ふうるふうる・たらのあんなことこんなこと

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島田洋七さんのおばあちゃんの言葉

2005-05-21 22:50:57 | 本や言葉の紹介
5月7日に朝日新聞掲載の島田洋七さん(漫才師)の文章を紹介させてください(途中いくらか省略します)。何度読んでも、島田さんの語りかたのうまさに感心し、ばあちゃんの生きる知恵と深さに感じ入っています。島田さんは、小学2年から中学卒業までの8年間、佐賀のすごく田舎のぼろぼろの家に住むおばあちゃんに預けられたそうです。


 4年生のとき、学校から帰って、「ばあちゃん腹減った!」と言うと、答えは「気のせいや!」。 外に遊びに行くというと、「腹減るから行くな!」「早よ寝ろ!」。 まだ夕方の4時半。でもすることがないので布団に入った。夜中の11時ごろに目が覚めて「やっぱり腹減ったわ」と言うと、今度は「夢や!」。そうかなあと首をかしげながら、また眠りについた。
 朝、やっとご飯が食べられると思って起きると、「昨日、食べたやないか! そんなこと気にせんでいいから、さっさと学校行って給食を思いっきり食べろ!」。待ちに待った給食の時間が来た。本当にうまかった。要するに、人は腹減ったら何でもおいしく食べられる。
 僕の成績が悪くても、ばあちゃんは怒らなかった。「体育は5やけど、あとは1と2ばっかり。ごめんね」と謝ると「大丈夫! 足したら5になる。心配するな、人生は総合力や!」。世の中には何万種類もの仕事があり、それぞれに応じて頭のよさやものの考え方、アイデア、体力などが必要となる。それが世間だ。おまえは心配するなということだった。
 毎日毎日、ばあちゃんとよくもあんなに話すことがあったなと感心するが、テレビもラジオもなかったせいだろう。家の中で動くものといえば、ばあちゃんとニワトリだけだった。おかげで8年間、ばあちゃんとたっぷりしゃべれた。それは今の僕の大切な財産になっている。