くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「三島屋変調百物語」

2023-09-24 09:05:55 | 時代小説
「よって件のごとし」

「三島屋変調百物語」が大好きなので、新刊楽しみにしてました。
宮部さんの死鬼もの!
異界に向けて救いの手を伸ばす人々、故郷を棄てざるを得ない人々の心が胸に迫ります。
賽子の話もよかった。しかし、この呪いなキツイ……
異種婚姻譚がこういう展開になるのもすごい。


「青瓜不動」

怪談というよりも、集団(藩など)の悲劇が語られることが多くなったきたなと考え、怪談は人々の「業」から生まれるものなのだと気づく。
とうに決着のついた物語であるはずなのに、それを聞くのは辛い。受け止めるには力がいる。そう思いました。
懐かしい人も登場する「青瓜不動」、桃源郷の終わりを描く「針雨の里」が好き。
「だんだん人形」は語られていくうちに物語の体裁が整えられていくと感じたし、「自在の筆」の悪魔のようなやり口(?)には創作者の葛藤を感じました。

ところで、182ページのルビ「おかぼ」は、隣の行の「陸稲」につくべきものではないのかと思うのですが…

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