ふうるふうる・たらのあんなことこんなこと

いろんなできごとを面白がってしまおうと思っています。
日常のあれやこれや記事です。

「汗荒れ」にハーバルウォーター

2014-07-30 07:41:59 | お役立ち

 夏はあっついだけじゃなくて皮膚がチクチクと痛がゆくなるのがツライのよ。
 シャワーのあとにタルカムパウダー(ベビーパウダー)をはたいておくとしばらくは楽なんだけど、汗で湿ってくるととたんにチクチク。
 あせもかなあと思っていたのですが、「汗荒れ」という言葉を最近知り、調べてみたところ、次のようなことがわかりました。

●あせもと汗荒れの違い
 あせもって、皮膚の汗腺の中に汗がたまり、汗がうまく発汗されずに皮膚の内側に染み出してしまっておこるもので、肌が炎症を起こしあかくなったり痒み、ヒリヒリ感が出る。
 汗荒れは、汗に含まれる塩分やアンモニアなどが肌を刺激し、肌が荒れてかゆみや炎症がおきたり湿疹が出るもの。汗による肌荒れなので「汗荒れ」と言うみたい。
  かいたばかりの汗は弱酸性で、皮膚の保湿と殺菌をしてくれるけど、放置するとアンモニアが発生して肌荒れの原因になるんだって。
●肌のバリア機能を保って予防する
 汗荒れは、乾燥などで肌のバリア機能が低下するとおこりやすい。
 せっけんやボディーソープを使いすぎると、皮膚を乾燥から守る肌の成分を落としてしまう。
 ゴシゴシと肌を強く洗いすぎるのもよくない。
  だから、汗をかいたらシャワーで流したり、ぬれタオルやアルコールを含まないウエットティッシュで拭き取りましょ。
 吸水性と速乾性のある素材の肌着に汗を吸収させるのもよい方法。
 衣服で肌がこすられるのもよくないので、締め付けが少なく、通気性のある服を選ぶほうがいいって。
●夏も保湿が必要
 乾燥する冬だけじゃなく、夏も保湿が重要で、肌の表面に適度な水分と油分を与えて肌のバリア機能を保つ、整えることがポイント。
 だから、汗を落としたあとはローションやクリームで保湿をして適度な潤いを与えることを心がけるとよいそうです。

 そこでひらめいたのが「ハーバルウォーター」(ハーブウォーター、フローラルウォーター)でした。
  これはアロマセラピーで使う精油(エッセンシャルオイル)水蒸気蒸留法で抽出するさいに得られる水(芳香蒸留水)で、微量の精油成分を含みます。
 使ってみたら大正解。持っているのがオレンジとローズの2種類ですが、両方ともかゆみを抑えてくれました。
 ばんざーい。

 ついでにですが、昨日は猫の幸太君の半日入院で、血糖値がとても安定しているとの結果が出ました。ばんばんざーい。  
 ありがとうございます。


サバイバーとスライバー 2/2 スライバー

2014-07-25 07:23:35 | 本や言葉の紹介

 『斎藤学講演集Ⅲ 心の傷の癒しと成長』(ヘルスワーク協会)「第3章 サバイバーからスライバーへ」の「◆サバイバーとスライバー、それぞれの特徴」から抜粋。

●スライバーの特徴
 スライブした人、スライバーとは、自分を「サバイブしてきた」と言う必要がなくなった状態の人です。
 その特徴は、まず一人でいられること。寂しさが出てきても、その寂しさと共存できる、耐えられることです。

 親のことに気をつかわなくなる。

 自分に優しい。自分のあるがままでいいと思い、自分を受け入れているから優しい。
 失敗に終わっても次があると考える。そのように宿命づけられているとは考えません。

  他人の期待に操られません。
 自分に優しい人は、他人の期待にばかり添えません。

 自分で選んで決定するので、それを宿命とは思いません。
 自分で選んで自分で結果を取るのだから、当然、他人を責めることが少ない。ですから、失敗から学習することができます。

 自分に優しい人は、他人にも開かれた雰囲気を身につけています。(だから)いつのまにやら大勢の「親しい人」が自分を取り巻いているのに気づく。

 斎藤さんはホームページの「斎藤学メッセージ」の「マリの物語」http://www.iff.co.jp/ssworld/mssg/mssg_6.html
のなかでサバイバーとスライバーについて書いているので、興味のあるかたはそれを読んでみてください。

  


サバイバーとスライバー 1/2  サバイバー

2014-07-23 07:16:26 | 本や言葉の紹介

 スライバーという言葉を知ったのは、斎藤学(さいとうさとる)さんの『斎藤学講演集Ⅲ 心の傷の癒しと成長』(ヘルスワーク協会)からでした。
 それまで、スライバーという言葉を知らなかったので、“自分はサバイバーである自分に気づき、なんとか生き抜いているんだなあ”と思っていましたが、この本を読んで、“自分はサバイバーとして何とか生き抜いてきて、スライバーになっていったんだなあ”と思いました。
 「第3章 サバイバーからスライバーへ」の「◆サバイバーとスライバー、それぞれの特徴」から抜粋します。

●サバイバーの特徴
 サバイバーとは、ある種のエピソード記憶のかたまりが自分の現在の生活にいろいろな影響を及ぼしている、ということを認知した人のことです。私が今このようであるのは、これこれこういう心的外傷のためである――「このよう」というのはだいたいネガティブなことで(中略)、一言で言うと「生きにくい」と言うことです。こう認知した人がサバイバーです。
 その特徴は、まず心身の病気です。

 記憶や記銘の障害が起こっているのがサバイバーの特徴です。人生のどこかの時点を覚えていない、あるいは思い出せても、それが自分の体験のように感じられない、ということが認められる場合が多いのです。

 行為の障害としては、特に子ども虐待が多い。
 (たとえば、いつも緊張していなくてはいけない子ども時代をすごしていた場合、自分の子どもが安心しきって寝ていたりすると、そんなに安心して寝ていていいのかという思いや、過去の痛みがよみがえってものすごい怒りになり、子どもを虐待してしまう。) 
 自分の子ども時代を、自分の子どもに投影するわけですね。

 それから時間感覚の障害。

 大人の生活の中に子どもの情緒体験が顔を出してしまうということは、むしろふつうに見られます。
 たとえば、非現実的な完璧な自分をイメージする。(大人は)「自分は、このくらいだな」というふうにあきらめがつくわけですが、子どもはそうはいかない、完璧でなくちゃいけないと思うわけです。あるいは誰かが自分を批判するので一生懸命その人の期待に応えて、批判を避けようとする。要するに子どもの心性が大人の生活の中に顔を出してしまいます。

 自分に対する評価が低すぎるので、自分に近づいてくる人は、私を利用しようとする人、あるいは自分の本質を理解できない馬鹿者と考える。ですからサバイバーは自分を愛してくれる人に辛辣です。
 サバイバーには心を許す親友がいない、あるいは乏しい。「孤独で寂しい」というのもサバイバーの特徴です。 


 うーん、そうなんだよねえ。


ひと皮むけた?

2014-07-20 08:42:33 | よもやま話

 昨日午後から断食後の回復食をはじめました。
 とてもショックなことが重なったこと、体調がなんかずれてる感じがしていたこともあり、3日間の本断食をしてみたのですが、本当にやってよかった。すっきり。
 「あ、そういうことね」と引っかかりを解消できました。体調も整い、食の乱れを整えるチャンスにもなりました。
 数日前に足裏角質取りパックをした効果も現れて角質がきれいにはがれてくれました。 
 なんかね、心身共にひと皮むけた感じ。ほんとにそうならいいなあ。
 夜の滝のような雨が、すばらしい浄化の雨になってくれました。ありがとうございます。    

 心にとても引っかかるような、心がとても痛むようなことがおきるのって、何かしらの気づきを与えてくれるチャンスだけど、ふだんからちゃんとやっていけてたらこんな大きなカミナリを落とされなくてすむんだろうなあ。ちょっとトホホ。
 「もうちょっとなんとかならんかのー」とお尻を叩かれているのかなあ。ハイ、反省しました。


子猫の命を取りこぼしてしまった

2014-07-13 14:16:22 | 犬猫

  昨夕、3カ月ぐらいの子猫を拾ってしまった。目があまりあかず、鼻水だらだら。ウンチがしっぽなどにこびりついている。
 ぐったりと、腕の中でおとなしくしている。野良猫とは思えないぐらい。
 ぎりぎり動物病院の診察時間に間に合ったので連れて行って検査。下痢便からコクシジウムと回虫が寄生していることが判明、脱水症状あり、たぶん猫風邪をひいている、ノミとダニがいっぱい等々。
 「できるかぎりのことはしたやりたいです。入院が必要だと思う」とお願いしたら、「感染のリスクがあるのは受け入れたくない。今日から院長が出張のために夜間は誰もいなくなるから、夜の間は面倒見られないから入院は無理」と拒否されてしまった。
 “えっ、じゃあ感染症の犬猫たちは受け入れないってこと? 何のために動物病院はあるの? 獣医さんは5人ぐらいいるのにローテーションできないの?”と思ったが、事を荒立てるわけにはいかないから言わなかった。先方にも言い分があるだろうし、言い合いになっちゃいけないし。
 「うちの犬猫にコクシジウムを感染させないためにもこの子猫を隔離する必要があるが、その用意をするため一晩入院させてほしい。明日中に準備するから」と何度も頼み込んで引き受けてもらえることになった。
 そして今朝8時過ぎ、死亡したとの電話をもらう。
 引き取りに行って聞いたのは、“好意で遅くまで病院に残ってくださった先生がいた”そうで(その先生が面倒を見てくださったらしいが)、昨夜11時ごろに死亡したとのこと。
 駆虫薬を飲ませ、治療のための注射や点滴をし、ノミの駆除のためにフロントラインをつけてといろいろやっていただいた。エサを強制給餌したらいやがっていたって。「もう、食べる元気もなかったんでしょう」って。
 推測できる死因について尋ねたら、「あまり食事をとれていなかったようだし、体力がもたなかったのでしょう」とのこと。
 くやしい、悲しい。もしかしたらと覚悟をしていたところはあるけど、それは万が一のことぐらいで、勝てる勝負だろうと思っていた。猫の幸太にも犬のハルトにも「子猫が来るからよろしく」と説明&説得していた。甘かった。

 布でくるまれても、抱えられても、いやがれないぐらいつらかったんだろうか。最後に痛い思いやイヤな思いをさせてしまって、安らかに逝かせてあげられなかったんじゃないか。心が痛む。ごめんなさい。
 もしまた生まれて来ようと思うなら、幸せに長生きできるように生まれてください。
 もういいやと思うなら、輪廻からはずれられることを祝福するよ。

 
 くそっ、自分でも思いがけないぐらい涙が出て、頭が痛い。命を取りこぼしてしまってくやしい。まにあわなくってくやしい。
 
 グチ、悲しいことを書いてしまった。みっともないけど吐き出してしまった。美しくない言葉を使ってしまってすみません。
 読んじゃって気分を悪くしたかたがいたらごめんなさい。


おじさんの悲鳴じゃないわよ!

2014-07-10 06:50:15 | 犬猫

 低音で、うおぉぉぉー、あおーうぅー、わーう、あおあおー、う゛ぁうー、悲鳴のような高音で、ひゃおう、ひーいぃー等々、多彩な吠え声を誇るハルト。誇るな、こら。

 実際にハルトの吠え声を聞いたかたが、「あやしい声だねー」「中年おやじがいじめられて悲鳴をあげてるみたいだー」と大笑いしてました。
 「夜にこんな声聞いたらぎょっとしてヘンな詮索しそう。ぷぷぷ」 だって。

 だからさ、吠えはじめたらすぐになだめるわけよ、コワイものはいないよ、ほえないでねーって。で、夜は何度も飛び起きるはめになってろくろく眠れない。
  中年おじさまをいじめて悲鳴をあげさせてるんじゃないのよ。
 悲鳴をあげてるのはワタシのハートだわよ。

 あんたが吠える理由がわかったらやりようがあるかもしれないのに、わからなくてごめんよ。
 でもね、雷が鳴るのはワタシのせいじゃないのよ、大風が吹くのはワタシのせいじゃないのよ、雨が降るのはワタシのせいじゃないのよ、ごはんを無制限に食べられないのはワタシのせいよ。すまんのう。
 
  もしかして、日本のきな臭い政治やヘンな流れに悲憤慷慨の声をあげているのか?
 そういうわけなら、このところ吠える時間が急増してるのが納得できるけどのう。うーむ。


本音のコラム執筆者から 4/4

2014-07-04 07:26:51 | 集団的自衛権の行使容認

   作家の楊逸(ヤンイー)さんは、1950年に起きた朝鮮戦争時の中国政府の例をひいている。アメリカが参戦したために「真の狙いは中国だ」と恐れた中国政府は、「唇亡歯寒」(唇を失えば、歯が凍えてしまう)ということわざを使い、隣国朝鮮を失えば中国があぶないと宣伝して人民を戦争に動員した。このことを踏まえて、次のように言っている。

 今回、日本の「武力行使の三要件」である「わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより、わが国の存立が脅かされ……」と同工の異曲ではないか。

 歴史の真相なんて、国家権力が絡むとわからなくなる。だが、「唇亡歯寒」の宣伝文句によって、国を守る一心で、大勢の中国兵が命を落としたのは事実だ。
 権力の宣伝文句には、往々にして別のたくらみが伴っている。

 また、東京新聞の特別報道部長・大場司さんは戦前に活躍した映画人、伊丹万作の「戦争責任者の問題」という一文から引用して次のように言っています。

 伊丹は「だますものだけでは戦争は起きない。だますものとだまされるものとがそろわなければ戦争は起きない」と記しています。
 先の戦争が終わって、皆が「だまされていた」と口をそろえることへの違和感から一文を説き起こした伊丹。
 「だまされたといつて平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるであろう」とも。

 うーん、原発も「だまされた」ものの一つだなあと思ってしまった。でも、だまされたなんて言ってちゃいけないよね。
 大場さんはまた、次のようにも言っている。

 安倍政権がいかに憲法解釈を変えようとも、最終的に責任を負うのは、主権者である国民一人ひとり。
 だまされたいと思っている人はいません。私たち次第です。

 うん、これもほんとだねえ。安倍政権、政府与党が憲法9条の精神を「廃棄処分」したのなら、復活させるように動こう。

 あー、もう、くっだらないこと書いてダハダハ笑っていたいのに、真面目なことばっかりになっちゃうじゃないのさ。 
 世の中どうなってるんじゃ。ヘンだよ。ガッビーン。


本音のコラム執筆者から3/4  戦争はやめにくい

2014-07-04 07:23:18 | 集団的自衛権の行使容認

  法政大学教授の竹田茂夫さんのコラムから抜粋します。

●殺し殺される情景
  戦争を始めたら、想定外の連続でおいそれとはやめられない(ベトナム戦争やイラク内戦を見よ)。戦争の霧の向こうに、日本人が殺し殺される情景だけは見通すことができる。

 (国民が徴兵制を承知しないなら)非正規層から志願兵を募るのだ。生殺しの非正規で働くより、戦争がしたいと言ってのけた若者がいた。命を削るのは職場か戦場か、究極の選択だ。
 さらに戦争の外注も得策で、民間軍事会社や軍需産業を成長戦略で支援すれば、財界は大喜びだろう。
 原発、戦争、時間外ただ働きが新しい三本の矢だ。


 ヤな矢だねえ……なんてだじゃれを言ってる場合じゃないわい。


本音のコラム執筆者から2/4  民意が後押し

2014-07-04 07:19:57 | 集団的自衛権の行使容認

  看護師の宮子あずささんのコラムから抜粋します。

●新たなうねりを
  専守防衛から大きくそれうる今回の閣議決定は、自民党を大勝させた民意が後押ししたものである。「決められる政治」を選んだ段階で、面倒な議論や思索は放棄されている。あまりにお手軽、このカジュアルな改憲こそ、民意にほかならない。

 でも、閣議決定は所詮、閣議決定。あえてそう思うことにする。カジュアルな再改憲の道は開かれている。大事なのは新たなうねりの作り方。きっぱりしすぎたスローガンに頼らない、実のあるつながりを求めたい。

自民党を大勝させた民意が後押しした……
再改憲の道は開かれている……うん、やらなきゃ


本音のコラム執筆陣から 1/4  大国と結託して他国に戦争をしかける権利

2014-07-04 07:14:03 | 集団的自衛権の行使容認

 7月2日の東京新聞朝刊で、「本音のコラム」執筆者全員が「集団的自衛権行使容認に物申す」というテーマで書いていました。
 その中から、まずは文芸評論家の斎藤美奈子さんのコメントを全文紹介します。

●代償は大きい

 しまった。解釈改憲なんてマヤカシの用語を言われるままに使うんじゃなかった。集団的自衛権の行使とは「大国と結託して他国に戦争をしかける権利」のことだと、もっとハッキリいうんだった。
 政府与党は憲法9条の解釈を変えたのではない。9条を「廃棄処分」にしたのである。
 それでどうなるの?
①国内の都市がテロの標的となる。
②テロ対策に莫大な予算と人間が割かれる。
③必然的に福祉予算は削減される。
④海外、特に中東での企業活動や非営利活動がしにくくなる。
⑤対中、対韓関係はさらに悪化し、東アジアの緊張が高まる。
⑥自衛隊員に死者が出て、士気が下がる。
⑦応募者が漸減し、徴兵制が現実味を帯びる。
⑧デタラメな法の解釈を許した以上、もう法治国家ではない。
⑨国民の合意なく決定した以上、国民主権はないも同然。
⑩学校で教える憲法の三原則もうそになる。
 半世紀以上かけて築いた「戦争をしない国」のブランドをむざむざ捨てた代償は、私たちに跳ね返ってくる。どこか遠い戦地の話じゃないのである。

 まったく!!!
  「大国と結託して他国に戦争をしかける権利」、徴兵制が現実味を帯びる、デタラメな法の解釈を許した以上、もう法治国家ではない、国民主権はないも同然、憲法の三原則もうそになる……。
  半世紀以上かけて築いた「戦争をしない国」のブランドをむざむざ捨てた!!!
 まったくもう……


「戦争絶滅受合法案」再び

2014-07-03 11:32:18 | 集団的自衛権の行使容認

 2013-05-17に書いたものですが、再掲載します。

 「戦争絶滅受合(うけあい)法案」というものをご存じでしたか?
 私は井筒和幸映画監督が東京新聞「いいたい放談」に書いているのを読んで知りました。
 これ、20世紀はじめごろにデンマークのフリッツ・ホルム陸軍大将が起草したということで、長谷川如是閑が雑誌『我等』(1929年1月号)で紹介しました(もしかしたら長谷川如是閑の創作かもしれないとも言われています)。
 さて、フリッツ・ホルムは「各国の議会に送付し、この法案を成立させれば、世界から戦争がなくなることは受け合いだ」と言ったそうです。

「戦争絶滅受合法案」

「戦争行為の開始後又は宣戦布告の効力の生じたる後、十時間以内に次の処置をとるべきこと。即ち下の各項に該当する者を最下級の兵卒として召集し、出来るだけ早くこれを最前線に送り、敵の砲火の下に実戦に従わしむべし。

一、国家の元首。但し君主たると大統領たるとを問わず、尤も男子たること。
二、国家の元首の男性の親族にして十六歳に達せる者。
三、総理大臣、及び各国務大臣、並びに次官。
四、国民によって選出されたる立法部の男性の代議士。但し戦争に反対の投票を為したる者は之を除く。
五、キリスト教又は他の寺院の僧正、管長、その他の高僧にして公然戦争に反対せざりし者。

 上記の有資格者は、戦争継続中、兵卒として召集さるべきものにして、本人の年齢、健康状態等を斟酌すべからず。但し健康状態に就ては召集後軍医官の検査を受けしむべし。
 以上に加えて、上記の有資格者の妻、娘、姉妹等は、戦争継続中、看護婦又は使役婦として召集し、最も砲火に接近したる野戦病院に勤務せしむべし。」
 
 つまり、戦争が始まったら10時間以内に、一から五にあげた者たちから年齢や健康状態に関係なく最下級の兵卒として招集し、一番危険なところへ行かせて実戦に参加させるというもの。
 第一に国家元首、第二に国家元首の男性親族で16歳以上の者、第三に総理大臣、国務大臣、次官。大臣はみんな行くことになります。官僚のトップも行かなくてはなりません。
 第四は国会議員。ただし戦争に反対したものは除外。第五は宗教のトップ、管長、高僧で戦争に反対しなかった者。
 これらの者たちに加えて、それぞれの妻、娘、姉妹等を看護婦や使役婦として最前線の野戦病院で勤務させる。

  もうねえ、こんなの当たり前に各国で制定してほしいよ。
 ノーブレスオブリージュという概念をつきつめて、それを法制化したらこうなるんだろうね。
 ノーブレスオブリージュって、ウィキペディアでは

「高貴さは(義務を)強制する」を意味し、日本語では「位高ければ徳高きを要す」などと訳される。一般的に財産、権力、社会的地位の保持には責任が伴うことを指す。

 貴族制度や階級社会が残るイギリスでは、上流階層にはノブレス・オブリージュ(英語ではノーブル・オブリゲーション)の考えが浸透している。第一次世界大戦で貴族の子弟に戦死者が多かったのはこのためであり(皆志願して従軍した)、フォークランド戦争にもアンドルー王子などが従軍している。
 日本においても、戦前の皇族男子は基本的に軍務につくことになっていた。しかし日本ではノブリス・オブリージュの精神は馴染みが薄いもので、一般富裕層は大事な子供を危険な軍務に就かせる事を嫌って徴兵を忌避するため大学に行かせるなどした。また、若者も厳しい軍隊生活を嫌って大学に入ることを望み、太平洋戦争になっても殆どの大学生は志願せず学徒出陣が実施されるまで戦地に赴かなかった。文系では徴兵されることとなったため、学徒出陣が始まってからは理系学部の受験数が激増したという。

  と解説されているけど、「権力・地位・財産の保持者には社会的責任が伴う」なんてこと夢にも思わないような「第一~五に該当する者」は、戦争が始まったらまず戦場の最前線に行って殺し合え、家族も最前線へ、ということになったら、わが身大事で戦争なんか起こせないよね(そこをなんとか逃れるのが権力と財産を持っているものなのかもしれないけどさ)。
  戦争の時には国家元首をはじめとする権力者たちや支配者たちは戦場に行かず、安全なところにいて、命令を発し、実際の殺し合いをするのは徴兵された国民。
 これって、原発事故でも同じだよね。「戦争絶滅受合法案」にならって、「原発事故受け合い法案」をつくりたいよ。


集団的自衛権関連記事 4/4 他国のため武力「先制攻撃」

2014-07-03 08:57:22 | 集団的自衛権の行使容認

戦争の歯止めになるのか 3要件 他国のため武力 「先制攻撃」
2014年7月3日 東京新聞朝刊

Q 安倍首相は自衛隊の創設、日米安保条約の改定、国連平和維持活動(PKO)への参加を挙げて、集団的自衛権の行使容認後も「平和国家の歩みは変わらない」と言いました。

A 憲法の縛りの中で自衛隊を活用してきたから平和国家なのです。閣議決定と次に控えた法律の改定により、武力行使を目的として海外の戦争に自衛隊を派遣できるようになれば、平和国家の歩みから大きく逸脱していくのです。

 日本が攻撃された場合だけ武力行使する自衛隊と、日本は攻撃を受けていないのに他国のために武力行使する自衛隊。両者は別次元です。「専守防衛」と「先制攻撃」では天と地ほどの開きがあります。

Q 安倍首相は「外国を守るため日本が戦争に巻き込まれるという誤解があるが、あり得ない」とはっきり言いました。

A 攻撃を受けてもいない日本から攻撃を仕掛けるのです。その攻撃が「少しだけ」であっても、それで収まるかどうかを決めるのは、日本が攻撃をした相手国です。巻き込まれる事態は「あり得ない」と言って思考停止させているので、政府は何も対応策を考えていないのかもしれません。

 憲法九条という最強の防波堤を破壊すれば「戦争をする国・できる国」になるのは分かりきったことです。

 昨日(7月2日)の東京新聞朝刊1面に「戦後69年 憲法9条の危機」のタイトルで論説主幹が書いているけど、その最後の言葉が、

 憲法九条の平和主義は過去の反省と謝罪であると同時に世界の共存共栄を求めての未来へのメッセージでもある。九条こそ最高の安全保障だ。

 です。憲法9条のねじ曲げ解釈はだめ。憲法改悪もだめ。
 もしやるなら、「戦争絶滅受合法案」を成立させてからだぜ。


集団的自衛権関連記事 3/4 秘密保護法下で武力行使

2014-07-03 08:55:26 | 集団的自衛権の行使容認

秘密保護法下で武力行使 根拠示さず決定も
2014年7月2日 東京新聞朝刊

 安倍内閣は特定秘密保護法の成立から七カ月で、集団的自衛権の行使容認を閣議決定した。秘密保護法は国民の「知る権利」を侵す恐れが強く、安全保障政策をめぐる政策判断の議論を非公開にできる。政権が集団的自衛権に基づき、武力行使を伴う自衛隊派遣を決定する場合、最も重要な根拠が「ブラックボックス」になって国民に知らされない可能性が高い。
 秘密保護法は、防衛や外交など四分野のうち「国の安全保障に著しい支障を及ぼす恐れがある」と判断した情報を特定秘密に指定し、公開を拒否できる。
 関連情報を公開すれば「安全保障に著しい支障」が生じると判断し、特定秘密に指定するのは確実。そうなれば、国民は派遣決定の理由を見られない。

 つまり国民は理由も知らされずに戦争に突入させられていくってことだ。 
 やっぱり特定秘密保護法はいらない。


集団的自衛権関連記事 2/4 9条破棄に等しい暴挙

2014-07-03 08:53:17 | 集団的自衛権の行使容認

9条破棄に等しい暴挙 集団的自衛権容認
2014年7月2日東京新聞朝刊

 政府がきのう閣議決定した「集団的自衛権の行使」容認は、海外での武力の行使を禁じた憲法九条を破棄するに等しい。憲政史上に汚点を残す暴挙だ。
 再登板後の安倍晋三首相は、安全保障政策の抜本的な転換を進めてきた。政府の憲法解釈を変更する今回の閣議決定は一つの到達点なのだろう。

 昨年暮れには、外交・安保に関する首相官邸の司令塔機能を強化する国家安全保障会議を設置し、特定秘密保護法も成立させた。外交・安保の基本方針を示す国家安全保障戦略も初めて策定した。
 今年に入って、原則禁じてきた武器輸出を一転拡大する新しい三原則を決定。今回の閣議決定を経て、年内には「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)も見直され、自衛隊と米軍の新しい役割分担に合意する段取りだ。

 安保政策見直しは、いずれも自衛隊の軍事的役割と活動領域の拡大につながっている。

 一連の動きは、いずれ実現を目指す憲法改正を先取りし、自衛隊活動に厳しい制限を課してきた九条を骨抜きにするものだ。このことが見過ごされてはならない。

 安保政策見直しが、日本の平和と安全を守り、国民の命や暮らしを守るために必要不可欠なら、国民の「理解」も進んだはずだが、そうなっていないのが現実だ。
 正規の改正手続きを経て、国民に判断を委ねるのならまだしも、一内閣の解釈変更で行われたことは、憲法によって権力を縛る立憲主義の否定にほかならない。

 終戦から七十年近くがたって、戦争経験世代は少数派になった。戦争の悲惨さや教訓を受け継ぐのは、容易な作業ではない。
 その中で例えば、首相官邸前をはじめ全国で多くの人たちが集団的自衛権の行使容認に抗議し、若い人たちの参加も少なくない。

 抗議活動に直接は参加しなくても、戦争や日本の進むべき道について深く考えることが、政権の暴走を防ぎ、わたしたち自身の命や暮らしを守ることになる。

◆国会は気概を見せよ
 自衛隊が実際に海外で武力が行使できるようになるには法整備が必要だ。早ければ秋に召集予定の臨時国会に法案が提出される。
 そのときこそ国権の最高機関たる国会の出番である。政府に唯々諾々と従うだけの国会なら存在意義はない。与党、野党にかかわらず、国会無視の「解釈改憲」には抵抗する気概を見せてほしい。
 その議員を選ぶのは、わたしたち有権者自身である。閣議決定を機に、あらためて確認したい。

 うん、「議員を選ぶのは、わたしたち有権者自身」だし、「議員を育てるのは、私たち自身」だよ。