安全保障関連法案が14日にたった10分で閣議決定され、15日に衆院に提出された。
安全保障関連法案というのは、武力攻撃事態法など10本の現行法をひとまとめに改正する「平和安全法制整備法案」と、他国軍の戦闘支援を目的とした自衛隊の海外派遣を随時可能とする新法「国際平和支援法案」の2本。他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱としている。
「他国の戦争に何とかこじつけて参戦したいんだ、戦争したいんだよう」って叫んでるような法案になんで「平和」とつけるのか。ごまかそうと必死だね。
15日の東京新聞社説から抜粋します。
●安保法制閣議決定 専守防衛の原点に返れ
安倍内閣がきのう閣議決定したのは、集団的自衛権を行使できるようにするための自衛隊法改正案など、十の改正法案を束ねた「平和安全法制整備法案」と、自衛隊の海外派遣を随時可能とする新法「国際平和支援法案」だ。
これまで「安全保障法制」と呼んでいたものを、二つの法案を合わせて「平和安全法制」と言い換えたのも、「戦争法案」との批判を和らげる意図があるのだろう。
それは欺瞞(ぎまん)である。呼び方をいかに変えようとも、法案が持つ本質は変わりようがない。
その本質は、自衛隊の活動内容や範囲が大幅に広げられ、戦闘に巻き込まれて犠牲を出したり、海外で武力の行使をする可能性が飛躍的に高くなる、ということだ。
こうした自衛隊活動に、憲法の揺るぎない裏付けと国民の大多数の理解と納得があるのならまだしも、海外での武力の行使は、自民党を含む歴代政権が憲法違反として認めてこなかったものである。
国会で積み重ねられた議論を無視して一内閣の判断で憲法解釈を変え、自衛隊を地球上のどこにでも派遣して武力の行使を認めることを、憲法破壊の暴挙と言わず何と言う。
思い起こしてほしい。なぜ戦後の日本が戦争放棄の「平和憲法」をつくり、それを守り抜いてきたのか。思い起こしてほしい。なぜ戦後の日本が「専守防衛」に徹してきたのか。
それは誤った政策判断により戦争に突入し、日本人だけで約三百十万人という犠牲を出した、先の大戦に対する痛切な反省からにほかならない。
新法の国際平和支援法案は、国際社会の平和と安全に対する脅威を取り除くために活動する外国軍隊を、自衛隊がいつでも後方支援できるようにする一般法だ。
地理的な制限はなく、米軍以外の外国軍隊も支援対象とする。
現に戦闘が行われている現場では実施しないとの条件付きだが、後方支援は戦闘行動と一体であり、戦闘現場以外での活動でも、いつ攻撃されるか分からない。攻撃されて反撃すれば、本格的な戦闘となるのは避けられまい。それでも「専守」を貫けるのか。
◆岐路に立つ自覚持ち
戦後七十年の節目を生きる私たちは日本が今、重大な岐路に立っているとの自覚を持ち、平和憲法を守り、専守防衛を貫いてきた先人たちの思いを胸に刻みたい。
二度と侵略戦争はしない、自国防衛以外には武力の行使や威嚇はしないという戦後日本の原点に返れば、安倍政権が目指すものとは違う、日本の進むべき道がおのずから見えてくるはずだ。
さて、衆院提出を受け、与野党の国対委員長が国会内で会談したそうな。以下、今朝の東京新聞記事からです。
与党は連日審議できる衆院特別委員会を19日に設置し、21日の本会議で審議入りすることを重ねて要請した。民主党など野党7党は性急すぎるとして早期の審議入りに難色を示した。共産党は廃案を求めた。来週再協議する。
民主党の高木義明国対委員長は会談後、記者団に「法案を理解するには時間がかかり、来週の審議入りは考えられない」と語った。 共産党の穀田恵二国対委員長は会談で「『平和安全法制』という名称は国民を欺くものだ。廃案にするため、断固戦う」と強調した。
自民党の谷垣禎一幹事長は記者会見で「国民の理解を得ながら成立させられるよう全力を挙げる」と述べた。公明党の山口那津男代表は参院議員総会で「『戦争法案』という批判はレッテル貼りだ」と指摘。国会審議を通じ、国民に理解を求めていく考えを示した。
どの党が・だれがなんと発言するか、しっかりチェックして覚えておくぞ。
戦争への道を閉ざさなくちゃ。