ふうるふうる・たらのあんなことこんなこと

いろんなできごとを面白がってしまおうと思っています。
日常のあれやこれや記事です。

4月5月は大デトックス月間、6月は……

2011-06-28 10:58:48 | まじめな話

ふうるふうる”のたらです。
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 4月5月は講習会に10回以上参加し、そこで「こんなことをしてはいけないよ」「こういう話し方はしないように」「こんな思いに陥らないように」等々、いろいろな実例を見せていただきました。
 たとえば、次のような。
●オーラソーマのセミナーでのこと。変色や退色したボトルを使っており、そのため、カラーの説明をするときに間違った視覚情報を伝えている。
 これって、色彩の言語を学びに来ているセミナー参加者に迷惑だよねえ。
●セミナー参加者に、お客さんのグチや悪口を言う。「こういうことがあったけど、その人は異常者よ」「こういう人はセミナーに参加してほしくない」など。
 ああ、何をかいわんや。(=なにを言おうか、言うことがなにもない。あきれてなにも言えない。)
●自分が言ったことに全面的に賛成しないと生徒を攻撃する。
●あやふやな知識を振りかざす。「○○を3年勉強したから、私の言うことは正しい」など。
●その人に負けていると思っている「けっこう有名なその人」の悪口を言い立てる。

 などなど、いやー、自分はどうなのか、振り返らざるをえないじゃないの。
 じっくり振り返って、うーんと反省いたしましたです。

 4・5月は、強制的半断食のほか、住み方についての見直し、人間関係についての見直し、生き方全般についての見直しなどなど、かなりいろいろなおさらいをさせられ、いえいえゴホン、させていただき、心をあらたにしたのですが、いっちばん強烈だったのが、これでしたわ。
 ありがとうございました。ヒイ。

 そして6月。
 本を約400冊処分。漫画約300冊はブックオフへ、ほかは図書館へ寄贈と廃棄。
 家具を少々処分。きれいなものは市でおこなっているリサイクルに、あとは感謝しながら廃棄。

  死期が近いってわけじゃないと思うけど、とにかく身軽になりたいという思いが山のようにあるのよねえ。
 さて、今後の展開はどうなるのか、我ながら楽しみです。


一石四鳥の料理本

2011-06-22 15:43:14 | 本や言葉の紹介

武蔵浦和“ふうるふうる”のたらです。
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「どうしてもわからなかったおいしさのひみつ」(ウー・ウェン 朝日出版社)
 
 この本、ギョーザ、シュウマイ、メン、ピン(餅)、マントウ、パオズなどの小麦粉で作る料理について、とってもわかりやすく書いてくれています。それに、読んでて楽しかった。

 作り方が簡単。
 コツがとてもわかりやすい。
 図解のイラスト(画 川口澄子)もわかりやすくてかわいくてシンプルで好き。
 中国料理や中国の日常生活の物語としても読める。

 おお、一石四鳥だ! ラッキーでした。


 「息子はなぜ白血病で死んだのか」を読んで 2/2

2011-06-14 12:32:14 | 原発

武蔵浦和“ふうるふうる”のたらです。
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  美智子さんの言葉をもう少しご紹介させてください。

・原発も爆弾でも落とされなければ爆発するものではない。それが科学だ。最先端の技術だ。家の息子はこれからの職業、将来性のある原子力発電所に勤めていると誇らしく思っておりました。息子の作った電気をふんだんに使い快適な生活をしようと各部屋毎に冷暖房機を入れました。その電気を作るために本人が被曝労働で命を縮めているとは夢にも思いませんでした。

・自然放射線は太古の昔から存在し、日本ではおおよそ年間1ミリシーベルト浴びていますし、私たちの体の中にも微量ですが存在しています。しかし、生物は一定期間のうちに代謝して体外に出す仕組みを作って生きてきました。人工放射能の同位体は組成が似ているため体内に取りこんでしまい、代謝することができず蓄積してしまいます。これが身体の細胞を変化させガンになるらしいのです。人工放射能はなるべく浴びない方がよいというのはそういうことをいうのです。

・(伸之さんの入院中にも原発の安全教育を受けたと放射線管理手帳に記載されていた)さすがにこれは誤記入ということで訂正されています。しかしこのことで「安全教育」なるものの実体がわかると思いませんか。形式だけ、おざなりな講義に違いありません。
 本当の安全教育とは恣意的でない、正しい情報をすべて明らかにして知らせることです。放射線は危険だと知らせることです。それをせずに「放射線は安全だ」と洗脳しておいて「リスクを覚悟の上であった」などとは言わせません。少なくとも私が今ほどの知識があれば息子をそんなところに就職などさせませんでした。

・もし、チェルノブイリのような事故が起きたらこの細長い日本がどれだけの被害を受けるか想像できますか。この間の北海道の地震を浜岡で受けたとしたら、原発の事故が一基といわず二基でも三、四基と同時に起こるかもしれません。浜岡も東海地震の枠の中に入っているのはご存じですね。今なら止められます。

・ぜひ私たちに続いて公に労災申請し、原発被曝労働の実態を明らかにしてください。命を削る、あってはならない勤めがあるという事実を語って下さい。

・原発は電力の3割をまかなっている。原発を止めたら電気はどうするんだ。
 よくそんな議論を耳にしますが原発を止めても心配はいらないのです。
 政府のエネルギー研究開発費の実に90%が原子力につぎ込まれています。もっと太陽光発電や風力発電など自然エネルギー関連にお金を使うべきです。まず政策を転換すべきです。
 次に、買電精度充実や電力の運用改善により有効活用をはかるべきです。
 既存の技術を活用して小規模分散型のエネルギー体系、発電システムにするべきだと思います。
 発電と同時にその廃熱を利用し暖房、給湯などをおこなうコ・ジェネレーション・システムでは熱効率が70%以上にもなります。これに対し原発は熱効率が30%程度。100万kwの原発では300kw分のエネルギーを使い、200万kw分の電力は廃熱として海に捨てている勘定になります。どちらがすぐれたシステムかは一目瞭然です。

・(何度か講演を一緒におこなった樋口健二さんは)ロックフェラー財閥のゼネラル・エレクトリックの沸騰水型原子炉の技術を三井物産と丸紅が東芝と日立を通して東京電力根戸へ売り込んでいること。モルガン財閥のウエスチング・ハウスの加圧水型原子炉の技術を三菱商事が三菱重工経由で関西電力などに売り込んでいること。つまり、旧財閥の三井、三菱を頂点に商社や重電産業、電機メーカー、プラントを傘下におさめ、これらの企業群は広告料という形でマスコミに影響力を行使する。これが原発を推進させている社会的な構造であると説明しました。
 こうなりますと原発で電気を作る電力会社とのたたかいと言うよりも財閥を頂点として日本の巨大産業グループとの闘いということになります。あるいは国策として原発を推進する政府との闘いといってよいのかもしれません。いろいろな先生方のお話をうかがって今まで見えていなかった大きな相手の姿をおぼろげながらもつかむことができるようになりました。

・どうか、命を削らなければ動かない原発は止めてください。


 この本は1999年に出版されています。労災認定されてから17年、出版からは12年たっていますが、現在の原発労働はどうなっているのでしょう。現状は変わっていないそうなのですが。毎年6万人以上の原発労働者が被曝しているとも言われているそうなのですが。

 6月5日の記事で、「こういうかたがいて、こういう情報を発信し続けていたことって、私だけが知らなかったんじゃないと思うんだけど。一般化されていなかったのって、なぜなんだろうなあ。」と発言しましたが、美智子さんが書いてくれた「原発で電気を作る電力会社とのたたかいと言うよりも財閥を頂点として日本の巨大産業グループとの闘いということになります。あるいは国策として原発を推進する政府との闘いといってよいのかもしれません。」という部分で納得できました。
 
  この本を読めたおかげで、原発は災害時の被害の大きさもさりながら、日常にも大変大きな問題と脅威を抱えていることを再確認できました。
 嶋橋美智子さん、書いてくれてありがとうございます。
 この本が出版されたときから事態がよりひどい情況になっているのは悲しい。でも私も「深く考えずにたぶん大丈夫だろうと人ごとと思っていた」という点で原発推進に荷担していたのですね。そのことをしっかりふまえて、自分の生活をどうつくっていけばよいのかをさぐっていきます。


 「息子はなぜ白血病で死んだのか」を読んで 1/2

2011-06-12 12:07:51 | 原発

武蔵浦和“ふうるふうる”のたらです。
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 「息子はなぜ白血病で死んだのか」(嶋橋美智子 株式会社技術と人間)を乱読大魔王様がブログ「乱読大魔王の『We』周辺記事」の6月2日に取り上げておいででしたが、私も同じころに読んでいました。

 嶋橋美智子さんの長男である伸之さんは1962年生まれ。1981年に協立プラントコンストラクトに入社して浜岡原子力発電所で働き、1989年に白血病と診断されて1991年に死亡。
 共立プラントコンストラクトは中部電力の保守・定期検査作業を請け負っている中部火力工事の孫請け会社で、中部プラントサービスの下請け会社にあたり、日立系列。つまり、中部電力→中部火力工事→中部プラントサービス→協立プラントコンストラクトということでしょうか。

 美智子さんは息子さんが原発で被曝労働に従事していたことをまったく知らなかったそうです。
 でも、伸之さんの死亡後に会社側が頻繁に補償折衝をおこなって労災申請をさせないように動いたこと、放射線管理手帳をなかなか返してもらえなかったこと等の対応に疑問をもち、死因にも納得がいかずにいろんな人に聞いてまわり、疑問に答えてくれる人たちに巡り会うことができました。それが被曝労働者救済センターの故・平井憲夫さん、慶應大学の藤田祐幸さん、弁護士の海渡雄一さんたち。
 訂正印だらけの放射線管理手帳を見た藤田先生は「これは大変なことです、たくさん被曝しています。ただごとではすまされない」と驚きの声をあげました。
 「六十路の山を越える私が原発の構造や論理を説明されましても、横文字の専門用語を左の耳から聞いても右の耳までの間にもう忘れてしまうほど」のむずかしい説明や何度も聞き、資料を読むうちに、原発の真の姿を知り、原発被曝労働の実態を知り、また、放射線管理手帳の被曝データ改ざんされていたことの意味がわかってきたそうです。
 そして美智子さんは、伸之さんの死を個人的な問題としてではなく原発被曝労働現場の非人道性を明らかにするための社会的な問題とする決心をして、1993年5月に労災申請しました。多くの支援を受け、1994年7月に労災認定がなされました。

 原子炉は制御に必要な中性子の増減量を計測装置で測定する必要があります。
 正秀さんは「核計装」班に所属し、浜岡原子力発電所(沸騰水型軽水炉 BWR型)1、2、3号機の中性子計測装置の定期検診作業で保守・点検・管理をする技術者。作業現場は原子炉の真下で、放射能管理区域でも高汚染区域。
 原発は年一回の定期検査が義務づけられており、3か月ほどかけて検査するとのこと。
 人工放射線の許容量は国際的に決められており、1年間にさらされてよい放射線の限度は一般人では1ミリシーベルト、職業人(電離放射線障害防止規則による放射線業務従事者・自衛隊・消防・警察、妊娠可能な女子を除く)は50ミリシーベルトになっています。(私の疑問……職業人って、一般人の50倍も健康なわけ? それとも50倍の厚遇を受けられるの? それが今では250ミリシーベルトにされてるんだよね?!)
 高汚染区域ではボルト1本締めに行くにも5分もいられないことがあるそうです。
 正秀さんは約8年半被爆労働に従事して、合計で50.93ミリシーベルトを浴びました。年間平均だと約6ミリシーベルトです。
 それをふまえて、美智子さんは次のように言っています。

 現行の「年間」50ミリシーベルトというのがいかにひどい数字かおわかりいただけると思います。ICRPの新基準である年間20ミリシーベルトでさえも浴びたことは一度もありません。確率とはいえ、それでも白血病になってしまったのです。放射能は浴びなければ浴びないほどよいのです。
 私が放射線被曝の恐ろしさを知ったのは息子を亡くしてからです。
 労災第1号となった福島第一原発の方も、40ミリシーベルト位でした。もちろん個人差はあります。でも50ミリシーベルトというのは人が「1年」で浴びてよい人工放射能の限度ではなく「一生涯」の誤りではないかと思うのです。


アジサイを鉢ごと

2011-06-09 19:14:34 | うれしい

武蔵浦和“ふうるふうる”のたらです。
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 大株のアジサイを鉢ごといただきました。

 植物がお好きなご夫婦が丹精なさったきれいな薄青色のアジサイで、種類としてはスミダノハナビ(墨田の花火)かジョウガサキ(城ヶ崎)のようです。
 この数年、スミダノハナビがほしいなあ、どうしようかなあと思っていたのでとってもとっても嬉しい。
 さっそく玄関にも活けました。

 くださったご夫婦に大感謝です。ありがとうございます。

 日当たりと手入れがよかった今までの環境から、あまり光があたらなくて手入れもおぼつかないようなところに来てもらっちゃったけど、この庭でも無事に育ってね。

これはご近所のチャチャ君。
柵にあごをのせた姿がかわいくってかわいくって。
ん、もう、キュート



ドイツ政府が「脱原発」

2011-06-08 12:03:03 | 原発

武蔵浦和“ふうるふうる”のたらです。
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 ドイツ政府が「脱原発」の方針を閣議決定したそうです。17基ある原発のうち8基をすぐに閉鎖、残り9基は2022年までに段階的に閉鎖するとか。
 対策の柱とするのは次の二つ。
・風力、太陽光、バイオマスといった再生可能エネルギーの普及に力を入れること。
・家屋の断熱性の改善などの省エネを進めること。
 ドイツはすでに脱原発への取り組みをしてきており、電力買い取り制度、風力発電や太陽光発電の産業化などで新たな雇用と成長を生み出すなどの実績を上げていたそうです。
 その動きを後押しし、脱原発へ踏み切らせたのが福島第一原発の事故。さておおもとの日本は……。

 今日(6月8日)の朝日新聞社説「ドイツの決断 脱原発への果敢な挑戦」の最後に次のような記載がありました。

 社会全体で熟議が積み重ねられてきたドイツに比べて、日本では、原発は国策だからという理由で政界も財界も学会も思考停止に陥っていた。その呪縛をまず断ち切ることからはじめよう。

 じゃあね、政府のご用聞き新聞にならないでね。
 なんかさあ、ひとごとみたいな書き方だよね(いつものことだけど)。そう書いたあなたがどんなふうに呪縛を断ち切るか、期待してますよ。


「人間の顔をした科学」を読んで 2/2

2011-06-06 11:03:36 | 本や言葉の紹介

武蔵浦和“ふうるふうる”のたらです。
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 あのね、東日本大震災後に、極端な言い方をすると
「原発がなくなるわけないから何言ったってむだ」
「自分は被爆の怖さや影響を知っているからいろいろ気をつかっているのに、まわりの人はまるっきり関心がない。バカばっかり」
「原発のことを教えてあげても『気にしすぎ』でスルーされてしまう。だからそういうのはほっとく。自分と家族だけが助かればいい」
というような発言をするかたたちにけっこうお会いしたんです。

 で、お話しできる情況のとき、私は次のようなことを言ってました。

  この情況で自分だけが生き延びるとかいい思いをするとかって無理じゃない?
 正しい知識や情報と本当の情況を知って、それを世間の大勢の人たちと共有して、みんなで、ひとりひとりで、よい方向へ修正することが必要なんじゃない?
 そうやって社会全体を下から支えてよりよい情況にしていくことのほうが、自分が気持ちよく生き延びるチャンスが多くなると思うんだけど。
  だから、ムダだと思っても、知識や情報を身近な誰かに渡していくのって大切だと思うよ。
 たとえその人がそのときは「あんなこと言ってバッカじゃないの」と思っても、あとから理解してくれるかもしれない。
 それとね、相手にわかりやすい説明をしていくことも大切だよね。「こんなことも知らないの?」なんて思って上から目線で言うと、その雰囲気だけで拒絶される。
 出典が明らかで知識や情報の根拠になるものをバックボーンにして、相手に興味をもってもらえる話し方ができるといいよね。ま、こつこつやっていこうよ。


 そんな話をしてたときに、この本の次の言葉を知っていたらご紹介できたのになあ。

●Ⅰ 人間の顔をした科学・第3章 あきらめから希望へ
・「3 状況を変えていく努力」から
 たしかに大多数の人が、心の中ではこんなに不安のあるような現在の科学技術に満足せず、もっとみんなが安心して暮らせるような科学技術、それこそ、人間の顔をした科学を望み、それへの転換に期待をもったりしているのです。
 しかしです。残念ながら、そこから先の話になると、むずかしい話は専門家に任せておくしかないとか、自分ひとりでは何も変わらないと決めてかかり、みんながあきらめてしまっているのです。それではいけない、みんなで希望をもってこの状況を変えていく努力をしよう。そうすれば、その努力は必ず何かの実りをもつ、何らかの変わり方ができるのではないか。私はあらためてそういいたいのです。

・「まとめ」から
 最後に、しばしば使わせてもらう、カレル・ヴォルフレン氏の言葉を引用して、締めくくりに代えさせてください。
  
 こんなふうに説得を進めさせて下さい――個人はすべて、少しだけなら自分の環境を変える能力がある。これはあなただって、ただちに賛成してくれるのではないか。そんな経験が少なくとも何回かはあるでしょう。ならばもう一歩進めて、とても小さな努力の積み重ねが突然大きな結果を生むことがあり、それがさらに重なれば、巨大な変化を生むこともあることを認めてほしい。いいかえれば、日本を変えるあなたの小さな貢献がもし的を得たもので、ほかの人たちの小さな貢献とうまく結びついたならば、相当有意義なものになるのではないか。(中略)そうなる前提として、あなたは基本的に重大な一歩をまず踏み出さねばならない。(中略)つまりそれは、日本で最も頻繁に使われる政治用語「シカタガナイ」をあなたの辞書から追放すること。もう決して「シカタガナイ」と思わないこと。(『人間を幸福にしない日本というシステム』より)


 私も、何ができるかを考えながら動いていきたいです。


変わったアジサイに目がとまりました。“いわゆる花びら”がとんがってます。
グリュンヘルツという種類みたい。


「人間の顔をした科学」を読んで 1/2

2011-06-05 11:33:42 | 原発

武蔵浦和“ふうるふうる”のたらです。
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●本の紹介
 6月1日のブログに「高木仁三郎さんの著書を読んでいるときなので」と書いたら、「何読んだの?」「どんな本?」等聞かれたので、ちょっと書きますね。
 私が読んだのは高木さんが亡くなってから編集された「人間の顔をした科学」(七つ森書館)。

目次
Ⅰ 人間の顔をした科学  (NHK教育テレビ人間講座「人間の顔をした科学」2000年3月28・29・30日放送より)
第1章 東海村臨界事故から思索する
第2章 市民科学者・宮沢賢治
第3章 あきらめから希望へ  

Ⅱ 高木学校とその志  (高木学校特別講演「高木学校と宮沢賢治」1999年を元に執筆)
はじめに
第1章 宮沢賢治の志に学ぶ
第2章 プラトンの学園アカデメイア
第3章 自分の営みへの反省と高木学校
第4章 闘病の中で考えたこと
第5章 高木学校のこれから、あるいは高木学校への誘い

Ⅲ プルトニウムと市民  (高木学校講座1998年の講演より)

Ⅳ 原子力神話とJCO臨界事故  (2000年3月7日の特別講演より)
第1章 原子力発電の困難――その基本
第2章 原子力神話――その形成と崩壊
第3章 いま直面する原子力問題
第4章 JCO臨界事故

 「人間の顔をした科学」とは、人々が安心して安らかに暮らせるような科学のこと。 
  設立した原子力資料情報室については、「原子力産業の利害や政府の立場から独立して市民の疑問に直接答える形で、しかも、きちんとした科学的な知識や方法に基づいた正確な情報を市民に供給していきたいという思いで、研究者の有志が中心となって始めた」もので、「原点は、「市民の目の高さで考える」ということ」という説明がありました。

 「Ⅲ プルトニウムと市民」では、安全の問題、経済性の問題、セキュリティの問題、なぜやめられないか、“環境にやさしい”という言葉のまやかしなどについて解説。
 「Ⅳ 原子力神話とJCO臨界事故」では、原子力は「消せない火」であること、エネルギー転換効率が低いこと、また、「ほとんど無限のエネルギー」「原子力は石油危機を克服する」「平和利用」「安全」「安い電力」「地域振興」「クリーンエネルギー」などの角神話についてそれは欺瞞であることを解説。

  数字や論文を見ると目が回る私でも理解できました。で、とにかく内容にびっくりしました。ぜひ読んでみてください。

●こんな書評がありました
 検索したところ、朝日新聞の2001年6月24日朝刊読書欄に、次の書評が載っていましたので、参考にしてください。

 昨年亡くなった高木仁三郎は、最初から反原子力発電の人ではなかった。原子力というものの可能性を信じ、その未来に賭けていた人だった。しかし、そうはいかないと分かったとき、彼は自らへの問いかけを含めて、痛苦を伴った転換を図る。高木の指摘が、原発を推進する人の側からも耳を傾けられるのは、自分の「過去」を隠さないその誠実さに起因する。
 この本は最後の講演集だが、実に分かりやすく、いま直面している「科学と人間」の問題を語っている。とくに説得力があるのは、「知れば知るほど、いろんな問題が見えてくる」と述懐していることである。進歩はまた、未知の領域を広げるのだということで、謙虚な至言だろう。原子力産業は「巨大さゆえにやめられなくなってしまっている」とも高木は語っている。放漫経営の企業に過剰融資をして引き返せなくなった銀行や、不必要な公共事業を続ける政府にも似た構造になっているということだろうか。 佐高信(経済評論家)

●友達いわく、反原発のシンボル
 友達に高木仁三郎さんのことを話したら、
「高木さんは反原発活動のシンボルみたいな人で、とっても有名だよ。
 知らなかったのオ?!
 これだから文系で頭が固まっちゃってるヤツは……」
と、憐れみの目で見られちゃったよ。 

 高木仁三郎さんは物理学者、理学博士で専門は核化学。
 原子力発電の持続不可能性、プルトニウムの危険性などについて専門家の立場から警告を発し続けたかたで、特に地震のさいの原発の危険性を予見し、地震時の対策の必要性を訴えたほか、脱原発を唱えた人として知られています。
 1995年には、地震とともに津波に襲われたさいの原子力災害を予見し、「地震によって長期間外部との連絡や外部からの電力や水の供給が断たれた場合には、大事故に発展」するとして、早急な対策を訴えていました。
 
略歴
1938年、群馬県生まれ
1961年、東京大学理学部化学科卒業
 日本原子力事業(日本原子力事業総合研究所核化学研究室)、東京大学原子核研究所助手、東京都立大学助教授、マックスプランク核物理研究所客員研究員を経る。
1974年、プルトニウム問題を考える自主グループ「プルトニウム研究会」を組織。
1975年、原子力資料情報室(政府の原子力政策について自由な見地からの分析・提言を行うため、原子力業界から独立したシンクタンク)設立
1987年、原子力資料情報室(98年まで)
1988年、反原発運動全国集会事務局長
 多田謡子反権力人権賞、サンケイ児童出版文化賞、ライト・ライブリフッド賞(Right Livelihood Award)等を受賞
2000年、大腸癌で死去

 こういうかたがいて、こういう情報を発信し続けていたことって、私だけが知らなかったんじゃないと思うんだけど。一般化されていなかったのって、なぜなんだろうなあ。


オリーブの木に花が

2011-06-03 10:17:42 | おもしろ

武蔵浦和“ふうるふうる”のたらです。
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 ご近所のオリーブの木がいつもと違って見えるので、自転車を止めて近寄り、じっくり見てみました。
 なんか白くなってるなァ。もしかしたら花かも。
 たぶん花です。ちっちゃくって白いのがびっしりついてます。
(写真は拡大して見てみてね)
 

 オリーブは自家不結実性が強いので実をならせるには2本以上あったほうがよいそうですが、最近はけっこうあちこちのお庭で見かけるので、実がなる可能性は高くなっていると思います。冬が楽しみ。

 そういえば、オリーブの若い実の色のオリーブグリーンって、オーラソーマだと“苦味を甘味に変える”というような意味があります。
 去年、別の場所のオリーブの木でしたが、落ちていた実(完熟して黒くなってました)をためしに口にしたとき、あまりの渋さに仰天しました。これを塩漬けしたりさらしたりするとおいしく食べられるようになるんだなあと思ったっけ。
 最近オーラソーマのレッスン1を学びなおしたのですが、色の意味についての学びとき、このオリーブグリーンの“苦味を甘味に変える”を実感をもって理解できたのは去年の経験のおかげでした。

 食い意地もたまには役に立つのよ。エッヘン。

 

 


こんな言いかたありかぁ?!

2011-06-01 15:40:53 | 原発

武蔵浦和“ふうるふうる”のたらです。
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 昨日(2011年5月31日)の朝日新聞朝刊記事『原発防災は「プランB」が必要 ソニーコンピュータサイエンス研究所長 北野宏明』の冒頭を読んであぜんとしてしまった。
 内容は、今の原子力防災計画では全く不十分なので、財源の確保やペット・家畜の避難も含めたいくつもの現実味のある緊急避難案をつくって公表すべきだというもので、それには異議はありません。
 だけどさ、

 工学を知る人間なら「原発が絶対安全」という主張はウソだと理解できる。自己の確率を非常に小さくするように努力はできるが、事故を起こらなくすることはできない。

 って、これ、あとだしじゃんけんみたいじゃないの。尻馬に乗るってこういうこと? 
 そういう知識を広めたり、安全に貢献するのって科学者の義務でもあると思うんだけど、事故が起きる前に何らかの啓蒙などをしたんだろうか。無知な私が北野さんの原発に関する活動を知らないだけなんでしょうね。
 東電や政府機関などの原子力発電にかかわっている関係者のなかには“工学を知る人間”が当然いるよね。なのに絶対安全と言い切ってたよね。北野さんはそういう人たちについてはどう考えてるんだろう。

 などなどいろんな思いや疑問が頭を駆けめぐったのでした。

 高木仁三郎さんの著書を読んでいるときなので、それと比べてがっかり感がより深まっちゃったんだろうなあとは思うけど。
 科学者への不信感を北野さんに八つ当たりしてしまったようで申しわけないけど、なんかねー、とかとかですわ。