2021/10/27放送送
世の光の時間です。いかがお過ごしですか? 板倉邦雄です。ギリシャの客船が沈みかけた時、真っ先に逃げ出したのは船長と乗務員たちだったという事件がありましたねえ。今日は、真っ先に船から逃げ出そうとしたのは水夫だったお話しです。使徒の働き27章の続きです。
パウロ一行を乗せた船は漂流して14日目の夜になりました。地中海のアドリア海を漂っています。真夜中ごろです。水夫たちは、どこかの陸地に近づいているように感じました。さすがはプロフェッショナルです。そこで水夫たちは水の深さを測ってみたところ、約40メートルであることが分かりました。それから少し進んでもう一度測ってみたら、なんと30メートルではありませんか。そこで万が一、暗礁に乗り上げて破船しては大変だと、船の4ヶ所から錨を投げ降ろし、夜が明けるのを待ちわびていました。
その時です。水夫たちが船から逃げ出そうと思って、船の舳先(へさき)から錨を投げ降ろそうと見せかけて、救助用の小舟を海に降ろしていたのです。
それを目撃したパウロは百人隊長と兵士たちに言いました。「あの人たちが船に残っていなければ、あなたがたは助かりません。」
そこで兵士たちは小舟の綱を断ち切って、小舟を流れていくままに任せたのです。素人にはわからなくても海の男たちにはわかっていました。「目の前に陸地がある。しかし、このままでは暗礁に乗り上げて船体に水が入り、やがて沈む。救命ボートは数隻しかない。276人の救出は無理です。」 となれば船から逃げ出すのが一番です。しかし、プロの海の男たち水夫がいなければ、助かるのも助からないのです。パウロの判断とそれに従った百人隊長の決断は正解でした。救命ボートの小舟の綱を切ることは退路を断ったことでした。
さて、「勇断なき人は事を為すこと能わず」とは幕末の薩摩藩主島津斉彬のことばです。西郷隆盛、大久保利通らの主君です。何か事があったとき、勇気を持って決断できない者は大きなわざをなすことはできないという意味のことばです。
聖書のことばです。
「神は私たちに、臆病の霊ではなく、力と愛と慎みの霊を与えてくださいました。」
テモテへの手紙 第二 1章7節。
(PBA制作「世の光」2021.10.27放送でのお話より )
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