沖縄の政治家、知識人、新聞は無責任である


なんと、沖縄タイムス・琉球新報・共同通信の共同企画が登場した。「日本よどこへ・普天間交渉」である。沖縄の新聞は沖縄タイムスと琉球新報だけであるから、新聞をとっている人はみんな「日本よどこへ・普天間交渉」を読むことになる。

最近の新聞で、アメリカの公文書を調べてみると、沖縄の復帰前後に、沖縄のアメリカ軍駐留はアメリカよりも日本のほうが望んでいたとが明らかになった。アメリカ軍がアジアから引きあげた時に中国の政治・軍事の日本への攻撃を日本政府は恐れた。だから日本政府はアメリカ軍の日本駐留の肩代わりをしてでもアメリカ軍を日本に駐留させた。日本政府がアジアの日本への逆襲を恐れたのは当然である。

尖閣諸島の領海で石油基地をつくったり、中国漁民が大挙押し寄せて沖縄の漁民を追い出したのも、沖縄がアメリカ軍の管轄から日本政府の管轄になったからであった。もし、アメリカ軍が日本・沖縄から完全に引き上げていたなら、ベトナム、フィリピンと同じように尖閣諸島に中国軍は基地を作り、尖閣諸島は中国に占領されていただろう。
そして、八重山、宮古の海を中国の軍艦や漁船は自由に行きかい、沖縄近海、沖ノ島鳥一帯を日本の領海とは認めないで中国が自由に軍艦、商戦、漁船を公開していたはずである。
官僚がアメリカ軍の沖縄駐留を認めるのはアメリカ従属の思想からではない。日本の利益を守ろうとしたからである。

日本政府がアメリカ従属であると主張している人たちは日本政府を根本的なところで理解していない。国を支配している者が他国の介入を好むだろうか。そんなことはあり得ない。戦後政権を握ってきた自民党は対米従属である非難されてきた。しかし、政権を握っている自民党こそ自由に政治を行いたかったはずである。できることならアメリカ軍を排し、アメリカの介入も排したかったはずだ。

しかし、アメリカを排した場合、確実に日本を攻撃してくるのが中国、北朝鮮などの社会主義国家であった。特に中国は、チベットを武力制圧したように、「人民開放」を名目に日本を攻撃しただろう。実際、中国に亡命した共産党の徳田久一は武力で日本政府を倒す計画を立てていたし、日本でも武力革命を目指すグループもいたがことごとくGHQに潰された。
中国が攻撃してきても、日本は憲法で軍隊をもつのを禁じていので、戦後の日本は日本を守ることができなかった。アメリカ軍を頼るしかなかったのである。

新聞は、官僚が「沖縄の米軍基地の存在を当然視する」と述べている。しかし、普天間基地の辺野古移設は海兵隊の9000人削減、嘉手納基地以南の米軍の撤去とセットになっている。軍事力的に見れば普天間基地を維持するだけで、大幅なアメリカ軍基地の削減を進めようとしているのだから、官僚が「沖縄の米軍基地の存在を当然視する」というのは間違いである。
中国の情勢を見ながら、状況に応じた対応をしている。

むしろ、9000人の海兵隊の削減、嘉手納基地以南の米軍の撤去の大幅なアメリカ軍の削減をまるでないかのごとく無視して、普天間基地の辺野古移設だけを指してアメリカ軍強化と思ってしまう新聞のほうが「凝り固まった発想」である。

新聞は沖縄返還と普天間移設の問題を重ねているが、沖縄返還と普天間移設事情が全然違う。佐藤栄作の政治主導で実現したかのように見えるが、沖縄返還はベトナム戦争で経済が疲弊していたアメリカも望んでいたことであった。アメリカは沖縄からの大幅な撤退も考えていたが、日本政府がアメリカ軍の駐留費を負担することで、アメリカ軍の大幅な撤退を踏みとどまらせた。

普天間移設は日本政府が費用を出すことは決まっていて、アメリカも沖縄にヘリコプター基地が必要であると認識している。日米両政府の考えは一致していて、沖縄だけが反対しているのだ。
沖縄返還は日米沖の三者が賛成した、だから実現した。しかし、普天間基地の辺野古移設は日米政府は賛成であるが沖縄は反対している。沖縄返還と普天間移設の違いは沖縄が賛成したか反対したかの違いである。

新聞は米政府と沖縄双方に納得してもらうのを「複雑な連立方程式」と述べているが、果たして複雑な「連立方程式」といえるだろうか。複雑な連立方程式でも解があるなら確実に解ける。しかし、現実の連立方程式というのは全て解けるわけではない。解のない方程式があるのを忘れてはならない。解のない方程式は非常に複雑に見えていつまでも解けない。鳩山前首相は「複雑な連立方程式」をつくったのではなく「解のない連立方程式」をつくった。安易に。
新聞には「解のない連立方程式」を「複雑な連立方程式」見えただけだ。

「県外移設」を解にしようとしてつくった連立方程式は解けない。なぜなら「県外移設」は虚数であり、連立方程式の現実的な解にはならないからだ。

政治家、知識人、新聞など沖縄は「県外移設」を解にしろと大合唱である。しかし、誰一人として、「県外移設」を解にした連立方程式をつくって解こうとはしない。ただ一方的に政府が解けと大合唱である。なぜ自分で解こうとしないのか。

それは、「県外移設」の解がないことを彼らは本当は知っているからである。沖縄の政治家、知識人、新聞は「県外移設」を合唱して、「県外移設」の解があるようにしていれば沖縄で君臨することができるから大合唱を続けているのである。無責任な連中である。
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