草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

自民党の「控え目な伝統主義」では危機に対処できない!

2019年02月10日 | 思想家

これまでの自民党は「控え目な伝統主義」に立脚してきたが、世界の情勢が大きく変わりつつある状況下では、そうした漠然としたものだけでは、未曽有の危機に国家として対処することはできない▼村上泰亮は『新中間大衆の時代』の「第五章保守支配の構造」において、「控え目な伝統主義」の観点から自民党論を展開した。「戦後日本の政治の場合には、進歩主義政党(日本社会党と日本共産党)とそれに同調する進歩的文化人が、あらゆる固有に日本的な要素を否定する姿勢をとった」ことで、「控え目な伝統主義」の受け皿として自民党が国民各層から支持を集めたというのだ▼大東亜戦争の敗北で、伝統を重んじるナショナリズムは力を失ったが、それでも多くの日本人は、日本に生まれてよかったと思っている。一時期を除いて圧倒的に自民党が政権の座にあったのは、それを否定する政治勢力に国民が違和感を抱いたからであり、村上の分析は説得力がある▼憲法改正が真剣に論じられるようになってきたのは、日本という国家を再建しようとする動きと無縁ではないのである。国家としてのアイデンティティを明確にし、国民が結束しなければ、暴力の海を乗り切ることは難しい。国際社会に向かって自らの立場を主張するのは、国家として当然のことである。戦後70年以上が経過して、ようやく我が国も普通の国になろうとしているのである。

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