2022/6/18放送
「世の光」の時間です。お変わりありませんか? 岩井基雄です。この土曜日は、歴史の中を歩んだクリスチャンの生涯から学んでみましょう。今日は、大正デモクラシーに生き、神の愛によって生かされた、吉野作造についてです。
吉野作造は明治11年、現在の宮城県大崎市で、糸や綿を取り扱う商家の長男として生まれました。小学校を卒業後、仙台の尋常中学校に進み、第二高等学校へ進学します。この高校時代に、近くのミッションスクール尚絅(しょうけい)女学校のアニー・ブゼル校長の聖書研究会に参加し、キリストを信じ、洗礼を受けます。キリストが語る愛と自由、平等に感銘を覚え、それが吉野の思想の基礎になります。その後、東京帝国大学(今の東京大学)へ進み、本郷教会に通いつつ、政治学者の道を歩み始めます。大学卒業後は中国で家庭教師をし、帰国後、東京大学で教鞭をとり、またヨーロッパへと留学し見聞を広めました。大きく変化する世界を体験した吉野は、民衆の力が重要であることを学んだのです。
そして38歳の時に、論文で「民本主義」ということばを用い、「デモクラシー」つまり民主主義の必要を説きました。当時の日本の選挙権は、高額納税者に限られていましたが、政治は広く国民の意見によって行われるべきだと吉野は主張し、大正14年の普通選挙法制定につながっていきました。弱い人々を愛し、人権を尊重する聖書の愛の基盤が日本に大きな影響を与えたのです。
また吉野は実行の人でした。新聞や雑誌で多くの意見を発表し、講演で全国を飛び回りました。また東アジアの親善友好や、経済的に苦しい人々を支援する活動を重ねていきました。国や立場の違いを越えて一人一人が対等な人間として互いを尊敬し仕えあう、それが吉野の思い描いた民主主義であり、神の愛の具現化でした。55歳で地上の生涯を終えるまで彼は人々に愛を届ける歩みを貫いたのです。
聖書のことば
「私たちは、ことばや口先だけではなく、行いと真実をもって愛しましょう。そうすることによって、私たちは自分が真理に属していることを知り、神の御前に心安らかでいられます。」
新約聖書 ヨハネの手紙第一3章18節、19節
( PBA制作「世の光」 2022.6.18放送でのお話しより )
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