草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

危機の時代にはインテリは無力であり国を救うのは無智蒙昧な大衆だ!

2015年04月14日 | 思想家

まことしやかな言説を述べるインテリが、影響力を行使できなくなっている。保守派のネット言論が勢いを得ていることに、インテリは批判を加えているが、そこで問題にしているのは、中共や韓国へ対して寛容さに欠けるとか、ナショナリズムの暴走とかである。エリック・ホッファーが『魂の錬金術』(中本義彦訳)で述べているように、危機的状況下ではインテリや名立たる評論家の主張よりも、知識も乏しい国民の素朴な考えの方が日本をまともにし、日本を救うのである。無智蒙昧と決め付ける議論の方が間違いなのである。ホッファーはインテリに対して懐疑的である。「現代において未来のことは、子どもや無知な者に訊かねばならない。タルムード[ユダヤ教の聖典]に記されているように、神殿が破壊された後、預言は賢者から奪われて子どもたちに授けられ、愚者が困難な時代の混乱と紛糾を省察するようになった。状況が不安定になると、来るべき状況を予測するうえで、英知や経験はかえって障碍となってしまう」と書いているからだ。どこまでもシニカルな見方をするホッファーは「狂暴さ、子どもじみた軽信性」が世の中を動かし、「戦士の精神」が呼び戻され、大きな力になるというのだ。「新たな始まりは多かれ少なかれ、人間の原初のくり返しとなる」からである。未知の世界に足を踏み入れることに、インテリは戸惑いを隠さないが、知識がない者たちは、大胆不敵に対処するのである。ネット言論の主流である無智蒙昧な大衆が、中共による日本侵略の危機を直感し、自民党を政権の座に復帰させたのである。インテリの意図とは相反していたが、結果的には日本は、安倍首相が二度目の政権を担当したことで、国家として身構えることになった。インテリの出る幕はなかったのである。

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