ヒックンは熱が下がり、すっかりよくなって木曜の夜、帰って行きました。昨日はパパが休みをとって一日面倒をみていたそうです。
昨日はSさん宅での家庭集会でした。
新約聖書ルカ6:6-11です。
別の安息日にイエスは会堂に入って教えておられた。そこに右手のなえた人がいた。
そこで律法学者、パリサイ人たちは、イエスが安息日に人を直すかどうか、じっと見ていた。彼を訴える口実をみつけるためであった。
イエスは彼らの考えをよく知っておられた。それで、手のなえた人に「立って真ん中に出なさい。」と言われた。その人は、起き上がって、そこに立った。
イエスは人々に言われた。「あなたがたに聞きますが、安息日にしてよいのは、善を行うことなのか、それとも悪を行うことなのか。命を救うことなのか、それとも失うことなのか。どうですか。」
そして、みなの者を見回してから、その人に「手を伸ばしなさい」と言われた。そのとおりにすると、彼の手は元どおりになった。
すると彼らはすっかり分別を失ってしまって、イエスをどうしてやろうかと話し合った。
イエス様が安息日に会堂で右手のなえた人を癒す場面について深く考える機会が与えられました。
イエス様は、神の国について語り、数々の奇跡をおこない、人々の病を癒していました。それで、大勢の人たちがイエス様のもとへ集まってきました。そのことで律法学者やパリサイ人たちはイエス様を憎み、妬んでいました。
律法学者やパリサイ人は、イエス様を訴える口実はないかと機会をねらっていました。
安息日にイエス様が会堂におられるとき、ちょうどそこに右手の不自由な人がいました。律法学者やパリサイ人はイエス様が安息日にその人を癒す奇跡を行うかどうかじっとみていました。
彼らはモーセの十戒の4番目の戒め「安息日に仕事をしてはならない」(出エジプト記20:8・9.10)に過剰反応して、安息日に病気を治すこともこの戒めを破ること考えていたようです。もし、イエス様がこの戒めをやぶったら、訴えることができると期待していたのでしょう。
イエス様はそんな彼らの心を見通しておられました。それで右手のなえた人を人々の真ん中に立たせ、癒そうとされました。
イエス様は律法学者やパリサイ人に次のような質問をしました。
「あなたがたに聞きますが、安息日にしてよいのは、善を行うことなのか、それとも悪を行うことなのか。命を救うことなのか、それとも失うことなのか。どうですか。」
『それは、戒めを守ることに固執してがんじがらめになっていた彼らになんとか神様の思いをわかってほしいと訴えているのです』と聞いてイエス様は律法学者やパリサイ人に対して愛をもってなんとか悟らせようとしておられたのだと気づきました。
律法学者やパリサイ人はイエス様への憎しみで心がいっぱいだったので、自分たちの間違えに気づきません。
イエス様は右手のなえた人の手を癒されました。ところが彼らはその奇跡を目の当たりにしたのに驚きも喜びもしなかったのです。聖書には彼らは分別を失って・・・と書かれています。
憎しみや妬みに支配された心は、長い間不自由で辛い思いをいていた人のなえた手が癒されるというすばらしい奇跡を見ても、何の感動も起こさなかったのです。イエス様が律法を守らなかったということの証拠をみつけて、イエス様をどうしてやろうかとそのことに頭がいっぱいになっていました。
そこに人間の持つ恐ろしい罪の姿を見て、深淵をのぞくような気持ちになりました。他人事ではありません。わたしの心の中にもこの律法学者やパリサイ人のような人をねたむ心が巣食っているときがあるのです。そんな自分に気づくと、激しく泣きたいような気になります。清さとかけ離れた自分の姿にぞっとするのです。
「自分の中の罪に気づいて心痛めるのは聖霊の働きによるのです。」と牧師先生が言われました。「信仰が深まるほどにますます自分の罪やねじれに気づくようになりますが、それはどんどん悪くなっているのではなく、むしろ逆で聖化されているのです。天国に近づいている過程なのです。」
最後にこの手のなえた人について……。この人はこの箇所では主人公のはずなのに心情が全く書かれていません。
起きて・・・と書かれているのは、横になっていたのでしょうか?
イエス様のうわさは聞いていたはずなのに……。会堂にイエス様が来られているのに横になっていたのはなぜでしょう。自分から癒しを求めていったわけでもなく、まったくの受け身です。
パリサイ人たちが大勢いる会堂なので、彼らの目を気にしていたのかもしれません。手を伸ばしてと言われて伸ばしたのですから、イエス様を信頼していたはずですが……イエス様もこの人に対して何のコメントもしていませんし、この人のその後のことについて何も書かれていません。
でも、イエス様によって癒されたことがあかしではないでしょうか。積極的でない人にも神様の栄光が現わされ、用いられるのだと思いました。