くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「過去からの手紙」岸田るり子

2009-03-02 05:45:12 | YA・児童書
岸田るり子「過去からの手紙」を読みました。理論社ミステリーYA! の一冊です。
読後感は一言で「子供だまし?」。この作者はじめてなのですが、こういう作風なのでしょうか。
主人公静海のキャラクターを書きたかったということなんですが、シリーズものを意識してか、中途半端な伏線が目立つのですね。彼女の父親・崖との関わりはどうなるのか、とか。また幼なじみの純二の夢に現れるシレンは、それだけの存在なのかというのも謎です。
シレンというのは、純二の理想の女の子で、彼はみたいときにシレンの夢が見られるというのですが、この子の顔が静海そっくりなんですって。
純二は何回も何回も、静海に恋愛感情などないことを語りますが、どうもこれは胡散臭い。このまま年を重ねていけば、カップルになる可能性は高いと思われます。
だから、シレンは純二が否定する恋心をさらに否定する存在だということもできましょう。
いや、この二人にそんなことはない、なんでも恋愛にまとめてしまうのはよくない! という意見もあるでしょうが、わたしはこの純二のことがちょっと信頼しかねるのですね。
なんで「お母さん」と呼んだり「母」と呼んだりするの? 会話文だけではく、地の文でもですよ。ジュンニイにも「母」で説明するし。もう少し統一性を持って呼んでよーと思ったんだけど、わたしごときには気づかないルールでもあるんでしょうか。
それに、後半になって突然、母は几帳面で緻密な性格だとか言い出すんですよ。そう言われるほど不信感が広がるわたし。だって、ポリペールのゴミを捨てたのは母だと思っていたんでしょう? 違和感を感じながらも、納得していたんだよね? それに、几帳面で緻密な人が、光がみえたという理由で家宅侵入するでしょうか。息子が合宿中に友達と連日飲み歩くのでしょうか。息子に純一純二と名付けて、兄をジュンニイと呼ばせるのもデリカシーがないよね。
でもね、それはともかくマテリアルクッキングの部分はものすごく楽しめました。読んだ子は、文章を読みながらトライしてみるとよいでしょう。
これ、コミカライズしてみたら、きっと中学生くらいには好まれるんじゃないかなと思います。そのときはちゃんと静海と純二に恋の予感が見えるように演出希望(笑)。
作者が考える静海はそういうキャラじゃないんでしょうけどね。

これを読んでいる間中、左半身が重苦しくて仕方なかったのですが、どうも風邪をひいたようです。ジュンニイの霊障じゃないよね?

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1 コメント

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Unknown (ミリオン)
2024-06-08 20:27:34
こんばんは。
嬉しいです。頑張って下さい。今日の朝は、1週間分の「虎に翼」を見ました。
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