草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

議会主義の問題点を鋭く指摘したカール・シュミット!

2017年02月01日 | 思想家

一昨日の民進党代表の蓮舫の参議院予算委員会での質問は、単に安倍首相や稲田防衛相をこきおろしただけであった。アメリカの大統領にトランプが就任したことで世界は混迷を深めているのに、蓮舫はそんなことはまったくお構いなしである▼カール・シュミットは「議会主義と現代の大衆民主主義との対立」(樋口陽一訳)において「討論には、前提としての共通の確信、よろこんで自ら説得される覚悟、党派の拘束からの独立、利己的な利害にとらわれないこと、が必要である。今日では、たいていの人びとは、かような公平無私さを可能だとはほとんど見ないだろう」と述べることで、議会主義が危機に直面していることを指摘した▼シュミットは「政党は、今日ではもはや討論をする意見としてではなく、社会的あるいは経済的な勢力集団として対抗しあい、おたがいの利害と権力可能性を計算し、そのような事実的な基礎の上に妥協と提携をとりむすぶ。大衆は宣伝機構によって獲得されるが、その最大の効果は、手近な利害と激情へのよびかけにもとづくのである」とリアルに分析したのだった▼相手を説得する本来の目的が失われ「多数を獲得しそれによって支配することが問題」なのである。全世界的な規模で議会主義は行き詰まってきている。それ以外によりベターな制度が見当たらないにもかかわらず、閉塞感が漂っている。私たちはその現実から目をそむけてはならないのである。

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