違うといわれればそうなんだろうけど、三浦さんのお嬢さんも多分同年代。思春期には苦しい思いをしなかったのかな? と思ったものです。
お寺ならではの仕事の数々や寺猫くまの行動がかわいーの。そして、ふとのろけあっている雅亮さんと和公さんがほのぼのしていてすてきです。個人的には「おぼうさんスイッチ」がお気に入りです。
後半、長女の如乃ちゃん出産の記述を読んでいて、自分のときのことを思い出しました。わたし、出産軽かったんですよ。それこそ225ページの隣の妊婦さんのように。(わたしのときも隣にいた妊婦さんは午後までかかっていました)
体質なのかなーと思っていたのですが、単に鈍いだけかも。ついでにうちの娘、中耳炎で通院中なのですが、
「普通四歳のお子さんなら、痛くて泣きわめくはずです。この子が痛がるときは、かなり痛むときでしょうから、すぐ病院に行くように」
と言われてしまいました……。

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1 コメント

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Unknown (ミリオン)
2024-07-02 21:55:37
こんばんは。
嬉しいです。頑張って下さい。今度の土曜日は、1週間分の「虎に翼」を見ます。
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