●米兵の犯罪や事故の度に立ちはだかる日米地位協定。
稲嶺 (辺野古基地建設に反対する理由)一つは、自然環境への影響です。埋め立てられようとしている大浦湾は、絶滅危惧種に指定されている260余りを含む5800種もの生物が生息する生物多様性の宝庫です。ウミガメやジュゴンがいることはよく知られていますが、先人たちから受け継いだこの豊かな自然を破壊してはいけません。
それから、基地建設の問題は本来、保守とか革新とかいったイデオロギーとは関係ない、私たちの生活そのものの問題だということです。辺野古の反対運動は、基地建設計画を知った地元のおじいやおばあたちが「自分と子どもや孫たちの生活を育んできた辺野古の海を、戦争につながる基地によって失いたくない」という思いで座り込みを始めたのが最初です。そうした地元の人たちの生活を守りたいのです。
そしてもう一つ、新基地建設の根拠とされている「辺野古が唯一の選択肢」という話が、全くの嘘だからです。
よく「地理的優位性」ということが言われますが、仮に日本政府が「仮想敵国」として中国や北朝鮮を想定しているのであれば、沖縄よりも九州のほうがよほど近い。「抑止力のため」とも言うけれども、新基地に配備されるオスプレイは「輸送機」です。なぜ「輸送機」が抑止力と関係あるのか分かりません。「辺野古が唯一」という論拠は、もうとっくに破綻しているんですね。
沖縄の人たちに「反基地」の思いが強いのは、かつての戦争で、日本軍が駐留していたことで沖縄が攻められたという経験をしているから。基地があることは「抑止」ではなく、狙われることにつながると考えているんです。
落合 市民の立場からすれば、基地をなくさない限り安全保障にはならないということですね。
稲嶺 さらに沖縄では、戦後72年にわたって、人々が米軍による事件や事故に苦しめられてきた事実もあります。それも、小さな子どもや女性といった弱い立場の人たちが数多く犠牲になってきました。なぜこんなことが起こるかといえば基地があるからだ、という思いが沖縄では非常に強いのです。
落合 こうした事件の際に、いつも立ちはだかる壁が日米地位協定です。
稲嶺 この協定によって、これまでどれだけの沖縄県民が泣かされてきたことでしょうか。
落合 いま、安倍総理は憲法改変に熱心なようですが、憲法よりもまずは地位協定を改定すべきだと考えます。
やっぱり日米地位協定がネックなんだねえ。
つまりはこれを改善すればいろんなことが解決できるってことだよねえ。じゃあなぜ政府・安倍政権は改善としないんだ?
憲法改悪より先にするべきことがあるじゃん