我ながらしつこいですなー。さてまた『原発のない世界へ』(小出裕章 筑摩書房)から抜粋します。
●再処理が必要という誤解
・すべての原発を止めたとして、全部始末するのにはどれくらいの時間がかかるか
生みだした放射能のゴミもすべて始末するという意味ならば、100万年ですよ。
(1966年から今日までに、日本の原子力発電所が生みだした核分裂生成物(死の灰)は広島原爆の120万発分。科学には放射能を放射能でなくするという力はないので、それが無力化するまで100万年に渡って背負っていかなければならない)
・すべての原発を停止させて、そのご地震や津波が襲ってきても事故を起こさない状態にもっていくには
5~10年でしょうね。
ある程度冷却をして崩壊熱を取り去りながら、いわゆる金属製のキャスクに入れて、空冷で冷やす。何が起きてもキャスクに入っている限りは大丈夫というやり方が、今は一番現実的でしょうね。
再処理などまったく必要ないです。
僕が再処理について話す時は、「これをやる目的は唯一プルトニウムを取り出すということだけであって、放射能に関しては何も処理することができない、そのまま残る」と説明します。
再処理は最悪の放射能汚染源です。
キャスクですが、次のようなものらしいです。
原子力発電において、原子炉から取り出された使用済み核燃料を収納し、輸送するための容器。金属製の樽のような形状をしており、内部の使用済み核燃料を漏洩させないとともに、使用済み核燃料から放出される放射線を遮蔽するように設計されている。また、内部で発生する熱を適切に外に逃がし、臨界が起こることを防ぐ機能も求められる。
人類がさ、死の灰に100万年も責任もてる?