草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

日本を弱体化した米国を信じるのは危険だ

2023年05月09日 | 科学技術
 バイデンにしてやられた。それが昨今の日本人の偽らざる心境ではないか。自分たちは中国との直接対決を避け、台湾有事が勃発すれば、米国は介入せず、領土を接する日本にだけ犠牲を強いる。そうした魂胆が見え見えであるからだ。
 敗戦後の我が国は、米国の言うことに従順であった。日本国憲法にしても、押しつけであることは明白である。日本人の多くは、大日本帝国憲法の改正で済まそうとしていた。しかし、彼らは英語で文面を書いておき、24時間以内に翻訳せよと迫ったのである。
 欧米派と目される白洲次郎ですら「あのときぐらい、占領というのはこういうことなんだと骨身にしみてわかったことはなかった」と怒り心頭に発したのである。
 さらに、米国による検閲は徹底的であった。米国の国立国会図書館とメリーランド大学のプランゲ文庫に膨大な資料が収められており、1980年代からの資料の公開によって、それが徐々に明らかになってきた。
 塩澤実信の「占領期のメディア統制2」(『環「特集占領期再考ー「占領」か「解放」かに収録)によれば、検閲機関は1945年9月から1949年9月までに及び、その後もゆるやかに実施されたという。
 塩澤は「4年間に検閲を受けた書籍・小冊子類は4万5千点、雑誌は1万3千タイトル、新聞1万1千タイトルに上り」と書いている。
 しかも、米国は検閲が行われていることが発覚することを恐れて、昭和20年9月に検閲制度が確立された後に、全出版関係者に極秘通告まで出したのである。そして、全国を4つの地域に分割し、129名の米軍担当者の下に、5658人の日本人が働いたのだ。
 我が国の敗戦から80年近く経とうとしているが、日本に対してとんでもないことをした米国は、最終的には安保条約の行使をためらうのではないだろうか。押し付け憲法から脱却せず、自国の安全を米国に依存してきた日本は、またもや国土が焦土となりかねない危機に直面しているのである。

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