安倍外交はたいしたものである。アメリカを引きつけておくために、ロシアと接近し、北方領土での妥協点を探った。それと同時に、アメリカがどこまでやってくれるのか、小野寺防衛相を訪米させて、ヘーゲル国防長官との間で、「尖閣諸島は日米安保条約の対象である」との言質を取った。現在もなお世界は暴力の海であり、力の均衡から成り立っている。綺麗ごとではないのである。日本が北に向かって門戸を開くことは、凶暴な覇権国家中共に対して、大きな牽制となるはずだ。日本のマスコミは、連日のように対日批判を繰り返す中共と韓国のことばかり報道している。明らかにそれらの国に加担する者がいて、指図されているのだろう。しかし、毎度毎度となると、かえって日本国民の反発を招いており、いつものこととして、眉をひそめるようになってきた。普天間基地の辺野古への移設についても、一歩ずつながらも前進しそうで、民主党政権のようなルーピーな対応ではなくなってきた。よく引き合いに出されるのが、安倍首相が自民党幹事長であった平成16年9月、訪韓して行われた盧武鉉大統領との会談である。盧大統領が韓国人の参政権付与を強い口調で求めたのに対して、安倍首相は「自民党では憲法違反との見方が有力です」と毅然として反論したのだった。一歩も引かないスタイルは、今始まったことではない。勇気をもって発言すれば、日本だって主導権を発揮できるのであり、国益を死守することができるのである。
←安倍外交に期待する方はクリックを