ふうるふうる・たらのあんなことこんなこと

いろんなできごとを面白がってしまおうと思っています。
日常のあれやこれや記事です。

『原発のない世界へ』抜粋4(終) 何よりもエネルギー浪費社会を改めること

2014-05-29 07:17:05 | 特定秘密保護法

 小出さん関連であっちゃこっちゃ飛びましたが、『原発のない世界へ』(小出裕章 筑摩書房)からの抜粋、これで終わりにします。 

●何よりも必要なことはエネルギー消費を抑えること
  現在、地球温暖化問題がとてつもなく重要なものだと宣伝され、それを防ぐためには原子力が必要だなどという途方もないウソが流されています。気候変動の原因は、日本政府や原子力推進派が宣伝しているように、単に二酸化炭素の増加にあるのではありません。
 生命環境破壊の真因は、「先進国」と呼ばれる一部の人類が産業革命以降、エネルギーの膨大な浪費をはじめたこと、そのこと自体にあります。
 地球の環境が大切であるというのであれば、二酸化炭素の放出を減らすなどという生やさしいことでは済みません。人類の諸活動が引き起こした災害には大気汚染、海洋汚染、森林破壊、酸性雨、砂漠化、産業廃棄物、生活廃棄物、環境ホルモン、放射能汚染、さらには貧困、戦争などがあります。
 日本を含め「先進国」と自称している国々に求められていることは、何よりもエネルギー浪費社会を改めることです。あらゆる意味で原子力は最悪の選択ですし、代替エネルギーを探すなどという生ぬるいことを考える前に、まずはエネルギー消費の抑制こそに目を向けなければいけません。
 一度手に入れてしまった贅沢な生活を捨てるには苦痛が伴う場合もあるでしょう。当然、浪費社会を変えるには長い時間がかかります。
 しかし、世界全体が持続的に平和に暮らす道がそれしかないとすれば、私たちが人類としての叡智を手に入れる以外にありません。私たちが日常的に使っているエネルギーが本当に必要なものなのかどうか真剣に考え、一刻でも早くエネルギー浪費型の社会を改める作業に取り掛からなければなりません。

  電気の使い方、福島原発事故以前に戻っているんじゃないかと思うことがしばしばあるのよ。
 自分だけがこまめにやっててもムダなんだろうなあと思っちゃうけど、でも、できることはやっていかんといかんわね。


『原発のない世界へ』抜粋3

2014-05-28 08:21:42 | 原発

 我ながらしつこいですなー。さてまた『原発のない世界へ』(小出裕章 筑摩書房)から抜粋します。 

●再処理が必要という誤解
・すべての原発を止めたとして、全部始末するのにはどれくらいの時間がかかるか
 生みだした放射能のゴミもすべて始末するという意味ならば、100万年ですよ。
 (1966年から今日までに、日本の原子力発電所が生みだした核分裂生成物(死の灰)は広島原爆の120万発分。科学には放射能を放射能でなくするという力はないので、それが無力化するまで100万年に渡って背負っていかなければならない)

・すべての原発を停止させて、そのご地震や津波が襲ってきても事故を起こさない状態にもっていくには
 5~10年でしょうね。
 ある程度冷却をして崩壊熱を取り去りながら、いわゆる金属製のキャスクに入れて、空冷で冷やす。何が起きてもキャスクに入っている限りは大丈夫というやり方が、今は一番現実的でしょうね。
 再処理などまったく必要ないです。
 僕が再処理について話す時は、「これをやる目的は唯一プルトニウムを取り出すということだけであって、放射能に関しては何も処理することができない、そのまま残る」と説明します。
 再処理は最悪の放射能汚染源です。

 キャスクですが、次のようなものらしいです。
 原子力発電において、原子炉から取り出された使用済み核燃料を収納し、輸送するための容器。金属製の樽のような形状をしており、内部の使用済み核燃料を漏洩させないとともに、使用済み核燃料から放出される放射線を遮蔽するように設計されている。また、内部で発生する熱を適切に外に逃がし、臨界が起こることを防ぐ機能も求められる。

 人類がさ、死の灰に100万年も責任もてる?
 


日米原子力協定についての小出さんの対談から 3/3

2014-05-26 08:53:18 | 原発

 (ラジオフォーラムのブログhttp://www.rafjp.org/koidejournal/no31/ から、日米原子力協定について小出さんがラジオで対談したものを、自分なりにまとめたものです)

 日本はすでにプルトニウムを分離した形で45トンも持っていて、それは長崎原爆が4000発もできてしまうという量。
  しかし日本はすでに、「使い道のないプルトニウムは持たない」という国際公約をしているため、なんとしてもプルトニウムを燃やす(使う)しかないということで、無理に無理を重ねて、プルサーマルということをやらざるえない。
 再稼働を申請している原発のほとんどがプルサーマルできるものであるのはそのため。

  日米原子力協定は2018年に期限が切れるが、破棄するべきである。

*プルサーマル
 原子力発電所で使い終わったウラン燃料(使用済燃料)の中には、まだ燃料として再利用できる「プルトニウム」という物質が含まれている。この使用済燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、ウランと混ぜて新しい燃料(MOX燃料)をつくる。それを現在使われている原子力発電所(軽水炉=サーマルリアクター)で燃やし(核分裂させ)発電するのがプルサーマル。

 日米原子力協定の有効期間は30年で、2018年7月に満期を迎えるけど、有効期限の6か月前から文書で通告することによって協定を終了させることができるんだって。
 終了させようよ。
 しかし、こんなに大きなポイントなのに、ほとんど知らされていないと思う。私の勉強不足もあるけど、目につくように取り上げているメディアを見た記憶がない。原発は危険だというのや原発の仕組みなんかについてはたくさんの資料があるけど。
 隠したがるということは、それだけ重大だってことだよねえ。
 原発推進派は「日米原子力協定」があるから安心して原発反対派を無視してるんじゃないか。何かあったらアメリカが出てきてうるさいのを黙らせてくれるって。
 こんな協定があるってことをみんなに知ってほしいねえ。そして、協定を終了させようよ。


日米原子力協定についての小出さんの対談から 2/3

2014-05-25 09:07:40 | 原発

日米原子力協定についての小出さんの対談から 2/3

 (ラジオフォーラムのブログhttp://www.rafjp.org/koidejournal/no31/ から、日米原子力協定について小出さんがラジオで対談したものを、自分なりにまとめたものです)

 原子力発電所は天然のウランでは動かないため、濃縮という大変厄介なことをしなければいけない。一方、アメリカは原爆をつくるためのウラン濃縮工場をたくさん作りすぎてしまって、そこから出てくる濃縮ウランを処理しなくてはならない状態。
 そのためとにかく原子炉を売りつけ、燃料として濃縮ウランを売りつけることで金儲けをしたい。原子炉自体もアメリカがパテント(特許、特許権)を持っているので、売れば売るほど儲かる。
 ただし、アメリカ自身はゼネラルエレクトリック(GE)もウエスティングハウスも、すでに生産ラインを失っている。
 そのため日本の生産ラインを動かして、危険は日本任せで、利益はアメリカが取ろうとしている。
 国家としての思惑、企業としての思惑というのが複雑に絡み合って、日本の企業もすでにつくってしまった生産ラインがあるので、もう抜けることができないということで儲けることに走っている。

 「抜けることができない」というのはいいわけだよねえ。
 奴隷のいいわけ? 奴隷でいいわけ?
 抜け出そうよ。
 あたしゃ気が短いから「がたがた言ってんじゃねえや、さっさとやりやがれ。うだうだぬかしてっとケツ蹴り飛ばすぞ」って吠えたいぐらいなんだが、「気は長く、心は丸く、腹立てず」じっくりやってかんといかんか。ふう。


日米原子力協定についての小出さんの対談から 1/3

2014-05-23 10:00:10 | 特定秘密保護法

 5月18日からはじめた『原発のない世界へ』(小出裕章 筑摩書房)からの抜粋記事が、なんかあっちこっちに飛んじゃって読みにくくなってたらごめんなさい。
 日米原子力協定についての小出さんの発言を数回紹介してから『原発のない世界へ』に戻りますのでよろしく。


 日米原子力協定について小出さんがラジオで対談したものをみつけたので、自分なりにまとめてみました。ラジオフォーラムのブログhttp://www.rafjp.org/koidejournal/no31/ からです。ラジオ放送日は2013年8月10〜16日。

 原子力協定は、日米安全保障条約や日米地位協定などと同じく、日本がアメリカの属国になる枠組みをつくるもの。日本がアメリカに従っている限りは一定の自由を与えてやろうという協定。
 もともとは、アメリカも日本には核燃料サイクルはやらせたくなかった。核燃料サイクルは核兵器製造サイクルと言うべきもので、原子炉でできたプルトニウムを取り出すことが一番の眼目だから。
 でも、日本はなんとしても自力で核兵器をつくる力、技術的な能力を身につけておきたいと思い、その中心的な技術である再処理をやりたかった。日本が再処理に手をつけるということにアメリカは随分反対したが、それを押し切って了承を取り付けて1977年に東海の再処理工場を稼動させた。これは、日本が核燃料サイクルに踏み込むことができたということ。
 日本が属国である限り認めておいてやろうという原子力協定があり、その枠組みが維持できている限りは、アメリカは日本をその枠組みの中でそれなりの自由を与え、それを利用したいと思っている。
 アメリカは原子力発電所を売りつけたりすることで利益が自分の懐に入ってくるため、日本を逃がさないようにしている。
 ウーン、「飼い殺し」という言葉が思い浮かんだよ。
 アメリカが儲けるために日本を逃がさないための縛り、日本をコントロールするための縛り、それが日米原子力協定なんだねえ。


福井地裁で「大飯原発 運転認めず」の判決関連 2/2

2014-05-22 09:26:37 | 原発

 さて、今日の東京新聞に、差し止め訴訟で住民側が勝訴した前例の一つ、2006年3月に金沢地裁で北陸電力志賀原発(石川県志賀町)の運転差し止めを命じる判決を出した井戸謙一弁護士のコメントが出てました。簡単に抜粋します。
・福島第一原発事故後、司法も変わるだろうと思っていた。ようやく判決という形になった。
・過酷事故を目の当たりにし、裁判官も現実がわかった。国が必ずしもしっかり取り組んでいるわけではないと認識するようになった。
・国の基準にとらわれず裁判官が自分で考え、原発の危険性を判断した。

  裁判官ってそんなに意識が低いの?
 裁判官って現実を知らないの? 
 裁判官って“長いもの”に巻かれてるの?
 あ、そんなの常識でしたか、スンマセン。うへえ。
 でもさ、大変なことだよこれは。そういう裁判官がほとんどだってことも、まともな裁判官が出てきたってことも、両方において、ねえ。


福井地裁で「大飯原発 運転認めず」の判決関連 1/2

2014-05-22 09:24:48 | 原発

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)は地震対策が不十分だなどとして、「事故や放射線の被害による不安のない安全な環境を享受する権利を有している」と住民側が人格権と環境権に基づいて運転差し止め訴訟を起こしていた。
  それに対して、福井地裁の樋口英明裁判長は「(住民が)生命を守り生活を維持する人格権の根幹を具体的に侵害する恐れがある」として、21日、定期点検中の2基の再稼働を認めない判決を言い渡した。

 バンザイです、とりあえずでも。
 「とりあえず」ってどういう意味かって? だってさ、ほとんどの差し止め訴訟で、裁判所はこれまで「国基準は妥当で、適合していれば安全」という考え方で電力会社を勝たせてきたのよ。
 住民側が勝訴したのはこれで3例目だけど、前例は2つとも最高裁判所で住民側が敗訴しているのよ。
  今回も、関電は控訴するし、 菅義偉(すがよしひで)官房長官は同日の会見で、規制基準に適合すると判断された原発の再稼働を進める政府方針に変化はないとの認識を示したそうな。あーあ。
 でも今回の判決、内容がかなりいいのでぜひ検索して読んでみてください。


日米原子力協定が日本の原発をコントロールしているのね

2014-05-21 07:17:26 | 原発

 日米原子力協定についてふれている「真実を探すブログ」さんからほんの少し抜粋します。
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-507.html


 福島原発事故以降、首相官邸前など各地で盛んに脱原発デモや抗議運動が行われていますが、どんなに脱原発運動が大きくなろうとも、日本が本当の意味で脱原発を達成することはできません。
 何故ならば、「日米原子力協定」という協定で日本は大量の使用済み核燃料を「MOX燃料」や「核燃料サイクル」として使用しなければいけないと決められているからです。
 使用済み核燃料のアメリカへの返還、貸与燃料を目的どおり使用すること、使用記録を毎年報告することが明記されています。
 日本初の原子炉(JRR-Ⅰ、JRR-Ⅱ)を導入することが決まったのもこの協定によるもので、日本の原発を生み出した大本の原因がこの「日米原子力協定」と言うことなのです。

 「MOX燃料」は、使用済燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、ウランと混ぜたもの。
 「核燃料サイクル」とは、MOX燃料を高速増殖炉などで燃焼し、さらにそこからプルトニウムとウランを抽出して利用するもの。

 で、日米原子力協定の有効期間は30年で、2018年7月に満期を迎えるけど、有効期限の6か月前から文書で通告することによって協定を終了させることができるんだって。

 「日本が本当の意味で脱原発を達成する」には日米原子力協定を終了させればいい。自動更新させないように声をあげよう。
 脱原発派・反原発派でもこんな協定があることを知らない人がほとんどじゃないかなあ。

●「定年オジサンのつぶやき」ブログさんの2012年10月20日の記事も参考になると思います。
http://teinennojisan.seesaa.net/article/298225122.html


原発は「日米原子力協定」でコントロールされているって

2014-05-20 08:16:30 | 原発

 『原発洗脳』(苫米地英人 日本文芸社)を紹介した「『原発洗脳』抜粋その4」で、かいつまんで言うと
 “アメリカは、1951年のサンフランシスコ講和条約で日本を独立国の形にしつつ、同時に締結した日米安全保障条約で、核(原子力)を含めてコントロール下においた”
というような文章を紹介しました。
 日米安全保障条約の中に核(原子力)に関する条文があるんだろうなと思ったのですが、なんかもやもやして調べてみたら違ってました。
 日米原子力協定がポイントのようです。
 日米原子力協定について、ウィキペディアでは、
日米原子力協定は、1988年7月に発効した条約である。アメリカ合衆国から日本への核燃料の調達や再処理、資機材・技術の導入などについてとりきめている。正式名称は原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定
と説明しています。

 日米原子力協力協定の全文がでているのはこれ。
http://www.nsr.go.jp/activity/hoshousochi/kankeihourei/data/1320751_006.pdf


『原発のない世界へ』抜粋 2 原子炉は核兵器材料を生み出すためにこそ開発された

2014-05-19 15:52:48 | 原発

 原発推進派が原発やプルトニウムにこだわる理由について、小出さんはこう続けている。

 もともと原子炉はエネルギーを生み出すために開発されてのではなく、核兵器材料、プルトニウムを生み出すためにこそ開発されたものなのである。日本で「平和利用」と信じられている原子力発電が稼働すれば、原子炉の中には自然にプルトニウムが蓄積してくる。(その)プルトニウムは燃えるプルトニウムの割合が70%程度しかなく、優秀な核兵器製造には向いていない。そこで高速炉が登場する。なぜなら、高速炉が生み出すプルトニウムは燃えるプルトニウムの割合が98%というように、超優秀な核兵器材料となるからである。
 「プルトニウムは超危険な毒物である。高速炉は超危険な原子炉である。エネルギー問題の解決にも対して役立たない。それでも、優秀な核兵器を手にするためには、なんとしても高速炉を動かさねばならない」と考える人たちは、いつの時代にも、どこにでもいるのである。

  うへえ。
 この説明で、4月9日に書いた「『原発洗脳』抜粋その4」を思い出したので、ちょっと寄り道になるけど、次回はそれにかかわることについて書きます。


『原発のない世界へ』抜粋1 ウランは大変貧弱な資源なんだ!

2014-05-18 10:17:44 | 原発

『原発のない世界へ』(小出裕章 筑摩書房)から抜粋します。 

●エネルギー問題と原子力
 私自身も原子力に足を踏み込んではじめて知ったのであるが、ウランという資源は、利用できるエネルギー量に換算して、石油に比べて4分の1、石炭に比べれば100分の1程度しか存在しないという大変貧弱な資源なのであった。「原子力は近い将来、燃料がなくなるので、化石燃料を使い続けるしかない」というのが、むしろ正しい表現なのである。
 従来の原子力で利用できるウランはウラン全体のわずか140分の1の「燃えるウラン」と呼ばれるものだけであった。しかし「燃えないウラン」を「プルトニウム」に変換できれば、その「プルトニウム」もまた原子力の燃料として利用できるというのである。いや、もう少し直截に言ってしまえば、原子力とは「プルトニウム」を利用できるようになってはじめて意味のあるエネルギー源になるのであって、それができなければ、ごく短期間で枯渇してしまうエネルギー源なのであった。
 「プルトニウム」の利用ができたとしても、その暁に利用できるエネルギーの総量は、ようやく石油に匹敵する程度のものでしかなく、いずれにしても原子力が化石燃料を超えるエネルギー源となることはありえない。

 えー! ウランって資源量が少ないうえにエネルギー源として利用できる量がものすごく少ないんだ! 
  おまけにプルトニウムってとっても危険なんだよね。100万分の1グラムで肺ガンを引き起こすし、「燃えないウラン」を「プルトニウム」に変換して利用するためにはとっても危険な高速増殖炉を動かさなくちゃいけない。
 高速増殖炉って、他の国は危険性を乗り越えることができないために開発放棄してる。なのに日本は高速増殖炉「もんじゅ」を手放そうとしない。
 なんでそんなに原発にこだわるんだ??? って思わざるをえないよねえ。
 その理由は次回に。


京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さん

2014-05-17 11:01:04 | 原発

 ずっと前から原発反対を表明し、

 私自身は原子力をを即刻やめるべきだと思っている人間ですので、確かに政府や電力会社は原子力発電を進めようとしているわけですけれども、なぜそんなことになるのか、さっぱりわかりません。
 (福島の原子力発電所の事故)が起きたんだから、もういっさい原子力は使わない、という決断をするのが私にとってごくごく当たり前のことなのですが、そうならないのですね。

 と発言している京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんは、仕事などに圧力やさしさわりがないんだろうか  と気になっていたのですが、次のような説明がありました。

 京都大学原子炉実験所というのは、みなさんは原子力を進めるための研究所だと思っているようだけれど、まったく違います。大学ですからファンダメンタル(基本的)な学問をするところで、物理学だ化学だ生物学だということをやっている。その中で、中性子という素粒子をつかいたい研究者が集まった。中性子を使うためには原子炉を建てればいい。須磨理、原子炉は単に中性子を出す道具として作られただけなのであって、原子力を進めようなどという動機は元からないのです。僕みたいな人間が原子力に反対だと言ったところで、迫害を受けたことはないです。

  そうだったのか。よかった。

 で、次回から上に引用した文章が載っている『原発のない世界へ』(小出裕章 筑摩書房)を紹介します。


『フツーの子の思春期 心理療法の現場から』

2014-05-13 10:57:13 | 本や言葉の紹介

 スクールカウンセラーの岩宮恵子さんって、読みがとても深くて、岡崎玲子さんのマンガ『陰陽師』をときほどいてくれたときには愕然とするほどでした。その岩宮さんが、

 今までの本では、クライエントの自分についての深い語りからの発見やイメージ表現を通じて、「深層」で動きだした力が現実への変化につながっていくプロセスについて考えていた。しかし今回は「表層」でのエピソードにとことん注目することで見えてくるものを中心に考えてみたのである。何せ、「深層」に至らない…いや、もしかしたら「深層」などという内面がないのではないかと思わされるような思春期の子たちともこれから会い続けるためには、このようなことを考える必要を感じたのである。
 思春期がある種の迷宮に入り込む時期であるのはいつの時代も変わらないが、トラッドな「ふつう」の思春期と今時の「フツー」の思春期の迷宮の違いについて、ここで一度立ち止まって考えておくことが、これからの自分の臨床を考えるうえで切実に必要だったのである。

 として著述したのが『フツーの子の思春期 心理療法の現場から』(岩波書店)。
 「思春期と超越体験」の章から抜粋します。

 特別な能力や、才能があるわけでもなく、日常の適応を崩すほどの大きな困難を抱えることもない自分を受け入れていく……というプロセスは思春期の大切なテーマである。普通の人間に与えられた使命は、当たり前の日常を誠実に暮らすことなのだ。いつまでも「特別な自分」への憧れから自由に慣れないと、子のプロセスがとてつもなく困難になっていく。

 思春期の子どもは、自分は異質な人間であり、特別な能力があるのだというイメージをもつことも多い。

 中途半端な異能性や異質性の自覚が、日常と接点をもった現実的なレベルで投影されると、このように芸能界への憧れという形で出てくることがある。その一方で、この異能性や異質性の感覚が、問題行動の形をとって出てくることもある。自分の異質性に見合った言動を日常の中で行ってしまうと、それは大きく日常の常識を揺るがすことになるのだ。

 思春期の異界体験は言語化が困難であるため、表面から見た言動の非常識さのほうに目も心も奪われがちである。しかし思春期の子どもをめぐるさまざまな問題に向かいあうときには、この世の常識的な観点を押さえた上で、このような視点を加えて理解の方向性を考えていくことが、大人の側には必要となるように思う。

 本当にそうだなあ。それと、今は勉強やスポーツなどで「特別な存在でなくてはならない」という親などからの期待で苦しんでいる子も多いんじゃないかしら。
 それはさておき、岩宮さんは

 さまざまなことで悩み、葛藤したのが思春期の自分だった……という遠い記憶をもつ大人が、目の前の子どもを自分の思う「ふつう」の子の思春期のパターンに当てはめて考えようとしても、それが通用しない子が増えてきている。

とも書いているけど、岩宮さんがあげている“ふつうの思春期のパターンが通用しない子”の例って、私は「そうなんだよねー!」ととっても納得したんだわ。ウーン……。


猫、半日入院

2014-05-09 18:35:18 | 犬猫

 幸太君、インスリン注射後の血糖値の推移を調べる検査で半日入院でした。
 1泊の予定でしたが、4月18日に書いたように1泊だと帰ってきたときに足が立たなくなってしまう。獣医さんに相談したら、「インスリンも効いているようだし、半日入院で検査してみましょう」ということになりました。
 今日は行き帰りとも途中でのおもらしがなくてよかったよかった。
 検査結果血糖値が下がりにくくなっているのがちょっと気になりますが、おおむね良好でよかったよかった。
 9時から夕方6時までの9時間の入院だったけど、残念ながら歩行がおぼつかなくなっていました。特に手首が両方とも内側に曲がった状態で、いうならば手首で歩いてしまう。
 半日でこれだから、1泊入院にしなくてよかった、本当によかった。
 来月も半日入院します。
 犬のハルトのほうは、チッチが出てくれるようになり、ンチもいい状態。あーよかったよかった。


ハルト、尿検査は異常なし

2014-05-08 10:18:39 | 犬猫

 やっと採尿できたので病院へ。
 ちょっと濃度が薄いけど、ほかは異常なしとのことだったのでほっとしました。
 ということは今のところ膀胱結石はOKなのね。じゃあ、ご相談。
Q 膀胱結石予防用のエサphコントロールを、肝臓対策用に変えるほうがよいでしょうか。
A その必要はないでしょう。

Q 前回うかがったときは肝臓用のサプリメントがあるとのことでした。検査結果からするとサプリより薬のほうが必要だと思うのですがいかがでしょうか。
A 下痢の症状がおさまったら肝臓用の薬とサプリを使うことにしましょう。

 ということで、1週間ぐらいしたら肝機能改善薬「ウルソ」と、サプリメント「SAM-e」を服薬することをすすめられました。
 さて、どうなることやら。よい方向に行きますように。