互いにいたわるにはどうしたらよいか……
コメントで美雨さんが『先ず相手の言い分を聞くことが大切』というヒントをくださいました。
相手の言うことをよく聞くことは大切です。でも、なかなかそれができないのです。口がひとつで耳がふたつあるのは、話すことより聞くことを大切にするようにと神様がそのように造られたのでしょう。でも、人の話を半分ぐらいしか聞かずに自分のことを話してしまうことがあります。
ひどいときは、人がせっかく話しているのにそれをさえぎって自分が話してしまうことです。このことは、父からしてはいけないこととしてよく聞かされていたのですが、たまにやってしまいます。
以前の無口だったわたしはどこへいってしまったの? というほど最近はよくしゃべるので自戒しなければなりません。
以前教会で傾聴の学びをしたことがありました。2人ずつペアーになって、10分ぐらいひとりがしゃべり、ひとりは口を出さずに(相づちだけうって)聞いているということをしました。1分間黙っているのも大変でした。
相手の話を充分聞くことができたら、その人のことをかなり理解できるでしょう。
でも100%ではありません。育った環境、男性女性、年齢、国籍、感性、経験……などが違うからです。
介護に携わる人が、高齢者を理解するために手足におもりをつけたり、よく見えないメガネをかけ、ヘッドホーンで耳をふさいで高齢者の疑似体験をしたと聞きました。また、おむつを当てられる人の気持ちを理解するために、介護者が自ら紙おむつを当てる体験をしたそうです。
それでも、それだけで完全に高齢者の気持ちを理解することはできませんね。
同じような経験をした方のことは、かなり理解できますが、子どものいない人が母親の気持ちを理解できないように、子どものいる人が子どものいない人の気持ちを充分理解することができません。
健康な人は、病気の人の気持ちを充分理解することはできません。
でも、神様は人のことを100%理解しなさいとはおっしゃっていません。人間には限界があり、とうてい無理なのです。
シスターの渡辺和子さんは、人は相手のことを98%しか理解できないので、2%の誤解される余地、相手を赦す余地を残しておくようにと言っておられました。
人間は完全ではありませんから……。
つづく
*日本クリスチャン・ペンクラブのHPhttp://jcp.daa.jp/更新しました。ぜひご覧ください。