ふうるふうる・たらのあんなことこんなこと

いろんなできごとを面白がってしまおうと思っています。
日常のあれやこれや記事です。

憲法に自衛隊の存在を書き加えると、あらゆる戦争を遂行できることになりかねない

2019-05-06 15:17:44 | 憲法

 5月3日の朝日新聞朝刊に掲載された憲法学者・樋口陽一さんへのインタビュー「日本国憲法の現在地」の中から、“9条に自衛隊を明記する憲法改正が必要だと訴えている安倍晋三首相の問題提起は妥当なのか”についての意見を抜粋して紹介します。

――この国では今、憲法改正にこだわる首相が長期政権を維持しています。安倍晋三首相は今度は、自衛隊を憲法に明記する改憲が必要だと訴え始めました。

 「今ある自衛隊の存在を書き加えるだけなら大きな変更ではないのではないかという意見も聞きます。書き加えるという行為の持つ法的な意味について理解が足りないと感じますね。基本的な法原則の一つに『後(のち)の法は先の法を破る』があります。ある法規範にそれまでと違うことを書き加えたら、前からあるルールは失効するか意味を変えるという原則です」  「憲法9条の条文は削らないまま単純に自衛隊の存在を書き足したら、場合によっては残った現在の条項は失効する恐れがあるのです。戦争放棄をうたった1項と、戦力不保持を定めた2項です」

――今ある平和憲法の原則を手放す改憲をするのと、同様の行為になりかねないのですか。

 「そうです。軍備拡大への歯止めがなくなり、あらゆる戦争を遂行できることになりかねません。そういう認識をきちんと共有しないまま提起されている今回の改憲論は『政治的な主張』と呼べるレベルのものではありません。フェイク(虚偽)です」


 うーん、『後(のち)の法は先の法を破る』のか。知らなかった。   日本国民の多くもこの基本的な法原則を知らないと思う。だから“書き加えるという行為の持つ法的な意味について理解が足りない”うちに改憲して“あらゆる戦争を遂行できる”ようにしたいんだね。きったねえやりくちだなあ。  だまされちゃいかんわ。

 憲法と法律の違いは
「憲法は、国民の権利・自由を守るために、国がやってはいけないこと(またはやるべきこと)について定めたもの」
「法律は、社会秩序の安定のために、国家権力が国民に対して権利や自由を制限するためのもの」

 じゃあさ、「国家権力を制限する」憲法を、国家権力の主体・担い手である内閣が、特に首相が、変えたいと熱心に希望するのって、どういうこと?
 “自分への縛りをゆるめてもっとやりたいようにできる状態にしよう”ってことだ。
 やだよう、この日本を戦争をしたい放題の国にするなんて。
 ごめんだよう、国家権力のためにアタシの権利・自由が制限されるなんて。好きなときに本を読んだり飲みたいときに御酒をいただいたりしたら国家のためにならない非国民扱いされるのか。 そんな馬鹿なことにならないと笑われるかもしれないけどさ、ついこのあいだあった第2次大戦中のことを見れば、決して笑い話じゃすまないわさ。
 戦争できるように徴兵制復活か。若いもんは戦に引っ張られ、アタシみたいな非・若者の貧乏人は国家権力のためにご奉仕するはめになるのか。
 憲法改正(改悪じゃ!)はいらない。戦争はいらない。原発はいらない。


実績がなくても当選できるのはテレビのおかげ!?

2019-04-03 08:52:39 | 憲法

 前回、「美しい朝」(さだまさし ダイヤモンド社)にふれたので、また抜粋します。

●今やテレビが人を作り、テレビが世の中を作る。今や日本人はみんなブラウン管のなかで暮らしている。人気番組で有名になれば何の実績もない人でも衆院選でも知事選でも当選出来る。
 余り本も読まなくなり「雑学の量」と「点数を取る」事が「頭が良い」とまたテレビが刷り込む。

 中学生のときの生徒会選挙で、「選挙は人気投票じゃない」と言った先輩がいたなあ。確かに!


海外で活動する日本人ボランティアを守ってるのは憲法9条

2019-02-18 14:06:17 | 憲法
 長いです、ごめんなさい。
 『悩める人、いらっしゃい・内田樹の生存戦略』(自由国民社)は男性向け月刊誌『GQ』に連載された人生相談をまとめたもの。
 そのなかの「息子が海外にボランティア旅行に行くが、何のためにそんなことをするのかわからない」という相談があります。内田さんは「それはわりと普通のこと。危険な地域に入り込んでいる日本人ボランティアは非常に多いらしい。こういう人たちを支援するのもメディアの大切な仕事だと思うと発言しています。
 回答から抜粋します。
 
●憲法9条は日本人ボランティアの無防備さを担保している。
 日本人ボランティアが危険地帯に入れるのは、日本人に強い憎しみを持っている国民が世界的にはあまりいないからです。東アジアの国々を除けば、「日本人に近しい人を殺された。日本人に村を焼かれた。日本人に財産を奪われた」という種類の恨みを持っている人はほとんどいない。
 日本人ボランティアの無防備さを担保しているのは、実は憲法9条なんです。
 メディアがボランティアのことを言いたがらないのは、もしかすると「なんだ、憲法9条って役に立ってるじゃないか」という世論が形成されて、「改憲」の勢いがそがれることを警戒しているからじゃないですか。
 だから、日本がこのあと外交政策を転換して、憲法改正して、紛争に軍事介入できるようになれば、日本人ボランティアや観光客が、思いがけないところでテロの標的になるということはかなり高い確率で起きるでしょう。
 9条がもたらしている外交的な小渡バンテージは大きい。だって、今アメリカの若者が、星条旗背負ってアジアやアフリカの危険地帯をひとりでバックパッキングできると思いますか? そんな怖いことができるのは「日本人くらいしかいない」ということの重みを日本国民はたまには感謝してもいいんじゃないですか。
 国民が海外でどれだけ安全に過ごせるかというのは、僕はある意味での「国力」の指標だと思う。それを決めるのは軍事力ではない。どれくらい親しみを感じる国であるかということです。日本はそれにけっこう成功している。それを日本国民はもっと誇ってもいいんじゃないですか。
 
 
 これ、2012年9月のQ&Aなんだけど、それからはどんどん「親しみを感じる国」から離れていってると思うよ。外国人労働者受け入れについての出入国管理法(入管法)の改正案もその一つ。非人道的なことを平気でやっちゃうニッポン……。 
 戦争したいよ、憲法かえるよと一生懸命になってる安倍政権、日本政府。
 憲法改正はいらない。原発いらない。命のもとの食料や水を守ろうよ。

憲法を守らなくちゃいけないのは国だ

2018-08-06 11:06:29 | 憲法

 だいーぶ前だけど、2017年11月19日の東京新聞朝刊記事の「言わねばならないこと」欄から抜粋します。
 衆院選の結果を受けて憲法改正の発議がされ、国民投票へという流れになる前に、まず憲法とは何かを学ぶための「憲法カフェ」を開いている弁護士・太田啓子さんの発言です。

●まず憲法を知り、周りに伝える
 「国民は憲法を守らなければいけない、○か×か」。答えは×で、「国民ではなく国が憲法を守らなくてはいけない」というと「えーっ」て。あまりに知られていない。九条以前の問題だ。

 今回の九条改憲も、単に自衛隊を「明記するだけ」なんてことはあり得なくて、安保法制によって海外で事実上「戦争」ができるようになってしまっている「新自衛隊」を明記することなんですよと。
 安倍晋三首相の憲法観には危うさを感じる。立憲主義が嫌いなんだろう。彼は自分が悪いことをするはずない、縛られる必要はないと思っているのでは。権力の暴走を恐れなければならないという発想が乏しい。
 私たちは流されないで、自分の頭で考えて意見を持つことが大事。まず知ること、そして発信者になって周りに伝えてほしい。

  戦争いらない。憲法改悪いらない。原発いらない。
 今日は広島に原爆が落とされた日。戦争できるようにしたらもっとひどいことがおきる。
 日本には平和憲法があることを誇りに思うよ。


安倍内閣の本音はファシズムの実現?! 2/2

2017-09-29 10:31:57 | 憲法

 前回で紹介した斎藤さんのコラムで初めて知ったよ、政府が8月3日に「基本方針」を決定してたって。

1.復興の加速化
2.「人づくり革命」の断行
3.「一億総活躍」社会の実現
(1)希望を生み出す強い経済
(2)夢を紡ぐ子育て支援
(3)安心につながる社会保障
4.世界の中心で輝く日本

 これについて斎藤さんは、

 人は煮詰まると、不毛な精神論を振り回すようになる。連想したのは戦前に二度政権の座についた近衛文麿内閣による基本方針の数々だ。「興亜報国」「挙国一致」などを掲げ「国内体制の刷新」を目指すものだったが、その結果はご存じの通りである。
 世界の中心で輝く日本? もはや末期症状だ。
 
って言ってる。
 安倍内閣ってば、言ってることとやってることが違うじゃないのさ。
 どっちが本音か。やってることが本音だよ。これは安倍内閣だけじゃなく、総じて人はそうだねえ。

 斎藤さんがコラムで引用している「理想だらけの戦時下日本」(井上寿一 ちくま新書)では、現在の日本は戦時下と似ている、戦時下の日本人が「これはファシズムだ」と批判されても今日と同様の違和感と反発を感じただろうと述べているそうだ。
 斎藤さんは、この本が出版されて4年たった現在、似ている感は増していると言っているけど、つまり今、日本はファシズムの中にいるってことだよね
 私がもってる辞書ではファシズムって「極端な全体主義的・排外的政治理念、またはその政治体制。一党独裁による徹底した国粋主義をとり、反共を掲げ侵略政策をしいた。イタリアのファシスト党に始まる。」と解説されている。そしてファシストは「ファシズムを信奉する人」と。
  ネットで検索してみたら、「極右政党,軍部,官僚中の反動分子らによる政治独裁を目指し,自由主義,社会主義を排撃し,全体主義,軍国主義,ナショナリズムの高唱などを特色とする。」、「独裁的・抑圧的・国粋主義的な傾向を特徴とする政治運動・思想」という説明もあったよ。

 このままだと、10年先から現在を見れば、「第3次世界大戦前夜のあのころはファシズムが蔓延してたね。安倍政権・自民党にいいようにのせられて、国民はみんなファシストだったよ。政権に賛成した人はもちろん、沈黙してた人は賛成したのと同じだもの」と見られるんじゃないか。
 そんな流れにしちゃいけないよなあ。
 あたしゃファシストになりたくない。一党独裁はダメ。自由主義を支持するよ。

 猫が(犬が、鳥が、うさぎが、馬が……)幸せに暮らせる社会は平和な社会だ。そういう社会を支持するぞ。本当は寝ていたいんじゃ。肉球新党バンザイ。
 危険な社会・戦争する国をつくらないために今はちいっとがんばって、安心して寝てられる国を実現させようね。本当は寝ていたいんだぞー!

 戦争はいらない。憲法改正はいらない。ファシズムはいらない。原発はいらない。


9条を変えることに責任がとれるのか……倉本聰さんの発言

2017-09-23 21:37:14 | 憲法

 今日23日の東京新聞「あの人に迫る」欄に、徴兵制ならぬ徴農制を導入しろと主張している脚本家の倉本聰さんのインタビューが掲載されていました。抜粋します。

●田畑に向き合う徴農制の導入を 
―憲法論議についても、違和感を覚えますか。
 理屈でいえば、安倍さんが言うように今のままでは自衛隊は違憲。自衛隊のレーゾンデートル(存在理由)としては困るんでしょう。国としてはおかしいという気はしますよ。ただ、僕としてはおかしいままでいいんだと言いたい。九条が改正されれば、戦争をすることに理屈がついてしまう。戦争が当たり前になっちゃいけないんですよ。あのあいまいさが日本的でいいという気がする。

 ―北朝鮮が挑発を強め、安全保障上の危機を感じている人は増えていますが。
 北朝鮮の核開発により、ここまで危機が迫っているからこそ、あいまいなままでいいと言いたい。戦争はけんかですから、殴られたら殴り返します。歯止めがきかなくなりますよ。ほかの法律だってあいまいだ。なぜ九条だけはっきりさせないといけないのか。
 僕が九条を改正しなくてもいいというのは、単なる平和主義ではありません。自ら武器を手に取って戦うことに向き合った経験があるから言うのです。
 命を奪うということの恐ろしさを知っているつもりです。

 ―護憲派も改憲派もそういう経験をしていない。
 改憲派は九条を変えるというけれど、みんなそのことに責任取れるんですかね。言っている人たちは軍隊に行く度胸や勇気がありますか。「俺は足が動かないから無理」というのはなし。足が動かなくても車いすでも行かないといけないんだから。
 安倍さんも防衛相も自分が戦場に行くなんて思ってないでしょう。あるいは自分の息子が戦争に行く、自分の妻が強姦(ごうかん)されるなんて想像もしていない。でも戦争ってそういうものなんだから。満州(現中国東北部)から引き揚げてきた人たちは実際そういう目に遭った。

 ―若い人たちに一言。
 日本のお先は真っ暗なんて言いましたが、今の危機はあなたたちが自分で考えるいいチャンスだと思います。
 国の成り立ちを考えれば、役人や政治家はあくまで公共のしもべにすぎない。自分たちが主人であるとの自覚を持って、生きてほしいですね。


 ずいぶん前に「戦争絶滅受合法案」(20世紀当初、デンマークのフリッツ・ホルム陸軍大将作……となってるけどね、あとは調べてみてください) について書いたけどさ、これを世界中の国の基礎にしてほしいよ。
  簡単に説明します。

 「戦争が始まったら10時間以内に、国家元首、大統領、国家元首の親族で16歳に達した男性、総理大臣・大臣・次官、戦争に反対しなかった国会議員、戦争に反対しなかった宗教家を、最下級の兵卒として召集して最前線で敵の砲火の下に実戦につかせる。
 また、有資格者の妻、娘、姉妹などは、戦争が続く間、看護婦又は使役婦として召集し、最も砲火に近い野戦病院に勤務させるべき。
 世界各国がこの法案を成立させれば、世界から戦争がなくなること “ 請け合い ” 」というもの。

 ほんっとーにそう思うよ。
 戦争いらない。憲法改正いらない。原発いらない。


だから僕は、憲法を守りたい。 なかにし礼さんインタビュー 1/2

2017-08-15 10:56:27 | 憲法

 今朝の東京新聞に作家で作曲家のなかにし礼さんのインタビュー「過去を忘れるのが早すぎないでしょうか」が掲載されました。
 満州で敗戦を迎えたなかにしさんは、“関東軍によって棄民された、居留民はできるかぎり現地に定着せしめると外務省が命令した、日本政府が引き揚げ政策をGHQ(連合国軍総司令部)に丸投げした”ことで、「三度にわたり、国家から見捨てられたわけです」と語っています。そしてそのなかにしさんは、日本国憲法を「最高の憲法」「奇跡的な、最高の芸術作品」と表現しています。
 記事から抜粋します。

◆憲法は最高の芸術
 -日本国憲法を「芸術作品だ」と表現されていますね。

 地獄の底でも落ちる深さが深いほど、跳躍する高さは高くなるでしょう。あの戦争でアジア全体で二千万人以上が亡くなった。大変な犠牲を払い、ついに手に入れた最高の憲法ですよ。
 米国の押しつけだとか言いますね。けれど、これは戦後日本の再出発の宣言書なんです。世界に向けた宣言書。各国が認めて、反対しませんでした。世界が希望する国の形を与えてくれたとも、われわれが選んだとも言えます。大きな歴史のうねりの中で生まれた。本当に奇跡的な、最高の芸術作品だと思います。
 その憲法のもとでとにかく戦争しないで七十数年やってきました。一体これの何が不都合なのでしょうか。国民は誰ひとり戦争が起きて幸福にはならないのに、なぜ政治家のまねをして改憲に賛成しなきゃならないのか。政治家とつるんで金もうけでもたくらんでいるのでしょうか。
 「美しい日本」「取り戻す」。そうした抽象的な言葉で何に回帰したいのでしょうか。日本の理想はまだ実現されていません。この憲法の名の下にこれから実現するべきなのです。なのにその努力を怠り、反省すべきを反省せず、戦前の軍国主義を勘違いして、そこに「美」を求めるのはとんでもない反動です。

 自民党は改憲を言うとき、「対案を出してくれ」と求めます。それには各党が「反対なんだから対案なんて出す必要はない」と言えばおしまいなんです。もともと改正の必要がないわけだから。そうすれば国民の目も覚めますよ。

 自民党の改憲草案は、発想が国家ありき。憲法は国民ありき、個人ありきなのに、逆転の発想がしたくてしょうがないようです。棄民思想をずっと日本はやってきたわけですが、少しも進歩していません。


  戦争いらない。改憲いらない。原発いらない。