王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

国家の品格論 総集編

2006-05-12 09:31:01 | 国家の品格論
数学者の藤原正彦さんのベストセラー「国家の品格」(新潮新書)の発行部数が11日、202万部に達した。新潮社がこの日、5万部の増刷を決め、昨年11月の出版以来半年弱での200万部突破となった。同社によると、養老孟司さんの「バカの壁」の200万部到達よりも58日早く、新書の最速記録という。(朝日新聞)
藤原先生 おめでとう御座います 「国家の品格論」を書いた甲斐があります

  「国家の品格論」も長きに亘りました 先の第七章 下 で終わりにしようかと思ったのですが 何か先生の提言が爺には違和感を残しましたのでおさらいです

「経世済民」と言う言葉がある「正しい方法で世を治め民を救う」が原義であったが今では「経世」は「政治」に置き換わり「済民」が「経済」という語に置き換わり 「政治と経済」の様に分けて使うが二っは車の両輪のような物である
「政治」を分かりやすく言えば人々を導き国家100年の計を示すこと 「経済」は人々を衣食住で困らぬようする事であろう

日本国家100年の計は明治維新以降の富国強兵 これは昭和20年外国軍による日本占領という有史以来の失政を明らかにして77年で幕を閉じた 敗戦以降腹いっぱい食べたい このための産業立国はバブル崩壊と金融機構の壊滅で平成12年には成り立たなくなった わずか55年の計であった 

今 20歳の若者の、30才台働き盛りの夫婦の、40歳代の分別盛りの人々の心が落ち着かないのは国家が10年後には、20年後にはと自分の身に当てはめて先の有り様を想像しても何も脳裏に浮かぶ物が無いからである それどころか年金の支払いは遅れ、額は減る 健保も大丈夫か、医療は? 雇用は?老後は? 明るい展望が無い
政治家は個人で、政党は団体で国家100年の計を明示する責任が有るにも関わらず予算の範囲でやり繰りの辻褄を合わせる官僚の頭脳を超えることが出来ない

今明治維新以降138年の誤りを反省して国家100年の計を建てるには以下の4点を糺さねばいけない
① 少子化問題
2005年昨年の1億2千7百7拾余万人を最多に日本の人口は減ってゆく
これを現実視して税も福祉も「経費は後の世代が負担する 世代間の助け合い」なる虚言に騙されてはいけない 従って国債地方債残高合計1000兆円もの負債を後世代には残せない 残してはいけない
② 家族の問題
家庭の崩壊は勿論親子の関係が崩壊している 交通遺児、親が離婚した子供、片親が外国人、未婚の母の子供、結婚しない男女の間の子供 新しい社会は全ての子供を受け入れる体制を整えなければならない 子供がいて人がいて日本の国が維持されてきたのである 子供を大切にしなければこの国に未来は無い
③農業の問題
主食の自給率は40%を割り 主食の総量30%を残飯として廃棄している日本
世界中でその日の食事に困る人が大勢いると言うのにドルをばら撒き食材を買いあさり食べ放題・飲み放題はいつまでも続かない
食えなければ飢え死にするのであるから日本農業の再生は緊急の問題である 農業人口384万人(平成11年)平均年齢65歳 (参考までに昭和40年1200万人)若い農業従事者が減る一方と言う事である
若い農業従事者(百姓)と分かったら若い娘達が携帯(電話)の番号教えてーと後を追いかけるような農政を行わねばならない 農地の優先わりあて、無料使用など
方策はある
④土地の問題
前項の農地の問題とも関係するが土地の私有が進み細分化され(というより零細化され--100坪ほどの土地にマッチ箱みたいな家が5棟も建ち分譲されている姿を想像してください)これで良いのか? 食う寝る所に住む所と落語のセリフがある
一家が住む所くらい廉価で提供されねばならない 銀行ローンでマンションを買い払えぬからと言って部屋を取られローンが残るとは非道であろう 契約と言うがその様な契約がおかしいはずである

藤原先生の提言 「情緒と形」 形の中核「武士道精神」も国を憂うお気持ちの一つであろう しかし今の日本には他人の頭のハエを追っている余裕は無い 又「腹は正直」で空腹を高楊枝で二日と騙すことは出来ない 人は幼児期の記憶を引きずる 先生は幼児期満州からの引き上げで「食うや食わず」の極限生活を体験したはずである 爺は内地にいたが配給しかなく痩せこけていた 先生はその記憶を(余りの辛さに)すっかりそぎ落とし「たかが経済」であり爺は今でも「餓死は惨い死」と思う 
先生の著書が200万部も売れるのは日本の先行きを憂う人が大勢いることだ

この思いが国内に満ちるとき1億2千7百7拾余万人の誰かの遺伝子に働きかけ「眠れる政治の天才性」を目覚めさせる 信長、秀吉、竜馬、吉田松陰等だれも松下政経塾など卒業していなかった
上記4点セットに方向性を与え統合できる方が日本国の指導者である
 

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TBありがとうございます (ヤブッチ)
2006-05-12 12:26:11
こんにちは。

この度は拙サイトにTBいただきまして、ありがとうございました。折角いただいたTBですが、スパム削除の際にこちらの御操作で削除してしまいました。本当にすみません。

お嫌でなければ再度いただければと思います。娯楽主義の当ブログにて、色々な考え方のブログがTBしていただけるのはありがたいと思っています。

取り急ぎ御挨拶かたがたお詫びまで
返信する
トラックバック ()
2006-05-12 14:17:19
トラックバックありがとうございました。

一からゆっくりと読ませていただきます。
返信する
TBありがとうございます。 (なみだ虫)
2006-05-12 14:29:25
こんにちわ。

当ブログにおいて初TBでございます。

国家の品格についてはもう愛読書ですね。

賛否両論ありますが

この武士道が日本に広まればどれだけいいことか・・

この武士道をもって国内の政治家・外交官に

襟を正してもらいたいですね。

TBありがとうございました。

返信する
Unknown (certain-dieter)
2006-05-12 15:31:40
はじめまして。

『Sweets+Fire kingな日記』を書いております、certain-dieterと申します。

この度はTBありがとうございます。



『国家の品格』200万部突破したみたいですねッ

先ほどの授業でも、先生は嬉しそうにそのお話を語っておられました(笑)



藤原先生のお考えについては、大学でも賛否両論とあります。

しかしこの様に大きな反響を呼んでいるのは、この当たり前の視点が、まるでアメリカの属国化している今の日本においては、逆に新鮮だったのかもしれないと思います。

当たり前の事が見えずらくなり、多数に流されつつある社会に、新たな新風が巻き起こったような気がします。

これが新時代を作りだす契機になったら…と願わずにはいられません(笑)
返信する
Unknown (balalaika)
2006-05-12 15:51:38
TBありがとうございます。



国家の品格は当たり前の事を当たり前に書いていたからこそ売れたんじゃないかと個人的には感じています。



大変参考になりました。また読みに来ます。
返信する
ありがとうございました。 (TOH)
2006-05-12 16:30:27
TB頂きありがとうございました。

まだまだ未熟で知らないことだらけのまま歳だけは

重ねてしまいました。

またお邪魔させて頂きます。今後共どうぞ宜しく。
返信する
TBありがとうございます (こう)
2006-05-12 22:14:04
TBありがとうございます。

『国家の品格』は学校でも副教材にしてもらいたいくらいですね。
返信する
TBありがとうございました (たま)
2006-05-13 13:15:12
こんにちわ。TBを頂いていましたのでご挨拶に参りました。私は『国家の品格』には結構否定的なので場違いなのかもしれませんですが…楽しく全章読ませていただきました。では、失礼いたします。
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