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くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「新版・小説道場」① 中島梓

2009-06-09 05:05:12 | 書評・ブックガイド
多分読み返すのは四回めです。中島梓「新版・小説道場」①(光風社出版)。
学生時代、新書館版を友人に貸してもらい、投稿作品が読みにくくて(わたしが読みたいジャンルじゃないのですね。正直言って)でも道場主の講義は滅法おもしろい不思議な本でした。
栗本さん、先日お亡くなりになりましたね……。わたしにとって、栗本薫という作家は「伊集院大介」「真夜中の天使」(先輩にすすめられるも結局挫折)あとは「グイン・サーガ」(ヒロチンスキーさんが読んでいましたよね)のイメージです。あ、うちの夫は「魔界水□伝」を読んでましたが。
わたしの読むジャンルからは、遠い作家なのだと思うです。でも、彼女が「小説を書くこと」について書いたこの本は、ほかの小説の書き方についてレクチャーしたどの本よりもおもしろい。
この本のなかでたくさんの「門弟」たちが育っていきます。江森備は、わたしが高校生のときにはもう先輩のハートをわしづかみにしていました。その先輩から本を借りて、わたしは文通相手に本文を視写してあげましたとも。(でも結局コピーを送ってと言われたんだけど)
現役作家として活躍するあの人この人も、この道場から育っています。
読んでいて、筆者(ペンネーム使い分けるのが面倒でごめんなさい)が、どれだけ小説というものを真摯に捉えているかがわかるのです。
「を原稿用紙の二升目からつけるといっていたことも、なんか覚えているー。
しかし、この企画を始めたときの筆者がまだ三十そこそこというのには驚きます。もう知名度も人気も高かったものね。編集長も三十一歳だってよ! しかも、奥様はささやななえ。もう「おかめはちもく」を描いていたそうです。
この本を読んでいて、いちばん強く感じたのは、「小説を書く」という情熱のほとばしりです。筆者も門弟の皆さんも。
この時代、主流は「手書き」です。本文中でも幾度となく字は丁寧に書かないといけないとかペンで書けとか、この人の字はきれいとか出てきます。
わたし自身も、この時期に青春時代を送ったものですから、文章を書くときの違いはよくわかります。パソコンで打つのと、筆記用具で下書きしてそれから清書するのは、全然違うのです。どっちがいい悪いというよりも、対象との親密性が。それに、パソコンだと推敲は楽ですよね。
でも、きちんと清書して投稿する、それだけの思いがなければできないことです。
①では、江森さんと野村史子さんが高弟として認定されています。あと、滝尾令以子さんというのは、あのかたかなあ? ②も早く読みたいのですが、一体いつ借りて来られるやら……。


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3 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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こんにちは (ヒロチンスキー)
2009-06-11 17:47:34
こんにちは、いつかさん。
名前が出てたので、顔を出しました。(笑)

栗本氏が亡くなったのをニュースで知った時にはびっくりしました。
全巻読んでいたわけではないのですが、ああ、グイン・サーガが未完になっちゃった、と寂しく思いましたよ。

うん、原稿用紙に向かって升目をひとつひとつ埋めていくのと、パソコンでダーッと打つのではずいぶん感覚が違いますよねー。
どちらのやり方もそれなりに利点があると思いますが、やっぱり自分の手で「書く」ものはより思い入れが深い気がします。
そう言いつつ、文字を書くことよりメールなどを打つ機会のほうが多くなりました…。
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手書きについて (いつか)
2009-06-11 22:54:52
ヒロチンスキーさんは「長編」のイメージがあるのです。「グイン・サーガ」、わたしにはちょっと手が出せません。
とりあえず、わたしはまだ手書きパーセンテージが高い方だと思うのですが、人の文章を写したり何回も同じことを書くにはパソコンの方が楽になってしまいました。
でも、やっぱり機械の介在は対象が遠くなるような気がして、主観的な文章を書くには違和感が残ります。
ヒロチンスキーさんのところにブックマーク付けたかったけど無理でした……。携帯だと同じgooしかできないみたい。未熟者のわたしでごめん。
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Unknown (ミリオン)
2024-09-05 11:05:33
おはようございます。
嬉しいです。頑張って下さい。今日の朝は、「虎に翼」の第114回をみました。
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