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宮沢元首相 死去

2007-06-29 07:32:31 | 政治
宮沢喜一・元首相が死去、退任後も蔵相で手腕発揮(読売新聞) - goo ニュース

宮沢元総理がお亡くなりになったそうです。享年87歳 謹んでご冥福をお祈り申し上げます

その華麗なる経歴は下の記事の通りである。戦後大蔵官僚として始まり政治家の秘書官として活躍、池田総理引退と同時に官僚を辞任、政治家に転進し参議院議員として初当選その後衆議院に鞍替え。以降自民党で要職を歴任、1991年から93年まで海部総理の後を受け総理大臣に就任。 位人臣を極めた。

葬儀の前に悪口は言わないのが礼儀だが公人であったので、爺から見た感想を一つ二つ:
1985年プラザ合意に基づく円高騒動の際は中曽根内閣で竹下大蔵大臣の後任として大蔵大臣として活躍。
世界中が円売りをする中、日本だけ円を買い支えた この時の(ドル買い入れのために使った)国債発行額は巨額であったはず。又輸出企業助成の為の低金利政策と金融緩和はバブル経済への出発点とされている。

1991年11月海部総理の後を受け総理大臣に就任1993年6月細川総理に後を譲る。
平成元年リクルート事件と消費税の導入で下野した竹下総理から数えて宇野、海部、宮沢、細川、羽田、村山、そして橋本総理へと続く
奇しくも宮沢総理が就任された91年頃から10年を「失われた10年」と呼びバブル経済の崩壊の後始末に官民共に苦慮した期間となってしまった。

この間歴代内閣の経済政策は国債増発による大型公共投資と若干の減税であった。

宮沢氏は止めておけば良いのに消費税率の値上げで崩壊した橋本内閣(もっとも率の値上げは村山内閣で決まった事ではあるが)の後を受けた小渕内閣で大蔵大臣を引き受け30兆円の国債増発とサラリーマン減税の旗振りをした。
これは国債残高を増やしただけで経済を活性化させる種にはならなかった

宮沢氏は個人的には「書」は大家「英語」は通訳の誤訳を直したとの話のあるほど優れた能力をお持ちであったそうだ。勿論東京大学卒業、ご本人もこの点はいたく誇りに思って居たそうな

前置きが長くなったが個人的に優秀であろうとなかろうと:
「貿易(産業)立国でドルを稼ぐ、そのドルで原材料を加工して輸出する」
「ドルはとても大切だから使わないで貯めておく」
「国債はいまに景気がよくなれば償還できる」
こんなシナリオ(脚本)にのってやってきた結果国の債務残高834兆円と外貨準備高1000億ドル(120兆円=120円/1$)である。
橋本総理の発言で判ったように日本はこの外貨準備を1ドルたりとも米国の合意無しには取り崩せないのである。強行すればワシントンからミサイルが飛んでくる。財務大臣は暗殺されるであろう
  
短期的解消が難しければ適当な為替水準(多分105円/1$位)で年間10兆円もの輸入超過を起さない政策が大切となる。
宮沢元総理の様な優秀なお方でも戦後の成功体験の枠を越える政治的先見性は全く無かった。
どの様にして「国の債務残高を解消するか」「使えない外貨準備をどう生かすのか」
この2点の解決策に国民的合意を取り付ける事の出来る人を探す。これが今日本の政治的課題なのです

宮沢元総理ご苦労様でした

読売新聞:
自民党の宮沢喜一(みやざわ・きいち)元首相が、28日午後1時16分、老衰のため、東京都渋谷区神宮前6の34の1の自宅で死去した。

 87歳だった。葬儀は7月1日正午から、港区南青山2の33の20の青山葬儀所で、近親者のみの密葬で行われる。喪主は妻、庸子(ようこ)さん。後日、内閣・自民党合同葬を行う方向で調整している。

 宮沢氏は2003年の衆院選の際、小泉首相(当時)の要請を受けて政界を引退。その後も、自民党の新憲法起草作業に関わり、憲法や外交問題などで発言を続けていた。昨年夏に足を骨折し、自宅で療養生活を送っていた。

 宮沢氏は1919年10月、宮沢裕・元衆院議員の長男として東京で生まれた。東大法学部を経て、1942年に大蔵省入省。池田勇人・元首相の蔵相時代、秘書官として終戦後の対米折衝にあたり、51年9月のサンフランシスコ講和会議に全権団随員として出席した。53年、参院広島地方区から初当選し、67年に衆院旧広島3区へくら替え。以後、連続12回当選した。外相、官房長官、蔵相などを歴任し、高度成長期の日本をリードした「戦後史の証人」だった。(引用終わり)

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