憲法9条絶対の人々に対して、何度でもカール・シュミットの言葉を繰り返すしかない。「もしも、一国民が、政治的生存の労苦と危険とを恐れるなら、そのときまさに、この労苦を肩代わりしてくれる他の国民が現れるであろう。後者は前者の『外敵に対する保護』を引き受け、それとともに政治的支配をも引き受ける。このばあいには、保護と服従という永遠の連関によって、保護者が敵を定めることになるのである」(『政治的なものの概念』田中浩、原田武雄訳)▼今の憲法のままでよしとすれば、永久にアメリカの従属国から抜け出せないのである。それを知っていたからこそ、自主独立を主張する日本共産党は、制定時に唯一現憲法に反対したのではなかったのか。いつの間にやら立場が変わってしまった。日本共産党は憲法9条を何としてでも守り抜くのだそうだ。それはあくまでも戦術上のことであり、もし日本がアメリカとの関係を清算し、日米安保条約を破棄する自体になれば、当然のごとく軍隊を持つようになるだろう▼自民党はアメリカとの対等な関係に一歩踏み出そうとしている。そうすれば保護と服従の縛りから、解き放たれることになるからだ。日々アメリカと付き合ってみて、日本にが不利であることを痛感しているはずだ。アメリカ大統領選挙でのトランプ旋風によって、風向きがかなり変化してきた。真に日本の独立と主権の回復を目指すのであれば、すぐにでも自衛隊を国軍としなければならない。そこでは命令も指揮系統も日本独自でなくてはならない。アメリカへの服従を容認しているのが、憲法9条絶対の人々なのである。どうしてそれに気が付かないのだろう。
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