くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「2.43」next4years

2023-09-06 22:03:48 | 文芸・エンターテイメント
ああ、連載から読んでいてよかった!
破魔の初登場からしっかり読みました。どういう人物なのか把握してからの読み直しは、何ともいえない満足感。
更に、弓掛とのマッチアップなんかあると、もうざわつきます。二人ともお互いにリスペクトしているのよ。
大学No.1のMB破魔が、弓掛を「大学ナンバーワン・サイド」って言うのよ。これ、Webで読んだときもじわっときたけど、今回も揺さぶられた!

そして、読むうちに壁井先生のとんでもない技術に驚嘆です。
リアルな試合描写の間に挟まれる回想シーン。カットバックの的確さもそうだけど、試合の中には過去のリーグの場面が入り込んだりすることもあって、これがごちゃごちゃにならないのはすごすぎ!
しかも、フェイクセット入るし、アナリストのお仕事入るし、戦術の面白さががんがん伝わってきて、本当に、目前でバレーが展開する。

私の見ていた大学リーグは、もう三十年以上前のものなんだけど、当時のことをありありと思い出すし、今は配信で見ているので今回のリーグも見たくてたまらない。
部旗とかラインズの1年生とか、ギャラリーの応援とか学連の皆さんとかあああ楽しいなあ。

配信的に考えると欅舎のこの展開は、ファンには衝撃ですよね。
だって、それまでも4年生中心に全勝していたんだよ。八重洲とのゲームで劣勢だったところに、三村中心に自主練習していたメンバーと灰島と黒羽投入で、その後も主体になっちゃう。
絶対パンフレット開くよね。名前チェックするよね。(高校選抜から知ってる人もいるはず)
セカンドタッチをつなぐ場面は、必ずスパイクできる球にするって。灰島! かっこよすぎるだろ!

それから、弓掛と浅野のラインはもちろんだけど、三村と川島のラインが結構大きい。
腰を痛めていた2m選手川島を入学させたのは東武大学だけ。これは、唯一自分を取ってくれた欅舎と重なります。表には出さない彼の鬱屈は、三村統にはとてもよく分かる。
だから、彼がアンダーカテゴリのメンバーに選出されたことを思う姿には、内心の投影がある。(三村もその後報われるので!)
川島の選出で場所を奪われた弓掛と憤慨する浅野は、その対角線上にある感じ。Vリーグでは同じチームになってくれないかな、なんて思いました。

世代のトップセッター3人、浅野、山吹、灰島。全員景星で若槻監督の教えを受けているっていうのも、ぞくぞくするなあ。
それぞれ違うタイプですが、八重洲の正セッター早乙女と比較すると、センター中心の戦略的な試合構成を組み立てることが伝わってきます。
早乙女くんさぁ、せっかく破魔という日本代表MBいるのに、何で一定量使ったらオープンバレーに切り替えちゃうの? もったいないって!

〈Ⅰ〉のラストは山吹が飾りましたね。「春高編」からいちばんイメージが変わったのが彼です。
あっ、チカとユニの背番号も24、23なんだ!
これも「2.43」に絡めてあるのかしら。

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